【解説&掘り下げ】2025共通テスト地理探究 大問5 産業構造の変化に伴う都市の変容
共通テスト地理(※)で9割超え、理想は満点!を目指していた僕が、実際にどんなふうに問題に取り組んでいたのかを紹介します。(※僕が受験生だった時はセンター試験でした)
70〜80点台で伸び悩んでいる人にとって、きっと参考になると思います!
大きく2つの場面に分けて解説します。
1. 問題を解いている最中の思考
- ① 時間を意識しながら、どうやって答えを特定していくか
- ② 自信がない時・迷った時に、どうやって確証を得るか
2. 解き終わった後の復習(事後学習)
- ③ 教科書知識の確認と、そこからの深掘り・整理
問題
問題は東進ハイスクールさん等のページを参照してください…!
解答番号21 日本の三大都市圏と地方圏の工業用地
問題を解いている最中の思考
三大都市圏は臨海部に工場が作られたけど、最近は工場の海外移転が進んでいて、臨海部からは撤退傾向(→だから臨海部に新しい街ができたり、テーマパークができたりしている)。
都市圏への人口集中により地価が高騰したため、地方圏の交通の便が良い場所に工場が移転したりもしている。
工業用地の面積はBの方が一貫して大きい。三大都市圏と地方圏のどちらに工場がたくさんあるか?・・・地価が安い地方圏の方が多いんじゃないかな。広い敷地も確保しやすいし。ということでAが三大都市圏でBが地方圏かな。
1970年代前半までが高度経済成長期で、1980年代後半はバブル期。高度経済成長期が終わってから、Aの工業用地の面積は頭打ち。
一方、Bの工業用地の面積は高度経済成長期が終わっても増加傾向で、特にバブル期に増加している。バブル期は特に都市部で地価が高騰したから、地方圏に工場が増えそう。やっぱりBが地方圏で間違いないだろう。
1990年代後半から2000年代にかけてABともに減少傾向にあるのは、工場が海外移転したからだろう。
アは高度経済成長期。臨海部にたくさん工場(石油化学コンビナートや鉄鋼工場)が作られたのでk。
イは高度経済成長期が終わってからバブル経済期にかけて。jでOK。
ということで答えは②。→正解でした!
解き終わった後の復習(事後学習)
なぜ高度経済成長期に基礎素材型工業が臨海部に設置された?
原料の海外依存:日本は資源に乏しいため、鉄鉱石、原油、石炭などの重くてかさばる原料を海外から船で輸入する必要があった。
輸送コストの削減:船から原料を降ろし、すぐに工場のラインに乗せ、製品(鉄板やプラスチック原料など)になったら再び船に積んで出荷する。工場が海沿いにあることで、陸上輸送のコストをカットできる。
広大な土地の確保:巨大なコンビナートや製鉄所を作るには広大な平地が必要。遠浅の海岸を埋め立てることで、安価で広い土地を手に入れることができた。


※特に瀬戸内海沿岸に製鉄所や石油化学コンビナートが建設されたのは、当時、他の工業地帯(京浜、阪神など)では土地が既に不足・高騰していたのに対し、瀬戸内沿岸部では比較的安価で広大な土地を確保しやすかったから。
※瀬戸内海沿岸では古くから塩の生産が盛んだったが、1970年前後からイオン交換膜法という効率的な製塩法が導入されたことにより、伝統的な塩田(入浜式や流下式)が次々と廃止されていった。


なぜ高度経済成長後に加工組立工業が地方圏に立地した?
都市部の過密と地価高騰:臨海部の工場地帯はすでに過密状態で、地価も高騰し、これ以上新しい工場を建てるのが難しくなった。また、公害問題も深刻化していた。
労働力の確保:地方には若くて安価な労働力が豊富に残っていた。
高速交通網の発達:
- 高速道路:高速道路網が整備されたことで、自動車部品などの輸送がトラックで迅速に行えるようになり、内陸部(インターチェンジ付近)への立地が可能になった。
- 空港:ICチップなどの半導体は小型・軽量・高価格なため、飛行機での輸送に適していた。そのため、空港周辺に工場が集まった。(→九州のシリコンアイランド)
なぜ1970年代以降、三大都市圏の臨海部の工場が閉鎖・縮小された?
