地理

中国の地理をわかりやすくまとめた【中学〜高校レベル】

中国の地理についてまとめました。

これくらい理解しておけば高校地理レベルとしては十分!

…なはず(リスクヘッジ)

※もっと突っ込んだ内容や理解の仕方・教え方の工夫については、別ブログ「社会科プラス」でまとめます。ぜひそちらもご覧ください!

中国の地形と位置

主な山脈と砂漠

  • ヒマラヤ山脈
  • テンシャン山脈
  • クンルン山脈
  • チンリン山脈

※超高く険しい山脈であるヒマラヤ山脈は中国とインドの交流を阻む自然障壁として機能してきました

  • タクラマカン砂漠
  • ゴビ砂漠

※ゴビ砂漠はモンゴルとの国境にまたがり、中国にとって(モンゴルにとって?)防御装置として機能しています

主な河川

  • 黄河
  • 淮河(ホワイ川)
  • 長江
  • 珠江(チュー川)
  • ホワイ川(淮河)
黄河
長江
サンシヤ(三峡)ダム:2009年完成。長江の洪水の抑制(「10年に1度の洪水」を「100年に1度」にまで抑制できる)。世界最大の水力発電所を併設する。

珠江の河口の両端にマカオと香港がある。

主な平地

  • 華北平原:黄河と長江が流れる重要な場所
  • 黄土高原
  • スーチョワン(四川)盆地
  • タリム盆地
  • チベット高原

※チベット高原はアジアの給水塔です(黄河、長江、メコン川の源流)

黄土高原

黄砂:中国大陸の砂漠地帯で雪解けが進むと、地面が露出して乾燥し、風によって砂が巻き上げられやすくなる。舞い上がった砂が偏西風に乗って日本列島まで運ばれる。

変動帯からは離れている

中国は変動帯からは割と離れています。

ユーラシアプレートとインド・オーストラリアプレートの境界、ユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界

なので、地震や火山活動は少なめです。

中国の気候

  • 季節風の吹き方
  • 西部と東部の違い
  • 東部の中での北部と南部の違い

についてわかっていればOKです!

季節風の影響が強い

季節風(モンスーン)

  • 夏:海洋から大陸へ(南東風)
  • 冬:大陸から海洋へ(北西風)

季節風の仕組みについて

西部は乾燥

  • 西部:内陸部なので降水量がかなり少ない
  • 東部:季節風の影響で夏は降水量が多い

→中国は東部の方が圧倒的に住みやすいです。実際、人口の大部分が東部に居住しています。

※内陸部は海からの水蒸気がもたらされにくいため降水量が少なくなりやすいです

気候のポイント(気候因子)

東部の南部は特に降水量が多い

  • 東部の北部:小雨
  • 東部の南部:多雨

※チンリン・ホワイ川線:中国東部南部に位置するチンリン山脈と淮河を結ぶ線のこと。年降水量1,000mmの降水量線とほぼ一致します。

※チンリン・ホワイ川線の北は「華北」、南は「華南」で、文化などに違いが見られます。華北は小麦の栽培、華南はコメの栽培が盛んです。

南部の方が降水量が多いのは気候が温暖で空気中の水蒸気が増えるからでしょうか…?

中国の歴史

中国の人口と人口構成

中国の人口は約14億人。

少子高齢化が絶賛進行中!

「china population pyramid」で検索するとヒットするPopulationPyramid.netは超便利です!

人口動態の変化と人口政策

人口があまり増えなかった時期は2つ

  • 〜1949:多産多死型で人口はあまり増えず
  • 1959〜62:「大躍進」の失敗などにより人口が減少

基本、ものすごい勢いで人口は増えていきました。

人口増加を抑えるために…↓

一人っ子政策(1979〜2014)

人口増加を抑制するために、少数民族を除いて出産を一人に制限した。子供が一人だけの家庭に対しては、日常生活の様々な面で優遇。

  • 月5元(当時の平均月収の約1割)の奨励金を子供が14歳になるまで受領できる。
  • 託児所への優先入学、学費免除をする
  • 学校への優先入学、学費補助をする
  • 医療費支給
  • 就職の優先
  • 都市部における住宅の優遇配分、農村における「自留地」の優先配分がある
  • 退休金(年金)の加算と割り増し

