世界地誌・世界史

【地理】中国の地誌をわかりやすくまとめた

モチオカ(望岡 慶)

今回のテーマは、「中国ってどんな国なのか」です。

地理の教科書に書いてあるような内容をだらだら話す、というわけではなくて、中国について「こういうふうに捉えるとわかりやすいんじゃないか」と、僕が考えたことを話したいと思います。

この記事を書いた目的は、受験生や学校の教員が中国の地理を理解できるようになること。そして、中国について一緒に学び、考える仲間を見つけることです。

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モチオカ
モチオカ
社会科ブロガー(社会オタク)
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千葉の公立中・公立高から、1年間の浪人を経て東大へ(文3→教育学部→大学院教育学研究科)。公立中学校の教員になった後、数年で退職。現在はブロガーとして生計を立てて8年目。★「社会の攻略」を目指しています:世の中がどういう仕組みで動いているのか。今何が起きていて、これから何が起きそうなのか。それらを理解することを目指しています。★「仲間」を探しています:社会の攻略が楽しそうだなと思った方は、ぜひSNSのフォローをお願いします!
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中国といえば?

結論:分裂を恐れている国

「中国について、こう捉えるとわかりやすいんじゃないか」と僕が考えたことを話したいと思います。

中国を超ざっくり一言で言うと・・・

「分裂を恐れている国」です。

いや雑すぎるだろ、その捉え方・・・って感じかもしれませんが、とりあえず軸を定めて、シンプルに捉えていきましょう!深く理解するのは後でOK。

以下、このような流れで説明していきます。

  1. 分裂を恐れる理由が中国にはある
  2. 分裂を防ぐために中国は必死
  3. 中国の今

分裂を恐れる理由が、中国にはある

まず、「分裂」というのはどういうことかというと、1つにまとまっていた国が分かれて小さな国の集まりになってしまう、という意味です。

中国は、国が分裂してしまうことをすごく恐れている。

そして、恐れる理由が十分にあると思います。これは、地理と歴史の側面から説明できます。

国土が広く、人口が多い

まず地理です。中国はユーラシア大陸の東の端、北緯20度から50度くらいの場所に位置します。

領土はものすごく広く、国の面積ランキングで世界第4位の大きさです。そして人口は世界第2位。ものすごい数の人がいます。

そもそも、1つの国としてまとまっていること自体が奇跡に近いと言えるでしょう。

人口が一部の地域に密集

ただ、ものすごい数の人口が広い領土にまんべんなく分布しているかというと、そういうわけではありません。人口のほとんどは東の方に固まって住んでいます。

ここで、中国の国土を見てみます。中国の国土は、大きく4つの地域に分けて考えるとわかりやすいです。

  • 1つ目が東。黄河が流れる華北平原と、長江の中下流域あたり。自然環境に恵まれた平野で、中国文明が発祥した場所です。ここが中国の中心核です。
  • 2つ目が南。起伏がそこそこあってゴツゴツしている地域ですが、温暖湿潤で稲作に適している地域です。
  • 3つ目が北。かつて日本が支配しようとした地域です。冬の寒さが厳しいですが、石炭とか、鉄とか、石油などの資源が豊富な場所です。
  • 4つ目が西。内陸の乾燥地域です。ここは、人が住むには過酷な地域ですが、川の水源だったり、資源があったり、最近は太陽光発電の拠点になっていたりして、結構重要な地域です。
この地図では5つに分けていますが、華北と華中を1つ(→東)としています。

この4つの地域のうち、西の乾燥地帯や北の寒冷地(旧満州)には人が少なく、黄河や長江が流れる東側・南側に人が極端に密集しています。

このように一部の地域に人がぎゅっと集まっているため、ひとたび暴動が起きると一気に連鎖し、国の体制を揺るがす臨界点を簡単に超えてしまう危険性があります。

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多様な民族

そして、この中国には多様な民族が住んでいます。これだけ広い領土で、地形も多様なので、山や川で区切られた地域で、それぞれ独自の文化を持つ集団が形成されました。

実際、中国の中心の民族は漢民族で、これが人口の9割を占めていますが、それ以外に55の少数民族が暮らしています。

少数民族は「私たちは漢民族とは違う」と宣言している人たちのことを言います。

つまり、仲間意識を持てない、疎外感を感じやすい人が中国には一定数います。このような人たちが広い国土の周縁部(目が届きにくい場所)に住んでいますので、中国は分裂の火種が生まれやすいという宿命を背負っています。

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飢饉と王朝交代を繰り返してきた歴史

そして次、歴史に関してです。分裂を恐れる理由が歴史的にもあります。

中国の歴史は、分裂と統一を何度も繰り返してきました。中国は歴史上、農業がうまくいかず、人々が飢え、その不満が反乱へとつながって、ついに王朝が滅びる、という出来事が何度も繰り返されてきました。

中国の東の地域(華北平原あたり)は、とても自然災害に遭いやすい地域です。なぜかというと、ユーラシア大陸の東側は、季節風(モンスーン)の影響で降水量の季節変化が激しいからです。

夏場は風が海から吹く関係で、たくさんの水蒸気がもたらされて雨がかなり降ります。が、冬は内陸部から海に向かって風が吹く関係で、乾燥した、すごく冷たい風が吹き、あまり雨が降りません。

このように降水量の季節変化が激しいので、川の水量がなかなか安定しません。

特に、黄河が流れている地域(華北平原あたり)の不安定さは深刻です。

もともとこの地域は降水量がそれほど多くないので、河川の水が干上がってしまって農業ができない、ということがよく起きます。逆に、ものすごく水量が増えて大洪水が起き、農地が水浸しになってしまうということも起きます。