オイルショックをきっかけとして、太平洋ベルトの臨海部で発展した金属・化学など基礎素材型工業は国際的な競争力を失い、地位が大きく低下した。
- 1973年と1979年のオイルショックにより、原油価格が大きく上がった。これにより、安価な原油を主要な燃料および原料として利用していた基礎素材型工業は価格競争力を失った。
- コスト高騰を受けて、日本経済は「安価なエネルギーを大量に使う」産業から、「省エネルギーで高付加価値を生み出す」産業へと転換を迫られた。
- こうして、石油を大量に使わない自動車、エレクトロニクスなどの加工組立型工業へと経済の中心が移行した。
その後、三大都市圏の臨海部の広大な工業用地は、以下のような用途に転換された。
- 商業施設
- 住宅街
- 物流倉庫、流通センター
- LNG基地(←石油から天然ガスへのエネルギー転換)
| 場所 | 旧用途 | 転換後の用途(事例) |
| 東京湾岸(東京都) | 造船所、製鉄所跡地 | 大規模商業施設、タワーマンション、オフィス街(例:豊洲、汐留、台場) |
| 横浜(みなとみらい) | 造船所、国鉄工場、倉庫群 | オフィスビル、ホテル、ショッピングモール(例:ランドマークタワー、クイーンズスクエア) |
| 大阪(南港、USJ周辺) | 鉄鋼、重工業の工場跡地 | テーマパーク(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)、物流センター、国際展示場 |
なぜ1990年代後半から日本の工業用ちの面積は頭打ちに?
円高:プラザ合意(1985年)以降の急激な円高や、グローバル化の進展により、日本国内で作って輸出するよりも、人件費の安い中国や東南アジアに工場を移して生産する方が利益が出るようになった。
日米貿易摩擦:貿易摩擦を避けるため、企業は現地生産(アメリカで売る車はアメリカで作る)を進めた。
国内工場の統廃合:国内に残った工場は「マザー工場(高度な技術開発や司令塔機能を持つ工場)」などに集約され、数や面積は増えなくなった。
解答番号22 都市人口の変化
問題を解いている最中の思考
1990年と2015年の比較。一般的な傾向として、2015年の方が少子高齢化が進んでいるはず。
キに比べてカの方が高齢者の割合が大きくなっているので、カが2015年、キが1990年だろう。
Dは1990年の時点で20代が多い。なぜだろう?就職?大学だったら10代後半がもっと多くて、20代後半がもっと少ないはず。・・・就職かな?
Eは1990年の時点で30〜40代と0歳児から10代後半までが多い。Eは子持ち家族が多かった街ということだろう。
xを読むと、工場があったが2000年代以降、工場がなくなったということが書いてある。就職先がなくなったということだから、1990年時点で20代の人口が多かったDっぽい。
2015年の人口ピラミッドで30〜40代の人口が多いのは、工場跡地に建設されたマンションに入居する人が多数いたからだろう。
にもかかわらず10代までの人口(子供)が少ないのが気になるが、少子化が進んでいることと、都心から約15kmという好立地でマンション価格が高いため、子供部屋が必要な中学生〜高校生がいる家族の入居は少なかったことが理由かな?
0〜4歳の人口は他の子供世代に比べて少しだけ多いのも、この仮説と整合性がとれていると思う。子供が子供部屋が必要になる年齢になったら、もう少し郊外のマンション価格が安めな地域に引っ越すのかな。
yを読むと、ニュータウンが開発されたと書いてある。このニュータウンに子持ち家族が引っ越してきたから、1990年時点の人口ピラミッドがあのような形になったのだろう。
宅地化が1980年代半ばから2010年代にかけて長期にわたって行われた関係で、2015年時点は全世代が満遍なく居住する街になったのだろう。EでOK!
ってことで答えは①。→正解でした!
解き終わった後の復習(事後学習)
人はどういう場所に住もうとする?