引用:Wikipediaより

一人っ子政策がいろんな意味で効果を発揮し、今度は人口減少が問題視されることになりました。

一人っ子政策の廃止

2015〜2021年までは、一組の夫婦につき子供は二人までとされました。

さらに2021年8月からは、3人目の子供を出産することを認める方針に転換。

人口をコントロールするって難しいんですねえ。。。

主な都市

人口の大部分が東部に居住しています。

4直轄市

北京(ペキン)首都。政治・経済・文化・交通の中心地。
天津(テンチン)港湾・商工業都市。北京の外港で、河北最大の貿易港。
上海(シャンハイ)長江の三角州に位置する。最大の港湾・商工業都市。19世紀にアヘン戦争敗北で開港され、欧米諸国が進出。浦東(プートン)地区は輸出加工区・外国企業投資区などが建設されている。
重慶(チョンチン)四川(スーチョワン)盆地南東部に位置する。商工業都市。長江中流の水陸交通の要地。

2特別行政区

香港旧イギリス植民地。1997年に中国に返還。中継ぎ貿易港として発展。
マカオ旧ポルトガル植民地。1999年に中国に返還。

2020年、香港で国家安全維持法(反政府的な動きを取り締まる法律)が施行され、一国二制度が実質的に終了しました

経済特区

深圳(シェンチェン)1979年に指定。香港に隣接。
珠海(チューハイ)1979年に指定。マカオに隣接。
汕頭(スワトウ)1979年に指定。
廈門(アモイ)1979年に指定。台湾の対岸に位置。
海南省(ハイナン)1988年に指定。「中国のハワイ」と言われるくらい観光業が盛んなリゾート地。

5自治区

内モンゴル自治区牧畜が主産業。包頭(パオトウ)を中心に重工業が発達。
ニンシヤホイ族自治区牧畜が中心産業。
シンチャンウイグル自治区牧畜とオアシス農業が盛ん。大規模な油田開発。
チベット自治区農業と牧畜。自治権拡大を求める動き。
コワンシーチョワン族自治区石灰岩からなる山地と盆地が広がる(コイリンなど)。

※ウイグル自治区:8カ国と国境を接する緩衝地帯、原油の産出地、核実験場

※チベット:インドと直接国境を接している(→中国は常にチベットを管理)

産業別人口構成

  • 第1次:26.1%
  • 第2次:28.2%
  • 第3次:45.7%

※2018

中国の文化

9割が漢民族

約50の少数民族が居住

ウイグル族シンチャン・ウイグル自治区に居住する。イスラム教徒
チベット族チベット高原にあるチベット自治区に居住する(観光が重要な産業となるにしたがって漢族が流入)。チベット仏教徒(ラマ教)
モンゴル族内モンゴル自治区に居住する。チベット仏教徒(ラマ教)。
コワンシーチョワン族コワンシーチョワン族自治区に居住する。
ニンシヤホイ族ニンシヤホイ族自治区に居住する。イスラム教徒。
朝鮮族東北に居住する

言語

  • 北京官話(マンダリン):使用率は漢民族人口の73%
  • ほかに上海語、広東語などがある

口語は異なる(方言がある)が、文章語は共通しているため文書でコミュニケーションができるそうです。

※ウイグル族はトルコ系民族で、アラビア文字を使う

宗教

仏教や道教が中心ですが、少数民族を中心に別の宗教も広く(?)信仰されています。

  • ラマ教(チベット仏教):チベット族:やモンゴル族が信仰
  • イスラム族:ウイグル族やホイ族が信仰

中国の経済

農業

東北春小麦、大豆、トウモロコシ
華北冬小麦、トウモロコシ
華中稲作、茶
華南稲作
西部内陸地域オアシス農業、遊牧、綿花、春小麦

生産責任制が導入されてから生産力が向上

中華人民共和国成立後、1950年の土地改革法によって封建的な地主制度が一掃された。

→没収された地主の土地が貧農や小作農に分配される。

1953年ごろから、零細な農地をみんなで管理する政策が実施される(農業の集団化)

