東アジアの地形
- ヒマラヤ山脈:中国とインドの交流を阻んできた
- チベット高原:アジアの給水塔(黄河、長江、メコン川の源流)
- テンシャン山脈
- クンルン山脈
- チンリン山脈
ベトナムとの国境:軍隊がそこまで苦労せずに越えられる地形
ラオスとの国境:丘陵地帯のジャングルで横切るのは困難
ミャンマーとの国境:山脈で越えるのは困難
カザフスタンとの国境:山岳地帯と砂漠の隙間(シルクロード)
- 華北平原:黄河と長江が流れる重要な場所
- 黄土高原
- スーチョワン(四川)盆地
- タリム盆地
- タクラマカン砂漠
- ゴビ砂漠:モンゴルとの国境にまたがり、防御装置として機能している
- サンシヤ(三峡)ダム:2009年完成。長江の洪水の抑制(10年に1度の洪水を100年に1度にまで抑制できるとのこと)。世界最大の水力発電所を併設する。
- 黄河
- 淮河(ホワイ川)
- 長江
- 珠江(チュー川)
- ホワイ川(淮河)
黄土↓
黄砂:中国大陸の砂漠地帯で雪解けが進むと、地面が露出して乾燥し、風によって砂が巻き上げられやすくなる。舞い上がった砂が偏西風に乗って日本列島まで運ばれる。
中国の地誌
中国の気候
ここがわかっていればOK↓
- 季節風の吹き方
- 西部と東部の違い
- 東部の中での北部と南部の違い
季節風(モンスーン)
夏:海洋から大陸へ(南東風)
冬:大陸から海洋へ(北西風)
西部:内陸部なので降水量が少ない
東部:季節風の影響で夏は降水量が多い
- 東部の北部:小雨
- 東部の南部:多雨
※チンリン・ホワイ川線:年降水量1,000mmの降水量線とほぼ一致
→この結果、中国は東部の方が圧倒的に住みやすい地域となる。
中国の人口
14.39億人(2020年)
人口の大部分が東部に居住
9割が漢民族
他に約50の少数民族が居住
- ウイグル族:シンチャン・ウイグル自治区に居住する。イスラム教徒。
- チベット族:チベット高原にあるチベット自治区に居住する(観光が重要な産業となるにしたがって漢族が流入)。チベット仏教徒(ラマ教)。
- モンゴル族:内モンゴル自治区に居住する。チベット仏教徒(ラマ教)。
- コワンシーチョワン族:コワンシーチョワン族自治区に居住する
- ニンシヤホイ族:ニンシヤホイ族自治区に居住する。イスラム教徒。
- 朝鮮族:東北に居住する
〜1949年:多産多死型で人口はあまり増えず
↓
1949〜59年:人口増加期
↓
1959〜62年:人口減少期
- 「大躍進」の失敗などにより、人口が減少
↓
1963〜71年:人口増加期
一人っ子政策(1979〜2014年)
人口増加を抑制するために、少数民族を除いて出産を一人に制限した。子供が一人だけの家庭に対しては、日常生活の様々な面で優遇。
- 月5元(当時の平均月収の約1割)の奨励金を子供が14歳になるまで受領できる。
- 託児所への優先入学、学費免除をする
- 学校への優先入学、学費補助をする
- 医療費支給
- 就職の優先
- 都市部における住宅の優遇配分、農村における「自留地」の優先配分がある
- 退休金(年金)の加算と割り増し
引用:Wikipediaより
※2015〜2021年までは一組の夫婦につき子供は二人までとされた。
※2021年8月からは、3人目の子供を出産することを認める方針に転換。
産業別人口構成(2018)
- 第1次:26.1%
- 第2次:28.2%
- 第3次:45.7%
農村戸籍と都市戸籍
戸籍の二元的管理
※大学進学によって都市戸籍に移るチャンスがある(大学戸籍に一時的に移り、都市に就職できれば都市戸籍に移動できる)。
中国の言語
- 北京官話:使用率は漢民族人口の73%
- ほかに上海語、広東語などがある
