
オーストラリアの地理についてまとめました。
これくらい理解しておけば高校地理レベルとしては十分!
…なはず(リスクヘッジ)
※もっと突っ込んだ内容や理解の仕方・教え方の工夫については、別ブログ「社会科プラス」でまとめます。ぜひそちらもご覧ください!
オーストラリアの地形と位置

地形

グレートディヴァイディング山脈

※写真の奥にうっすら見えるなだらかな山脈がグレートディヴァイディング山脈(←山脈にしては標高が低い)

※グレートディヴァイディング山脈の中にあるブルーマウンテンズ。ユーカリから出ている油(ガス)の影響で、遠くから見ると青く見えるのでブルーマウンテンって呼ぶ
大鑽井盆地
※いつか写真を撮りたい
※鑽井:被圧地下水が自噴する掘り抜き井戸
エアーズロック(ウルル)
※いつか写真を撮りたい
巨大な一枚岩で、先住民アボリジニーの聖地
グレートバリアリーフ(大堡礁)

ポリネシアでもミクロネシアでもメラネシアでもない
変動帯から遠い

オーストラリアは変動帯から遠いです。
なので、地震や火山活動は基本的に見られません。
オーストラリアの気候

内陸部を中心に国土の70%が乾燥気候
- 砂漠気候(BW)
- ステップ気候(BS)
※年間を通して亜熱帯高圧帯(中緯度高圧帯)の影響を受けるため
北部は熱帯のサバナ気候(Aw)
(例)ウェイパ
東部海岸地域は温帯
- 温暖湿潤気候(Cfa):シドニー
- 西岸海洋性気候(Cfb):メルボルン
南西部は温帯の地中海性気候(Cs)
(例)パース
南半球に位置するので、日本とは季節が逆です。

この写真は7月の様子。
シドニーは冬の7月でも、日中は15℃くらいあって日本の冬ほど寒くないです。夜になると10℃をギリギリ下回るけど、さっぶ!って感じではありません。
オーストラリアの歴史
1770 オーストラリアを「発見」
1770年、キャプテン・クックがオーストラリア東海岸を発見し、イギリスが領有を宣言。1788年から入植が始まりました。
※白人入植以降、アボリジニーは白人による娯楽としての狩猟(スポーツハンティング)の対象となり、たくさんの人が虐殺されました…
1850頃 ゴールドラッシュ
1850年前後にオーストラリアで金鉱が発見されました。(ゴールド・ラッシュ)

当時、奴隷制の廃止や犯罪者を海外の流刑地に送り込む制度の廃止により労働者が不足していたため、鉱山労働者として中国人が大量にオーストラリアに流入することになりました。
1901 連邦国家に
当時のオーストラリアには6つの植民地がありましたが、これらが統合されて1つの連邦国家になり、事実上の独立がなされました。
白豪主義、世界大戦への参戦、多文化主義へ
その後のオーストラリアは、「社会は乱されたくないが、外から人を呼び込まないと人手が足りない」という問題にずっと悩まされ、現在に至るまであれこれと試行錯誤し続けています。
「他の大陸からむっちゃ遠い」という宿命を背負っている以上、この問題が解決することはないでしょう
※白豪主義や多文化主義については、このあとの「オーストラリアの文化」の項で詳しく説明します
オーストラリアの人口と人口構成
オーストラリアの人口は約2,620万人(2022)。

「australia population pyramid」で検索するとヒットするPopulationPyramid.netは超便利です!
国土面積が日本の約20倍もあるのに人口がそれほど多くないので、人口密度がものすごく低いです(3人/㎢)。
移民は都市部に集中
(理由)オーストラリアの農業は粗放的なので、農村地域では移民の需要がほとんどないから





主な都市

各州の中心都市は覚えておくべし!
シドニー

- リアス式海岸にできた都市(世界三大美港の一つ)
- イギリス人が最初に(1788年)入植した場所
- ニューサウスウェールズ州の州都
- 人口:523万人(2021)
- 気候:温暖湿潤気候(Cfa)
- オセアニアを代表する金融都市
- 市内にトラム(LRT)が走っている
メルボルン

