ケッペンの気候区分についてまとめました!
※「語呂合わせで覚える!」みたいな愚かなことはせず、しっかり本質を理解するべし!
ケッペンの気候区分とは
ケッペンは、
植生の分布に注目して気温と降水量の組み合わせで世界の気候を区分した
樹木が見られない気候
乾燥帯(B)
- ステップ気候(BS)
- 砂漠気候(BW)
寒帯(E)
- ツンドラ気候(ET)
- 氷雪気候(EF)
樹木が見られる気候
熱帯(A)
- 熱帯雨林気候(Af)
- サバナ気候(Aw)
温帯(C)
- 地中海性気候(Cs)
- 温暖湿潤気候(Cfa)
- 西岸海洋性気候(Cfb)
冷帯(D)
- 冷帯湿潤気候(Df)
- 冷帯冬季少雨気候(Dw)
気候帯・気候区分の見分け方
僕はこんな感じで見分けてるよ!ってのをまとめておきます。
基準を覚える!
東京
- 年平均気温:約16℃
- 年降水量:約1,500mm
- 温暖湿潤気候に分類される
ってのを覚えておきます。
これを覚えておくと、
- 年平均気温が25℃の雨温図を見た時に「うわー、暑い地域だなー」って判断できるし、
- 年降水量が600mmの雨温図を見た時に「わりと雨が少ない地域だなー」って判断できます。
熱帯の見分け方
気温が高くて、気温のグラフがほぼ平ら(山形になっておらず、1年を通しての気温変化が小さい)な雨温図を見たら、「熱帯っぽいな」って判断します。
次に注目するのは降水量で、
- 1年中雨が多い→熱帯雨林
- 雨が少ない時期がある→サバナ気候
と判断します。
乾燥帯の見分け方
ものすごく降水量が少ない雨温図を見たら、「乾燥帯っぽいな」って判断します。
さらに、より降水量に注目して、
- ほぼ雨がない→砂漠気候
- 微妙に雨が降る→ステップ気候
と判断します。
※ただ、ステップ気候の雨温図を「ステップ気候だな」って判断するのは結構難しいと思います(→なので、テストではそういう問題はあまり出題されないと思う)。
温帯の見分け方
冬でも寒くなりすぎず、かといって暑くはない(=亜寒帯でも熱帯でもない)雨温図を見たら、「温帯っぽいな」って判断します。
※冬=1年の中で気温が低い時期
※夏=1年の中で気温が高い時期
※南半球では1〜2月頃が夏になるので要注意
次に注目するのは降水量で、
- 降水量が多い→温暖湿潤気候
- 降水量がやや少ない→西岸海洋性気候
- 夏の降水量が少ない→地中海性気候
と判断します。
※温帯冬季小雨気候(Cw)ってのもありますが、テストで問われることは基本的にないのでスルー(←出題されたら、テスト作成者はマニアックな人)
冷帯(亜寒帯)の見分け方
1年を通しての気温変化が大きい(気温のグラフの山が大きい)雨温図を見たら、「冷帯(亜寒帯)っぽいな」って判断します。
※温帯と区別するのがやや難しいですが、冷帯(亜寒帯)は温帯に比べて降水量がやや少なめになりやすいので、降水量も合わせてチェックするのがコツ。
※冷帯の中の分類(冷帯湿潤気候、冷帯冬季小雨気候)はテストで問われることは基本的にないのでスルー(←出題されたら「この出題者、こんなどうでもいいことを問うなんてどうかしてるぜ!」って思うべし)
寒帯の見分け方
気温が低い(最も暖かい月でも10℃未満)雨温図を見たら、「寒帯だな」って判断します。
寒帯に関しては条件(定義)を覚えておくべし。
【寒帯の条件】
- 最暖月の平均気温10℃未満
さらに、最も暖かい月の気温に注目して、
- 最暖月の平均気温0℃以上→ツンドラ気候
- 最暖月の平均気温0℃未満→氷雪気候
と判断します。
思うこと
ここまで気候帯・気候区分の見分け方について書きましたが、、、
「この雨温図は◯◯気候だ」っていう判定が必要な場面はあまりないと思います。
あったとしたら、「それって本質的な問いじゃないのでは…?(中高のテストで問う必要、あんまりなくない?」って気がしなくもない。
まあ、ケッペンの気候区分についてしっかり理解すれば、結果的に見分けられるようになるとは思いますが…!
間違いなく言えるのは(つーか僕が伝えたいのは)、
語呂合わせで覚えたとしても何にも役に立たない!
ということ。
成績が良い人は「本質をしっかり理解すること」に努力を全振りするので、語呂合わせなんて使わないです。理解できないものを暗記しても意味ないです。
気候の本質(←絶対に理解しておくべきこと)については別記事でまとめてあるので、ぜひそちらも合わせてお読みください!
覚えた方がいい記号とその意味
※中学生は覚えなくてもいいけど、覚えておくと後々(=高校生になったら)ラクできます!
- 熱帯→A
- 乾燥帯→B
- 温帯→C
- 冷帯→D
- 寒帯→E
- ステップ気候→BS
- 砂漠気候→BW
- ツンドラ気候→ET
- 氷雪気候→EF
- 一年中雨が多い→f(※ドイツ語feucht=湿潤)
- 夏に乾燥する→s(summerって思えばOK)
- 冬に乾燥する→w(winterって思えばOK)
- 最暖月の平均気温22℃以上→a
- 最暖月の平均気温22℃未満→b
乾燥帯(B)
乾燥していて、樹木が育たない気候。
【乾燥帯の条件】
- 降水量よりも蒸発量がだいぶ多い
※細かい条件は覚える必要なし!