人民公社:農業だけでなく工業・商業・教育・軍事・文化・行政を一体化した中国の地域組織。1958年から大躍進運動の一環で導入された。

※公社はコミューンの中国での訳語

農村の農民は人民公社という集団農場で働く(土地を集団所有)。国の用意する社会保障制度からはずされた。農民は生活のあらゆる面で人民公社に頼ることになった。

集団作業では、個人の技術や努力に関係なく、収入が平均化される。そのため生産性の低下や労働意欲の低下が見られ、人民公社は1980年代に解体。

1980年代から、生産責任制が導入された。

  • 政府が個々の農家に生産を請け負わせる。
  • 一定量の生産物を供出すれば、超過分は各自の所有となる。

養殖業が盛ん

淡水での養殖業が盛んです。

コイとかコイとかコイとか

鉱業

石炭撫順(フーシュン)
原油大慶(ターチン)、玉門(ユイメン)、勝利(ションリー)
鉄鉱石鞍山(アンシャン)、大冶(ターイエ)

中国三大鉄鋼コンビナート

  • 包頭
  • 鞍山
  • 武漢

工業

改革開放政策に転換後、工業が急速に発展

第二次世界大戦前は、中国は半植民地的状態

  • 関税によって自国の工業を保護・育成できず
  • 工場はほとんどが外国資本によるもの(@沿海部)

(例)紡績業(日本資本、イギリス資本) @上海、天津、青島

中華人民共和国の成立後、計画経済による鉱工業の育成

  • 旧ソ連の援助のもとで発展

1960年、中ソ対立

→自力で工業の開発を進める(重化学工業)

1978年から改革開放政策に転換

  • 4つの近代化(農業・工業・国防・科学技術)
  • 社会主義的な経済システムから市場経済へと転換
  • 対外的には解放政策を推進
  • 外国資本を導入するために、経済特区・経済技術開発区を設置

経済特区:外国の資本や技術の導入を目的に経済的な優遇措置が与えられた特別地域。1979年以降設定。

  • 深圳(シェンチェン)
  • 珠海(チューハイ)
  • 汕頭(スワトウ)
  • 厦門(アモイ)
  • 海南(ハイナン)

経済技術開発区:経済特区に次ぐ解放政策として設置された経済開発区。外資と技術の導入を目的に、経済特区並みの優遇措置がとられている。1984年以降設定。天津(テンチン)、青島(チンタオ)、上海(シャンハイ)などの14沿岸都市。

郷鎮企業も工業発展に寄与しています。

郷鎮企業:郷や鎮(中国の地方行政単位)や個人が経営する中小企業。

一帯一路(Belt and Road Initiative)

中国の政治

共産党一党独裁

中国の社会問題

都市と農村、東部と西部の経済格差

対策の一つとして、西部大開発が行われた。

西部大開発:開発の遅れた西武の内陸地域を発展させ、沿岸部との格差を是正するための計画。2000年に正式決定。

※内陸部の農村から沿岸部の大都市に出稼ぎ労働者が集まっていた。しかし、なかなか職を得ることができずに劣悪な労働環境で働いている。(盲流、民工潮)

目玉プロジェクト

  • 南水北調
  • 西気東輸
  • 西電東送
  • 青蔵鉄道

大気汚染

領土問題

南シナ海(南沙諸島)

太平洋への自由なアクセスのために、南シナ海を確保したい(有事の際に封鎖されて中国の動きが封じ込められないように)。

※宗谷海峡付近は日本やロシアの領海で、有事の際は通過できない可能性がある(しかも千島列島もある)

台湾

もっと突っ込んだ話は

社会科プラス

※中高生は、とりあえず本記事の内容を理解するべし。この記事の内容をわかっておけば、高校受験や大学受験の共通テストならそれなりにいける…はず

(もっとリアルなことを知りたい人は社会科プラスへ)

東アジア地誌まとめ

中学・高校地理まとめサイト

おすすめの学習教材
モチオカ

僕のモチベーション維持のためで恐縮ですが、、、

「いい記事だった」「タメになった!」と思っていただけた場合のみで構いませんので、

SNS等でシェアしていただけると助かりますm(_ _)m