- ヤラ川の流域にできた都市
- 1851年にビクトリア内陸部で金が発見されてゴールドラッシュが始まったことにより、移民が大量に流入した
- ビクトリア州の州都
- 人口:507万人(2019)
- 気候:西岸海洋性気候(Cfb)
- 市内にトラム(LRT)が走っている
キャンベラ
- オーストラリアの首都
- 1901年のオーストラリア独立に際し、オーストラリアの首都をシドニーにするかメルボルンにするかで対立が起きたため、間をとってキャンベラに首都が建設された
- 人口:46万人(2019)
- 気候:西岸海洋性気候(Cfb)
ブリズベン
- クイーンズランド州の州都
- 2032年夏季オリンピック開催地
- 人口:250万人(2019)
- 気候:温暖湿潤気候(Cfa)
パース
- 西オーストラリア州の州都
- 人口:208万人(2019)
- 気候:地中海性気候(Cs)
アデレード
- 南オーストラリア州の州都
- 人口:135万人(2019)
- 気候:地中海性気候(Cs)
オーストラリアの文化
多文化主義
1850年代以降ゴールドラッシュによる中国人の流入を背景に、白人だけの国家建設を目指す白豪主義がとられたが、1960年代以降の労働力不足・アジアとの政治経済的関係強化の必要性・インドシナ難民の受容を背景に、多文化主義に転換した。
かつて白豪主義が推進された理由
1851年に起きたゴールドラッシュにより、労働力不足に陥った。
→労働力不足に対処する存在として流入し、低賃金で金鉱開発に従事し独自のコミュニティを形成した中国人に対して、白人が脅威・嫌悪感を抱いた。
※アジア人などの有色人種は語学の書き取りテストが課され、ほぼ全員が不合格になる・・・というメカニズムで有色人種が排除された
なぜ多文化政策が推進されたのか?
2つの戦争の影響(自分が経験した戦争&他国の戦争)
①第二次世界大戦の影響
兵員確保、労働力確保のため、東欧・南欧からの大陸系ヨーロッパ人移民を大量に受け入れた。(1947年に大規模移民計画がスタート)
※オーストラリアでエスプレッソが人気なのは、この時期にイタリア人が大量に流入してきたから
②ベトナム戦争の影響
1973年にイギリスがECに加盟し、1975年にサイゴンが陥落しインドシナ難民(特にベトナム難民)が大量に押し寄せたことにより、アジアとの関係強化が必然となった。
アボリジニーの文化を保護
オーストラリア大陸にはアボリジニー(Aboriginal People)と総称される先住民が暮らしていました。
彼らは文字文化を持たなかったため、イギリス人が入植するまでの人間の営み(歴史)はあまりよくわかっていません
※白人入植以降、アボリジニーは白人による娯楽としての狩猟(スポーツハンティング)の対象となり、たくさんの人が虐殺されました…

かつて迫害した負い目もあり、現在、白人系オーストラリア人はアボリジニーの文化を積極的に保護しようとしています。
独自の食べ物はほぼなし
オーストラリア独自の食べ物はあまりなく、様々な国の食文化の寄せ集めって感じです。
オーストラリア名物と言えるのはミートパイとソーセージロール。

イギリス系の人ってパイが好きですよね
オーストラリアの経済
農業が盛ん

広大な土地を使って少ない人数で農業を行うので、「土地生産性は低く、労働生産性は高い」という特徴があります。
日本とは違いますね
小麦
- 年降水量500mm前後のマリー川流域や南西部
※スノーウィーマウンテンズ計画:南東部を流れるスノーウィー川の水をせき止め、トンネルで山脈を越えてマリー川に導水する壮大なプロジェクト。これにより小麦栽培地が拡大しました。

牧羊
- 年降水量250〜500mmの大鑽井盆地や西部の乾燥地域
- 被圧地下水を羊の飲料水として利用(←塩分濃度が高いため灌漑用水としては利用しにくい)