→口語は異なる(方言がある)が、文章語は共通しているため、文書でコミュニケーションができる
※ウイグル族はトルコ系民族で、アラビア文字を使う
中国の宗教
仏教や道教が中心
- チベット族:ラマ教(チベット仏教)
- モンゴル族:ラマ教(チベット仏教)
- ウイグル族:イスラム教
- ホイ族:イスラム教
中国の行政区画
4直轄市
北京(ペキン) | 首都。政治・経済・文化・交通の中心地。 |
天津(テンチン) | 港湾・商工業都市。北京の外港で、河北最大の貿易港。 |
上海(シャンハイ) | 長江の三角州に位置する。最大の港湾・商工業都市。19世紀にアヘン戦争敗北で開港され、欧米諸国が進出。浦東(プートン)地区は輸出加工区・外国企業投資区などが建設されている。 |
重慶(チョンチン) | 四川(スーチョワン)盆地南東部に位置する。商工業都市。長江中流の水陸交通の要地。 |
2特別行政区
香港 | 旧イギリス植民地。1997年に中国に返還。中継ぎ貿易港として発展。 |
マカオ | 旧ポルトガル植民地。1999年に中国に返還。 |
※深圳(シェンチェン);香港に隣接する経済特区。
※珠海(チューハイ):マカオに隣接する経済特区。
5自治区
内モンゴル自治区 | 牧畜が主産業。包頭(パオトウ)を中心に重工業が発達。 |
ニンシヤホイ族自治区 | 牧畜が中心産業。 |
シンチャンウイグル自治区 | 牧畜とオアシス農業が盛ん。大規模な油田開発。 |
チベット自治区 | 農業と牧畜。自治権拡大を求める動き。 |
コワンシーチョワン族自治区 | 石灰岩からなる山地と盆地が広がる(コイリンなど)。 |
※ウイグル自治区:8カ国と国境を接する緩衝地帯、原油の産出地、核実験場
※チベット:インドと直接国境を接している(→中国は常にチベットを管理)
香港
2020年、香港で国家安全維持法(反政府的な動きを取り締まる法律)が施行され、一国二制度が実質的に終了した。
中国の農業
東北 | 春小麦、大豆、トウモロコシ |
華北 | 冬小麦、トウモロコシ |
華中 | 稲作、茶 |
華南 | 稲作 |
西部内陸地域 | オアシス農業、遊牧、綿花、春小麦 |
中華人民共和国成立後、1950年の土地改革法によって封建的な地主制度が一掃された。
→没収された地主の土地が貧農や小作農に分配される。
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1953年ごろから、零細な農地をみんなで管理する政策が実施される(農業の集団化)
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人民公社:農業だけでなく工業・商業・教育・軍事・文化・行政を一体化した中国の地域組織。1958年から大躍進運動の一環で導入された。
※公社はコミューンの中国での訳語
農村の農民は人民公社という集団農場で働く(土地を集団所有)。国の用意する社会保障制度からはずされた。農民は生活のあらゆる面で人民公社に頼ることになった。
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集団作業では、個人の技術や努力に関係なく、収入が平均化される。そのため生産性の低下や労働意欲の低下が見られ、人民公社は1980年代に解体。
↓
1980年代から、生産責任制が導入された。
- 政府が個々の農家に生産を請け負わせる。
- 一定量の生産物を供出すれば、超過分は各自の所有となる。
中国の鉱工業
第二次世界大戦前は、中国は半植民地的状態
- 関税によって自国の工業を保護・育成できず
- 工場はほとんどが外国資本によるもの(@沿海部)