農業がうまくいかないと、人々が飢え、その不満が暴動や反乱につながります。結果として、王朝が滅びて国が分裂してしまうこともあります。

この最悪のパターンを中国は歴史上、何度も経験してきました。中国にとって「不満による暴発と分裂」は強烈なトラウマです。

※逆に言うと、だからこそ華北平原あたりに住んでいた人々は頭を使って工夫せざるを得ず、それが文明の発達につながったのだと思いますが。

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分裂を防ぐために、中国は必死

中国は分裂を防ぐために、すごく必死です。いろんな政策を行っています。

地理の教科書に書いてある中国のいろんな政策も、「分裂を防ぐための政策」だと捉えると、結構わかりやすくなるかなと思います。

ということでここからは、分裂を防ぐために中国がやっていることについて説明します。

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仲間意識を作る

まず、疎外感があって仲間意識を持てないと分裂が起きやすいわけですので、仲間意識を作ることにかなり力を入れています。

その1つが「中華民族」という概念です。

中国に住んでいる人は漢民族が9割で残りが少数民族、と言いましたが、同じ漢民族でも、実は遺伝子的には結構異なるようです。それでも、それらの人々をまとめるために、「俺たちは中華民族だ、仲間だ」という意識を植え付けようとしています。

そもそも「中華人民」共和国とは

2つ目が言語政策です。

そもそも漢民族というのは「漢字や文化を共有している人たち」というふんわりした概念なんですが、漢字を使っている漢民族の間でも、話し言葉はかなり異なります。特に南のほうでは方言が多かったりして、話し言葉だと通じなかったりします。

これだと仲間意識を持てないですよね。言葉が通じないと仲間だとは思いにくい。なので、北京で話されている言葉をもとにした「標準中国語」(マンダリン)というものを決めて、それを学校教育を通じて普及しようとしています。

人口をコントロールする

分裂を防ぐために、中国は人口をコントロールして臨界点に到達しにくくもしています。

有名なのが一人っ子政策です。

  • 人口が多くなりすぎると、食料が足りなくなったりして大変なことになる可能性があります。
  • そこで、少数民族を除いて出産を一人に制限し、二人目を産むと罰金などのペナルティを課し、一人っ子家庭には教育や住宅などで優遇する、という政策を行いました。

また、戸籍制度というものもあります。

  • 都市戸籍と農村戸籍というものを定めて、農村で生まれた人は、都市で家を買って住むことができない、ということになっています。
  • 要するに、農村の貧しい人々が都市へ一斉に流れ込むのを防ぐための政策です。
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目の届きにくい場所に目を光らせる

分裂を防ぐために、目の届きにくい場所に目を光らせることにも必死です。

街中に無数の監視カメラを設置したり、ネットの検閲をしたり、大量の警備員を街中に配備したり。

国民を不満にさせない

国民に不満を抱かせないために、国として成長することにも力を入れています。

食料が足りなくなって生活できなくなると、暴動が起きる可能性が高まります。実際、そういう歴史を何度も繰り返してきました。

なので、中国は農業や養殖業(川や湖での淡水魚養殖など)に力を入れ、食料確保に必死です。

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あと、工業化にも力を入れてきました。

国が貧しいままだと、国民も生活が苦しくて不満がたまります。実際、1970年代頃までの中国はそのような状況にありました。

そこで中国は、1970年代末から人口の多さは武器に(=豊富な労働力を武器に)して戦うことを選びました。

具体的には、沿岸部に経済特区というものを作り、そこに外国企業に来てもらって工場を作ってもらい、技術を学びながら経済成長し、国民の生活水準を上げよう、という政策です。

経済特区
華強北博物館 @深圳(2024.3撮影)
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中国の今

以上が、ざっくりとした中国の特徴です。

では、この中国が今どんな状況にいるのか?について、最後に説明をします。

一言で言うと「とにかくお金が足りない」という課題を抱えています。

少子高齢化

一人っ子政策の影響で、少子高齢化が急速に進んでいます。

高齢者の生活を守り、不満を抱かせないようにするためには莫大なお金がかかります。

経済格差

発展した沿岸部と、戸籍制度で移動を縛られ貧しいままの内陸部・農村部との間で格差が広がっています。

外国企業に来てもらった場所は、ほとんどが沿岸部の地域でした。その結果、上海とか深圳とか北京といった都市は発展しましたが、一方で内陸部の発展は全然進んでいない、という状態になってしまいました。

経済格差があると、不満がたまります。戸籍制度で移動が制限されているのに、ずっと貧しい農村に住まなきゃいけない、となると不満です。

だから、これまで発展していなかった内陸部(西部など)を開発して、生活水準を向上させなきゃいけませんが、そのためには莫大な資金が必要です。

重慶は1997年に直轄市になった。北京・上海は1949年、天津は1967年。

ハイテク産業が命運を握る

残された道は、EVやAI、ロボットといったハイテク製品を作って海外に輸出し、外貨を稼ぐことです。

ここに国の命運がかかっていますが、欧米諸国が警戒して中国製品をブロックする動きを強めていて、これすらもうまくいくかわからない・・・という厳しい状況に立たされています。

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今後、中国はどうなるのでしょうか。

ということで以上が、僕モチオカの今の理解です。

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参考資料

受験生だった時に作ったやつ

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執筆者
モチオカ
モチオカ
社会科ブロガー(社会オタク)
千葉の公立中・公立高から、1年間の浪人を経て東大へ(文3→教育学部→大学院教育学研究科)。公立中学校の教員になった後、数年で退職。現在はブロガーとして生計を立てて8年目。★「社会の攻略」を目指しています:世の中がどういう仕組みで動いているのか。今何が起きていて、これから何が起きそうなのか。それらを理解することを目指しています。★「仲間」を探しています:社会の攻略が楽しそうだなと思った方は、ぜひSNSのフォローをお願いします!
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