インドネシアの地理についてまとめました。
これくらい理解しておけば高校地理レベルとしては十分!
…なはず(リスクヘッジ)
※もっと突っ込んだ内容や理解の仕方・教え方の工夫については、別ブログ「社会科プラス」でまとめます。ぜひそちらもご覧ください!
インドネシアの地形と位置
主な島の名前と位置
- スマトラ島
- ジャワ島:総人口の過半数が集中
- バリ島:ヒンドゥー教徒が多い
- カリマンタン島(ボルネオ島)
は必須。余裕があれば
- スラウェシ島
- マルク諸島(モルッカ諸島):香辛諸島
も覚えておくといいと思います。
赤道が通る場所
アルファベットのkみたいな形をしているスラウェシ島の、くぼんでいるところを通ります。
狭まる境界に位置する
インドネシアはユーラシアプレートとインド・オーストラリアプレートの境界付近に位置します。
ここは地震や火山活動が活発な変動帯です(狭まる境界)。
山脈がスマトラ島やジャワ島のどっち側に分布しているかチェック!!!
マラッカ海峡とロンボク海峡
マラッカ海峡は必須。
ロンボク海峡はちょっと細かいですが、「マラッカ海峡よりも水深が深いので、マラッカ海峡を航行できない大型船はロンボク海峡を通りますよ」っていう文脈でたま〜に登場します。
※マラッカ海峡は航路の幅が狭く屈曲している上、浅瀬が多く、通行量も多いため、大型船の通行は制限されている
インドネシアの気候
熱帯雨林気候(Af)
※スコールあり
インドネシアの文化
世界最大のムスリム国家
インドネシアの人口は約2億8,000万人(2023)。
このうち約9割がイスラム教徒ってことで、実は世界最大のムスリム国家です。
※でもバリ島はなぜかヒンドゥー教徒が多い
※「東南アジアの大陸部は仏教が、島嶼部はイスラム教が主に信仰されている」ってのは東南アジア地誌の重要ポイントの一つ。でもなんでこのような区分けになったんでしょう…?(→社会科プラス)
※イスラム教徒は約87%、キリスト教徒は約10%(2023)
インドネシアの歴史
オランダによる植民地支配
香辛料の価値に気づいてしまったヨーロッパの人々がこぞって東南アジアに進出。
オランダはジャワ島の港町ジャヤカルタをバタヴィアと改称して香辛料貿易の拠点とし、インドネシアを植民地化しました。
ジャワ戦争により財政状況が悪化したオランダは、インドネシアに強制栽培制度を導入。コーヒー、サトウキビ、藍などを栽培させて、いわゆる搾取を行いました。
独立戦争(1945〜49)
オランダによる搾取にブチギレていたインドネシアの人々は独立を画策。
大東亜共栄圏だと息巻いてインドネシアに進出してきた日本が降伏したタイミングを見計らって、当時のリーダーだったスカルノがインドネシア共和国の成立を宣言しました。
しかしオランダが独立を認めず武力介入。
4年にわたる戦争の末、1949年にインドネシアの独立が認められました。
スカルノとスハルトの独裁
独立後、インドネシアでは長らく独裁政権が続きます。
スカルノ大統領 | 共産党と協力し、中国との関係を強化。1965年の九・三〇事件を機に軍部が握り、共産党は弾圧され、スカルのは失脚 |
スハルト大統領 | アジア通貨危機(1997)の混乱により1998年に失脚 |
※スカルノとスハルトどっちが先だっけ?って悩むのがインドネシア歴史あるあるですが、「デヴィ夫人(デヴィ・スカルノ)が先」って覚えておけばOKです
民主化
スハルトの長期独裁が終わった後、しばらくして民主化が達成されました。(大統領が国民投票によって選ばれるようになった)
インドネシアの人口と人口構成
インドネシアの人口は約2億8,000万人(2023)。
人口ピラミッドは富士山型。
「indonesia population pyramid」で検索するとヒットするPopulationPyramid.netは超便利です!
主な都市
首都のジャカルタと新首都のヌサンタラの場所はおさえておくべし!
インドネシアの経済
アブラヤシの栽培(→パーム油の生産)が盛ん
いろんな食品や化粧品、洗剤などに使われるパーム油。
パーム油は世界に売れる=儲かる!ので、パーム油がとれるアブラヤシの栽培が盛んに行われています。
※インドネシアはパーム油の生産量で世界一(2024)
(経緯)昔は天然ゴムの生産が盛んだったが、合成ゴムの登場により天然ゴムの価格が下がって儲からなくなったため、天然ゴムからアブラヤシの栽培への転換が起こった
※天然ゴムは先進国で製造する合成ゴムとの競合により、価格・生産量ともに低迷。パーム油はマーガリンや石けんの原料になる。用途が広いので、合成ゴムとの競合に悩まされる天然ゴムよりも有利な農作物と考えられた。
※アブラヤシ農園を作る上で熱帯林が大規模に伐採されて環境破壊が〜…っていう話も重要です
石炭の輸出が盛ん
石炭輸出量で世界一です(2024)
※石油もとれるけど、人口が多くて国内でかなり消費される関係で、石油の輸出は低調
※原油、天然ガスはスマトラ島やカリマンタン島でとれる
急成長中!
東南アジア諸国の中で特に急成長中!ってことで注目されています。人口も多いので。
シンガポールは別格。マレーシアとタイが2番手ポジション。その次に位置するのがインドネシアかベトナムって感じでしょうか。
インドネシアの政治
中高地理の教科書で、インドネシアの政治に関する話はほぼ出てこなかったような。
アジア・アフリカ会議
国際政治の文脈で、
反帝国主義、反植民地主義を唱えたアジア・アフリカ会議(バンドン会議)が1955年にインドネシアのバンドンで開催されたよ!ってのは知っておくべきです。
※バンドンはジャカルタのすぐ近く(日帰りできる距離)
アチェでの分離独立運動
スマトラ島北端のアチェ州で分離独立運動(武力蜂起)が行われていましたが、現在は落ち着いているようです。
※アチェはイスラム教の戒律が厳格な地域
インドネシアの社会問題
首都ジャカルタの過密
首都のジャカルタに人口が一極集中していて、渋滞や大気汚染などの都市問題が深刻です。
人口を分散させてジャカルタの過密を解消するべく、首都をカリマンタン島のヌサンタラに移転するプロジェクトが進行中。
※熱帯雨林を切り開いて新たな都市を作る超壮大なプロジェクト
貧困・経済格差
首都ジャカルタだけ発展している状況。
首都だけ発展するのは発展途上国あるある
農村の人々が就業機会を求めて首都ジャカルタに流入し、スラムができる…という問題もしっかり起こっています。
これも発展途上国あるある
もっと突っ込んだ話は
→社会科プラスで
※中高生は、とりあえず本記事の内容を理解するべし。この記事の内容をわかっておけば、高校受験や大学受験の共通テストならそれなりにいける…はず
(もっとリアルなことを知りたい人は社会科プラスへ)
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