(例)紡績業(日本資本、イギリス資本) @上海、天津、青島
中華人民共和国の成立後、計画経済による鉱工業の育成
- 旧ソ連の援助のもとで発展
1960年、中ソ対立
→自力で工業の開発を進める(重化学工業)
石炭 | 撫順(フーシュン) |
原油 | 大慶(ターチン)、玉門(ユイメン)、勝利(ションリー) |
鉄鉱石 | 鞍山(アンシャン)、大冶(ターイエ) |
中国三大鉄鋼コンビナート
- 包頭
- 鞍山
- 武漢
1978年から改革開放政策に転換
- 4つの近代化(農業・工業・国防・科学技術)
- 社会主義的な経済システムから市場経済へと転換
- 対外的には解放政策を推進
- 外国資本を導入するために、経済特区・経済技術開発区を設置
経済特区:外国の資本や技術の導入を目的に経済的な優遇措置が与えられた特別地域。1979年以降設定。
- 深圳(シェンチェン)
- 珠海(チューハイ)
- 汕頭(スワトウ)
- 厦門(アモイ)
- 海南(ハイナン)
経済技術開発区:経済特区に次ぐ解放政策として設置された経済開発区。外資と技術の導入を目的に、経済特区並みの優遇措置がとられている。1984年以降設定。
- 天津(テンチン)
- 青島(チンタオ)
- 上海(シャンハイ)
などの14沿岸都市
郷鎮企業も工業発展に寄与している。
郷鎮企業:郷や鎮(中国の地方行政単位)や個人が経営する中小企業。
福建省・広東省
福建省や広東省は華僑の出身地で、その投資が期待できる上、資本主義体制の香港・マカオ・台湾に隣接している。
石油の輸入
急速な経済成長でエネルギー需要が増大した中国は、旧宗主国やメジャーの影響下にない非OPEC諸国から開発・援助を通じて輸入しようとしている。
西部大開発
開発の遅れた西武の内陸地域を発展させ、沿岸部との格差を是正するための計画。2000年に正式決定。
※内陸部の農村から沿岸部の大都市に出稼ぎ労働者が集まっていた。しかし、なかなか職を得ることができずに劣悪な労働環境で働いている。(盲流、民工潮)
目玉プロジェクト
- 南水北調
- 西気東輸
- 西電東送
- 青蔵鉄道
一帯一路
グワダル港(パキスタン):2015年に中国が43年間の租借権を獲得
太平洋とインド洋を支配するために、ミャンマー、バングラデシュ、パキスタン、スリランカの深水港に投資をしている。
領土争い
九段線
引用:Wikipediaより(2022.01.31アクセス)
太平洋への自由なアクセスのために、南シナ海を確保したい(有事の際に封鎖されて中国の動きが封じ込められないように)。
※宗谷海峡付近は日本やロシアの領海で、有事の際は通過できない可能性がある(しかも千島列島もある)。
北朝鮮の地誌
建国以来、共産党の一党独裁。
気候
大部分が冷帯(Dw)
農業
山地・高原が広く、気候が冷涼なため、農業は不振
鉱工業
鉄鉱石、石炭
ヤールー川(鴨緑江)の水力
韓国の地誌
気候
北部:冷帯(Dw)
南部:温帯(Cfa、Cw)
農業
平野と水利に恵まれ、気候が温暖なため、稲作を中心に農業が発達
鉱工業
資源には恵まれていない
ハンガン(漢江)の奇跡
1970年代の韓国経済の高度成長のこと。鉄鋼・機械・石油化学など重化学工業化が進んだ。
セマウル(新しい村)運動
1970年代から韓国政府が始めた農村開発や環境浄化のための運動。農業生産の近代化による農家所得の工場を目指した。
交通
仁川(インチョン):ハブ空港
釜山(プサン):ハブ港
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参考文献
通信教育
学習漫画・参考書
社会科チャンネル
社会科(歴史・地理・公民・政治経済)の内容について、本質的な部分をわかりやすく解説するチャンネルです。