人が住居に求めることは一人一人違うが、どんな人も基本的には「いい場所」に住みたい。
「いい場所」=その時点での生活ニーズと資源(時間、お金、体力)を最大限に満たす場所。
その人にとっての「いい場所」には、年齢や家族構成(ライフステージ)に応じた傾向がある。
単身・若年層
- ニーズ:経済性、通勤・通学、自己実現、交流、エンターテイメント。
- 「いい場所」の要素:都心への近さ、交通の利便性、経済的な賃料、夜間まで賑わう商業施設へのアクセス。
夫婦・子育て期
- ニーズ:安全性、教育、生活コスト、広さ。
- 「いい場所」の要素:治安が良いこと、保育園や学校へのアクセス、公園や子育て支援施設の充実、郊外でも広い間取りを確保できる場所。
子育て終了・熟年層
- ニーズ:利便性、医療・福祉、資産価値、趣味。
- 「いい場所」の要素:医療機関へのアクセス、日常生活の買い物の利便性(徒歩圏内)、交通機関の使いやすさ(車に依存しない)、趣味の施設への近さ。
高齢者
- ニーズ:健康、介護・福祉、安心感、QOL(生活の質)。
- 「いい場所」の要素:バリアフリーの環境、緊急時の医療サービス、地域社会とのつながり、高齢者施設へのアクセスが良い場所。
また、経済力(所得や資産)も、ライフステージと並んで、住む場所の傾向を決定づける最も大きな要因の一つ。
豊かな人
- 利便性、環境、社会的地位を優先する。
- 都心の一等地:職住近接を実現できる高級マンションやタワーマンション。
- 高級住宅街:郊外であっても、広大な敷地、良好な住環境、ブランド力のある学区を持つ場所。
貧しい人
- コストの最小化、生活の維持を優先する。
- 都市の辺縁部・郊外:都心から離れた、土地の価格や賃料が安いエリア。
- 低賃料住宅:築年数が古い、もしくは立地条件が悪い集合住宅が多く集まるエリア。
解答番号23 産業構造の変化と都市人口
問題を解いている最中の思考
産業構造の変化と都市人口の関係。重要なテーマ!
イタリアは観光業が盛んな国。あとはブランド品で有名。
オーストラリアは資源大国。工業は盛んではない。オーストラリア大陸のほとんどが居住には適さない土地で、ほとんどの人は海沿いの都市に住んでいる。
韓国は工業が盛んな国(特に電子機械)。首都ソウルに人口が一極集中しているという問題を抱えている。
サシスのうち、製造業がどんどん盛んになっているのはサだけ。20世紀後半から経済がどんどん発展し、工業が盛んになった韓国がサかな。
財閥企業が強すぎて、大企業があるソウルにどんどん人が集まっているという韓国の特徴が、都市人口率が急激に増加しているグラフに表れている。
イタリアとオーストラリアを比べると、たぶんオーストラリアの方が都市人口率が高い。オーストラリアの農業は大規模で機械化されているので、イタリアよりも農村人口は少なめなはず。オーストラリアはスだろう。
2020年時点で製造業の割合が最も低いのもオーストラリアっぽい。
残ったシがイタリア。イタリアに工場が移転してきているという話は聞かないので、製造業の割合が下がっているのも納得。
でもイタリアはブランド品の生産が盛んな国なので、製造業の割合はオーストラリアほどは低くならない。シはイタリアで間違いないだろう。
ってことで答えは④。→正解でした!
解き終わった後の復習(事後学習)
「都市」と「村落」とは?
集落(settlement):人間が継続的に生活を営むために、住居や関連施設が集まっている空間。
- 村落(village):第一次産業(農林水産業)を経済基盤とする集落。
- 都市(city):第二次・第三次産業(商工業やサービス業)を経済基盤とする集落。
第二次産業・第三次産業が成長するにつれて、都市人口が増えるのはなぜ?