UGG(アグ)はオーストラリア発祥のブーツ。メリノ種の羊の毛皮が使われている。
牧牛
- ステップ・サバナ気候の広がる北部
- ※オージービーフ(Aussie Beef):オーストラリア産の牛肉

オージービーフは脂身が少なくておいしいと思います。
酪農
お隣の酪農大国ニュージーランドが強烈すぎて陰が薄いですが、オーストラリアも酪農が盛んです。

シンガポールのスーパーの牛乳コーナーにはオーストラリア産の牛乳がたくさん並んでいました。シンガポールは牛乳を自給できないので、地理的に近いオーストラリアから積極的に輸入しているのでしょう。


シドニー発羽田行きのの飛行機の機内食(左)でプロセスチーズが出ました。羽田発シドニー行きの便(右)ではナチュラルチーズでした。
※ナチュラルチーズは乳酸発酵をした後に高温での加熱処理をしていないチーズ。プロセスチーズは加熱処理をしているチーズ。
オーストラリアは世界の市場から遠く、輸送に時間がかかるためナチュラルチーズに優位性がありません。なのでオーストラリアではプロセスチーズの生産が盛んです。
鉱業が盛ん

石炭・鉄鉱石・原油・天然ガスなど、鉱産資源が豊富です。
- 鉄鉱石:ピルバラ地区
- 石炭:グレートディヴァイディング山脈
- ボーキサイト:北部のサバナ気候地域
全世界がオーストラリアに注目するのは、豊富な鉱産資源あってこそと言っていいでしょう。


物価が高い
オーストラリアは物価が高いです。むっちゃ高い。ほんと困る。
(理由)
- 物流の効率が極めて悪い(都市までの物流、輸入コスト)
- 人件費が高い
※オーストラリアは伝統的に労働党の力が強く、労働者の地位が高い(人件費が高い)
工業は盛んではない
(理由)
- 人口が少なく、労働力が足りない
- 国内市場が狭い
- 賃金が高い
- 海外市場まで遠く、輸送コストが高くつく
金融業が盛ん
シドニーはオセアニア地域を代表する金融センター
観光業・留学生の受け入れが盛ん
留学生の受け入れ(留学生ビジネス)を積極的に行っています。
英語圏だし、美しい街だし、治安がいいし、気候が穏やかで、インフラが整っていて生活しやすいです。
アジアから近いので、アジア系の留学生が多い

1853年設立の歴史ある大学。世界大学ランキングで常に上位。
オーストラリアの政治
元首はイギリス国王
立憲君主制
※1999年に共和制移行のための憲法改正案が出されたが、国民投票で否決された(55%が反対)
※オーストラリアの名称は「オーストラリア連邦」(Commonwealth of Australia)
地方自治
6つの植民地が統合されて1つの連邦国家になった(1901年)という歴史から、各州の権限が強い
- NSW ニューサウスウェールズ州(州都:シドニー)
- VIC ビクトリア州(州都:メルボルン)
- QLD クィーンズランド州(州都:ブリスベン)
- SA 南オーストラリア州(州都:アデレード)
- WA 西オーストラリア州(州都:パース)
- TAS タスマニア州(州都:ホバート)
- ACT オーストラリアキャピタルテリトリー(州都:キャンベラ)
- NT(北部準州特別地域) ノーザンテリトリー(州都:ダーウィン)
オーストラリアの社会問題
人手不足
住宅不足
都市に人口がこれ以上集中すると困る(住宅不足により家賃が高騰したりホームレスが増えたり・・・)
環境保護
地球温暖化の影響をもろに受ける(観光業・農業など)ので、環境保全への取り組みに熱心
水不足
農業用水の確保(←地下水の枯渇)
もっと突っ込んだ話は
→社会科プラスで
※中高生は、とりあえず本記事の内容を理解するべし。この記事の内容をわかっておけば、高校受験や大学受験の共通テストならそれなりにいける…はず
(もっとリアルなことを知りたい人は社会科プラスへ)
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