ステップ気候(BS)
少しだけ雨が降る。砂漠を取りまく地域に分布。
植生
短草草原(ステップ)が見られる
土壌、資源
腐食に富む肥沃な黒色土が分布することがある(←乾季になると草原が枯れるから)
※ウクライナ周辺→チェルノーゼム
生活
オアシスの近くで人々が暮らす
※オアシス=乾燥した地域の中でも水を得やすい場所
砂漠気候(BW)
雨が極端に少ない
気温の日較差が大きい(←空気中の水蒸気が少ないため)
植生
ほとんど見られない(岩石や砂が広がる)
- 砂砂漠
- 岩石砂漠
土壌、資源
砂漠土という土壌が分布する
生活
日干しレンガ(アドベ)を使った住居が見られる
オアシスの近くで人々が暮らす
※オアシス=乾燥した地域の中でも水を得やすい場所
寒帯(E)
一年中寒さが厳しく、樹木が育たない気候。
【寒帯の条件】
- 最暖月の平均気温10℃未満
ツンドラ気候(ET)
最暖月の平均気温0℃以上
植生
夏に地表の氷が溶けてわずかにコケ類が生える
土壌、資源
ツンドラ土という土壌が分布する(養分が乏しい)
生活
サーミ、イヌイットなどの民族が狩猟やトナカイ遊牧などで生活。
氷雪気候(EF)
最暖月の平均気温0℃未満
カチコチ。調査隊や基地の兵士が一時的に居住するだけ。
熱帯(A)
一年中気温が高い気候(←赤道を挟んで緯度20度付近までは、一年を通じて強い日射を受ける)。
【熱帯の条件】
- 最暖月の平均気温10℃以上
- 最寒月の平均気温18℃以上
熱帯雨林気候(Af)
一年中高温で、午後は毎日のように急激な降雨がある。
植生
熱帯雨林が見られる
- 南アメリカのアマゾン川流域→セルバ
- 東南アジア、アフリカ→ジャングル
土壌、資源
ラトソルという土壌が分布する(赤色で養分が乏しい)
アルミニウムの原石であるボーキサイトが産出されることがある
生活
高床式住居が見られる(←風通しの確保、スコールの被害回避、害虫の侵入防止)
マラリアや睡眠病などの風土病が多い。
サバナ気候(Aw)
明瞭な雨季と乾季がある。熱帯雨林気候の周囲に分布。
植生
樹木がまばらに混じった長草草原が見られる(ライオンキングの世界)
- アフリカ→サバナ
- オリノコ川流域→リャノ
- ブラジル高原→カンポ
土壌、資源
ラトソルという土壌が分布する(赤色で養分が乏しい)
アルミニウムの原石であるボーキサイトが産出されることがある
生活
年による降水量の変動が大きく、しばしば干ばつにみまわれる。
温帯(C)
四季がはっきりしている。熱帯の外側に分布。
【温帯の条件】
- 最暖月の平均気温10℃以上
- 最寒月の平均気温-3℃以上18℃未満
地中海性気候(Cs)
降水量が少なく、夏に著しい乾季がある。
(理由)夏は亜熱帯高圧帯の影響を受けて乾燥するが、冬は亜寒帯低圧帯や偏西風の影響を受けて雨が降る。
主要な分布を覚えるのがおすすめ!
- 地中海沿岸
- アメリカ合衆国西岸(サンフランシスコあたり)
- アフリカ南西部(ケープタウン)
- オーストラリア南西部(パース)
- チリ中部
植生
オリーブやコルクガシなどの硬葉樹が分布する(←夏の乾燥に強い)
土壌、資源
生活
白い壁の住居が見られる(←夏の強い日差しを反射させるため)
窓が小さい住居が見られる(←
夏のリゾート地になりがち(←夏に晴天が続くため)
温暖湿潤気候(Cfa)
夏と冬の気温差が大きく、雨が一年中多い
植生
いろんな樹木が見られる
降水量が少なめの地域では温帯草原が見られる
- 北アメリカ→プレーリー
- アルゼンチン→パンパ
土壌、資源
褐色森林土という土壌が分布する(養分に富む)
生活
西岸海洋性気候(Cfb)
気温・降水量の季節変化が小さい。
夏は涼しく、冬は緯度が高いわりに温暖。
(理由)暖流の北大西洋海流と、その上空を吹く偏西風の影響
温暖湿潤気候(Cfa)に比べて高緯度にある。
- 西ヨーロッパには海からの風をさえぎる山脈がないので、内陸まで西岸海洋性気候が広がる。
- 南北アメリカには海からの風をさえぎる山脈(ロッキー山脈、アンデス山脈)があるので、沿岸の狭い範囲にしか西岸海洋性気候が見られない。
植生
いろんな樹木が見られる
土壌、資源
褐色森林土という土壌が分布する(養分に富む)
生活
冷帯(D)
夏と冬の気温差が大きい気候。
【冷帯の条件】
- 最暖月の平均気温10℃以上
- 最寒月の平均気温-3℃未満
- 冷帯湿潤気候(Df)
- 冷帯冬季少雨気候(Dw)
の違いについてはあまり気にしなくてOK!(覚えなくてOKだと思う)
植生
単一の針葉樹林(タイガ)が見られる
土壌、資源
灰白色で養分が乏しいポドゾルという土壌が分布する(←気温が低く有機物の分解が進まないため)
永久凍土が見られる
生活
高床の住居が見られる(←凍った地面が融解しないようにするため)
永久凍土に鉄筋コンクリートの支柱を打ち込んだ住居が見られる
高山気候(H)
気温の日較差が大きい。
※ケッペンの気候区分にはない。
低緯度山地では、希薄な空気を除けば生活しやすい。
→都市や保養地が発達。
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