人間の活動において、最優先事項はまず「食べ物を安定的に確保すること」。たとえば、もし毎日300円で生活しなければならないとしたら、アクセサリーやイヤホンより先に食料を買うはず。この優先順位は社会全体にも当てはまる。
そのため歴史的には、多くの人が第一次産業(農業)に従事し、農地の近くに住んでいた。
ところが、農業技術が発展し、生産効率が高まると「農業に従事する人の数を減らしても食料供給を維持できる」状態が生まれる。また、交通・物流が発達することで、必ずしも農地の近くで暮らす必要がなくなる。
すると、人々は村落を離れて、農産物が集まる市場が発達した場所へ移動し始める。村落の余剰労働力は、第二次・第三次産業の仕事がある場所(=都市)へと移動する。
第二次産業の次に第三次産業が発達するのはなぜ?
第三次産業の多くが第二次産業の上に成り立っているから。
- 第二次産業:土台(生産財やインフラ、生活必需品)を提供
- 第三次産業:土台の上で高度なサービスを提供(インターネット、高速鉄道、医療など)
第二次産業がモノの生産とインフラ整備で社会的な基盤を固めた後に、その基盤を利用して、第三次産業が本格的に成長する。
韓国のGDPに占める製造業の割合は低下傾向にある?
韓国は1990年代後半から2000年代初頭にかけて製造業の比率がピークを迎えたが、その後は情報通信(IT)、金融、サービス、ヘルスケアといった第三次産業が急速に拡大した。
参考:なぜ韓国は経済成長したのか?「貧しい韓国・豊かな北朝鮮」からの逆転劇
イタリア経済の特徴は?
イタリアは先進国(G7、OECD加盟国)だし、よく名前が出てくるけれど、イマイチよくわからない国。この機会に理解を深めよう!
小規模・高付加価値型。
- ワイン
- チーズ(パルミジャーノ、モッツァレラ)
- オリーブオイル
- トマト加工品
- 生ハム(パルマ、サン・ダニエレ)
- 果物(リンゴ、柑橘、ブドウ)
中小企業中心の工業国。ヨーロッパの中でドイツに次いで製造業が強い。
- 自動車:フィアット(Stellantis)、フェラーリ、ランボルギーニ(独VW傘下)
- ファッション:アルマーニ、グッチ、プラダ、ヴァレンティノ
- 食品加工
※特に「第三イタリア」と呼ばれる地方(ヴェネト州、エミリア=ロマーニャ州、トスカーナ州)が有名で、家族経営の職人企業がニッチな分野で活躍。
観光大国。
- ローマ、フィレンツェ、ヴェネツィアなど世界遺産の宝庫
- 食文化
- ファッション・ショッピング
- 地中海リゾート(アマルフィ、シチリア、サルデーニャ)
南北格差が大きい。
- 北部:工業、金融の中心(ミラノ、トリノ、ヴェネツィアなど)
- 南部:失業率が高い(ナポリ、シチリア、カラブリアなど)
また、巨大な公的債務を抱えていて(←ギリシャに次ぐ水準)、財政問題が深刻。
オーストラリア経済の特徴は?
解答番号24 東京の情報関連産業
問題を解いている最中の思考
出版業は衰退傾向。インターネットの発達にともなって、本や雑誌は売れにくくなっている。マンガは好調だけど。全国の従業者数は減っていそう。
新聞業も衰退傾向。出版業よりも厳しい状況にあるはず。従業者数は減っているだろう。新聞業は東京に集中しているけど、一方で地方新聞の存在があるので、東京に極端に集中しているわけではないとおおう。
ソフトウェア業は成長傾向。インターネットの発達にともなって、全国の従業者数は増えているはず。
って考えると、全国の従業者数が増加しているチがソフトウェア業かな。
タとツはどちらも全国の従業者数が減少していて、減少率は同じくらい。全国の従業者数に占める東京都の割合で判定するしかない!
新聞業は地方新聞という存在があるので、東京都の割合が低いツが新聞業だと思う。地方紙を作る新聞業はその地方にあった方がいいよね。
地方局があって、東京に極端に集中しているわけではない放送業(テレビやラジオなど)と同じくらいの傾向にあるので、ツが新聞業で間違いない!
