シンガポールの地理についてまとめました。
これくらい理解しておけば高校地理レベルとしては十分!
…なはず(リスクヘッジ)
※もっと突っ込んだ内容や理解の仕方・教え方の工夫については、別ブログ「社会科プラス」でまとめます。ぜひそちらもご覧ください!
シンガポールの地形と位置
マレー半島の先端の島
シンガポールはシンガポール島を主な領土とする国です。
シンガポール島はマレー半島の先端とジョホール海峡で隔てられています。
ものすごく小さな島
国土面積は東京23区とほぼ同じ大きさです。
※埋め立てで徐々に拡大
赤道が通る場所
赤道はシンガポールの南を通ります。
アルファベットのkみたいな形をしているスラウェシ島(←インドネシア)の、くぼんでいるところも赤道が通るよ、って覚えておくと便利です。
狭まる境界からは離れている
シンガポールは変動帯(ユーラシアプレートとインド・オーストラリアプレートの境界)からは割と離れています。
なので、地震や火山活動は基本的にありません。
マラッカ海峡
マラッカ海峡に隣接しています。
※マラッカ海峡は航路の幅が狭く屈曲している上、浅瀬が多く、通行量も多いため、大型船の通行は制限されている
シンガポールの気候
熱帯雨林気候(Af)
※スコールあり
※台風はない
シンガポールの歴史
イギリスによる植民地支配
香辛料の価値に気づいてしまったヨーロッパの人々がこぞって東南アジアに進出。
マラッカ海峡に面する港町マラッカは香辛料貿易の拠点として、ポルトガルやオランダに占領された後、イギリスに占領されました。
その後、イギリスはマレー半島の港町ペナン・シンガポール・マラッカを植民地化。(海峡植民地)
やがてイギリスはマレー半島一帯を植民地化。(イギリス領マラヤ)
- マレー半島でゴムのプランテーション開発と錫鉱山開発を行い、
- シンガポールはゴム・錫の中継・加工貿易港となり、それにともなって移民がたくさん流入
※イギリス植民地時代に、中国系の人々が港湾整備や港での商品管理、資源開発などの労働者として、インド系の人々が建設業などの労働者として流入した
日本による占領
1942年2月8日、日本がシンガポールへ侵攻
1942年2月15日、イギリスが降伏
→シンガポールは日本陸軍による軍政が敷かれ、昭南島と命名された
イギリスの植民地に戻る
日本敗戦後、1945年9月1日にイギリスはシンガポールを再び直轄植民地とした。
マレーシアとの合体からの分離
1963年、マラヤ連邦、ボルネオ島のサバ・サラワク両州とシンガポールが合体し、マレーシア連邦が成立。
しかし、たった2年でシンガポールはマレーシア連邦から追放される形で分離独立することになりました(1965年)。
リー・クアンユーのもとで急速に工業化
シンガポールの初代首相リー・クアンユーの指導のもとで、シンガポールは急速に経済発展をしました。
※外資を積極的に誘致(後述)
シンガポールの人口と人口構成
シンガポールの人口は約560万人(2022)。
「singapore population pyramid」で検索するとヒットするPopulationPyramid.netは超便利です!
都市国家
シンガポールは一つの都市がそのまま国家となった都市国家です。
東端のチャンギ国際空港から、西端まで電車で2時間くらいで行けます
周辺国から出稼ぎ労働者が流入
シンガポールには周辺国(東南アジアや南アジアなど)から出稼ぎ労働者がたくさん流入しています。
(理由)経済成長を遂げたシンガポールなら、就業機会や母国よりも高い賃金が得られる
(理由)シンガポールも人手不足ゆえに出稼ぎ労働者を積極的に受け入れようとしている
シンガポールの文化
多民族国家
中華系 | 約74%、中国語 |
マレー系 | 約14%、マレー語、イスラム教 |
インド系 | 約9%、タミル語、ヒンドゥー教 |
※2022
公用語は英語、中国語、マレー語、タミール語。
若い人はみんな基本的に英語を喋れます。
シンガポールの経済
農業は盛んではない
国土面積が小さい都市国家なので、農業は基本的に行われていません。
天然資源に恵まれない
原油や石炭、鉄鉱石など、めぼしい天然資源には全然恵まれていません。
※ちなみに国土面積が小さいがゆえに水不足にも悩まされていて、隣国のマレーシアから水を輸入しています
分離独立後、工業化に注力
マレーシア連邦から追放される形で分離独立したシンガポール。
天然資源のない「持たざる国」は、生き残るために必死に努力をしました。
- 外資系企業を誘致
- 労働集約型の電機・電子産業に注力
- さらに石油化学などの資本集約型産業にも幅を広げた
- 第二次石油危機後に景気後退に直面すると、金融、物流などのサービス産業の育成へと政策を転換した
金融のハブ
シンガポールは東南アジアでビジネスを行う多国籍企業の地域統括本部が集まる地域となっています。
(理由)シンガポールはビジネスをしやすい国だから
- シンガポールは企業を設立しやすい
- シンガポールはお金を集めやすい(←世界の主要銀行が集まる)
- シンガポールは英語が通じる
- シンガポールは治安が良い
- シンガポールは駐在員も生活しやすい
物流のハブ
イギリスの植民地時代から貿易港として発展してきたシンガポール。
現代でも、世界の物流のハブとして機能しています。
例えば東南アジアの国々から輸出されるものは、いったんシンガポール港に集められてから、地域ごとにまとめて各地(アメリカやヨーロッパなどに)輸送されています
観光業も盛ん
シンガポールは観光を経済成長の手段と位置付けています。
2010年頃からシンガポールは超人気観光地に。
- 2010年にシンガポールのシンボルとも言えるマリーナベイ・サンズ・リゾートが開業
東南アジアの中で最も発展している
東南アジア諸国の中で、シンガポールはダントツに経済発展している国です。
シンガポールは別格。マレーシアとタイが2番手ポジション。その次に位置するのがインドネシアかベトナムって感じでしょうか。
※でも実際にシンガポール現地に行ってみると、いろいろ思うこともありました(→社会科プラス)
シンガポールの政治
中高地理の教科書で、シンガポールの政治に関する話はほぼ出てこなかったような。
※「これ重要だったわ!」ってのを思い出したら追記します
シンガポールの社会問題
少子高齢化
もっと突っ込んだ話は
→社会科プラスで
※中高生は、とりあえず本記事の内容を理解するべし。この記事の内容をわかっておけば、高校受験や大学受験の共通テストならそれなりにいける…はず
(もっとリアルなことを知りたい人は社会科プラスへ)
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