残ったタが出版業。書籍や雑誌、漫画は日本全国をマーケットとしていて、全国に配本する物流システムが整っているので、出版社はわざわざ地方展開する必要はない。
その地域の消費者を対象に、その地域の情報が書かれた本を作るのであれば、地方展開するのが合理的。だけど、一般的に出版社は場所は問わない産業なので、交通の便が良くて印刷業もたくさん立地していそうな東京に出版業が集まるのは当然だよね。
ってことで答えは②。→正解でした!
解き終わった後の復習(事後学習)
「情報関連産業は東京に集まりがち」って学ぶけど、実はすべての情報関連産業が東京に一極集中するわけではないよー、ってのを深掘りをする問題。
情報関連産業とは?
情報(コンテンツ)を仕入れたり、制作したり、消費者の元に届けたりする産業。
情報関連産業は第三次産業(サービス業)に分類されるが、その活動の流れは工業(モノづくり)に近い。
情報関連産業はどのような場所に立地する?
コンテンツの「仕入れ・制作」を主に担う情報関連産業と、「流通」を主に担う情報関連産業とで、立地場所の傾向が異なる。
コンテンツの「仕入れ・制作」に関しては、何が重要かに応じて、いくつかのタイプに分かれる。
制作環境よりも情報源が重要な場合、情報源の近くに立地した方がいい。各国・地域のニュースなど。
実際、報道関係の企業は日本各地・世界各地に支社を置いている。もちろんその企業の規模によるけど。
すべての地域を網羅するのは難しいので、ロイターのような通信社(報道機関向けに、ニュース記事、写真、映像などの情報を収集・配信する組織)が存在する。
情報源よりも制作環境が重要な場合、制作環境が充実している場所に立地した方がいい。
映画やアニメの制作では、物理的環境(大規模スタジオ、ロケ地)や人材・技術インフラ(クリエイターの集積地)が重要。
- ハリウッドは天気が良い日が多い(→映画産業)
- 東京にはクリエイターが多く集まる(→アニメ制作会社が集中)
市場分析や学術研究、ソフトウェア制作などは、理論上どこでも立地可能。
しかし、様々な面での利便性から都市部に集中しやすい傾向がある。
データセンターとは?
情報関連産業にも、製造業における商品を貯蔵する倉庫のようなものがある。
インターネット上の情報(動画、写真、ウェブサイトなど)は、空気中をさまよっているわけではなく、すべてのデータは世界中にある巨大な倉庫のような施設に電子的に貯蔵されている。これがデータセンター。
データセンターは現代の情報社会の心臓部であり、電子的な流通を支える物理的な拠点。
- スマホで動画を再生したり、検索したりする行為は、無線に乗せて直接情報を送っているのではなく、特定のデータセンター内のサーバーに「このデータを見せてください」とアクセスする行為。
- データセンターは物理的な場所への依存度が低いものの、電力や強固な地盤を確保しやすい郊外に立地する傾向がある。
※機械が生み出す大量の熱を除去するための冷却システムが必須。
参考:なぜ今、世界中でデータセンターが建設されているのか?情報通信の進化から読み解く
参考:【集中連載】現地で見たNetflix “最強” の理由(2)各地域に大型サーバーを配備して快適視聴を実現
参考:Netflixはなぜ常に安定した通信を維持できているのか?
参考:日本最大級のデータセンター14棟計画、大和ハウスが「DPDC印西パーク」公開
解答番号25 世界都市ロンドンの地域差
問題を解いている最中の思考
世界都市に関する問題。問題を解くだけなら、読み取りをちゃんとすれば良さそう。ロンドンに関する知識は要らなそう。
①高度な経営・専門業務の従業者割合が高位な地区の分布と、失業率が高位な地区の分布は異なる傾向にある。正しい。
というか「異なる傾向にない=傾向は同じである」って言うの難しすぎる。グラフがほぼ完全に一致していないといけないわけでしょ。
インナーロンドンの東側の地域を見てみると、高度な経営・専門業務の従業者が「失業率が高位な地区」を避けて居住していることがわかる。まあそうするよね・・・。
②めんどくさいー。頭で考えていても難しいので、両方とも高位の地域を線で囲ってみよう。
外国で生まれた人の割合の地図を見ると、南半分にはほぼ高位の地域はないので、南北を分けるように線を引いて、南半分は無視して考えてみる。
この北半分の地図において、高度な経営・専門業務の従事者割合が高位の場所を大まかに丸で囲ってみると・・・インナーロンドンは結構ある。一方、インナーロンドンの外側はそんなに範囲が広くない。
ってことは、インナーロンドンの方がそれ以外の地域よりも多いって言えそう。この選択肢は正しいだろう。ってか、外国で生まれてロンドンに働きに来ている高度な経営・専門業務の従事者(金融業の人とかでしょ?)は、ロンドン中心部のいいところに住んでそうだし。
③失業率は、シティから離れるほど低くなっているわけではない。シティから離れた場所でも高位の場所はいくらでもある。これが誤り。
④ドックランズのウォーターフロント再開発は教科書に書いてあった。正しい。
ってことで答えは③。→正解でした!
解き終わった後の復習(事後学習)
ロンドンは、成長した都市がその後どのように変化するか?がよくわかる事例。
首都に人口が集中している他の国でもロンドンみたいなことが起きるのかな・・・?
ロンドンで失業率の高い地域が不規則に分布しているのはなぜ?
かつて労働者階級が住んでいた貧しい地域(インナーシティ)の一部が再開発され、富裕層や専門職が流入した。
これにより、もともと住んでいた低所得者層が家賃の高騰で住めなくなり、近隣の別の地区や少し離れた郊外へ移り住むことを余儀なくされた。
ロンドンでは、低所得者向けの公営住宅団地が特定の場所に固まって建設されたり、郊外に分散して配置されたりした。
参考:イギリスのまちづくりに学ぶ イギリスの公営住宅─公的ユートピアから「買う権利」まで
イギリスは産業構造の転換にどのように成功した?
かつて「世界の工場」と呼ばれたイギリスは、1960〜70年代に製造業が衰退し「英国病」と呼ばれる不況に陥った。
そこからイギリスは、製造業(第二次産業)への依存をやめ、金融、保険、コンサルティング、クリエイティブ産業などの第三次産業へ大胆にシフトすることで経済の立て直しを図った。
1986年にマーガレット・サッチャー政権下で実施された、ロンドン証券取引所の大規模な規制緩和・証券市場改革。
- 手数料の自由化:証券売買の手数料が自由化され、市場競争が促された。
- 取引制度の改革:従来のブローカー・ジョバー制度を廃止し、マーケットメイカー制度が導入された。(※)
- 外部資本の受け入れ:外国資本による金融機関の買収が解禁された。
- 取引の近代化:スクリーン取引(電子取引)への転換が進められた。
※従来、投資家の注文を仲介するブローカーと、自己勘定で売買するジョバーは厳格に分離されていた。この制度が撤廃され、一つの企業がブローカー業務とディーラー(自己売買)業務を兼務できるようになった。
※金融機関は、投資家がいつでも安心して売買できるよう、買い手と売り手の両方を市場に供給し続けることになった。これにより、投資家はより容易かつ有利に取引できる機会が増加し、取引の活性化につながった。
規制緩和によってロンドン市場の効率性と競争力が高まり、アメリカなどの海外の金融機関が積極的に参入した。
こうして、ロンドンはニューヨークと並ぶ世界的な金融センターとしての地位を確固たるものにした。
参考:ビッグバン (金融市場)
ロンドンのドックランズって今どうなっているの?
ドックランズ(London Docklands)は都市再生の最も有名な成功例の一つ。
19世紀〜20世紀初頭は世界最大の港湾地区だった。
しかし、コンテナ輸送の時代になると大型船がテムズ川奥まで入れなくなり、1980年代には廃墟と化した荒廃地区になっていた。
政府主導の大規模な再開発が行われ、現在は「第二の金融街」へと変化した。カナリー・ワーフが再開発の中心地。
参考:ドックランズ
日本のウォーターフロント再開発の例は?
- 横浜みなとみらい21
- 東京臨海副都心(お台場・有明エリア)
- 神戸ハーバーランド



