なぜ韓国は経済成長したのか?「貧しい韓国・豊かな北朝鮮」からの逆転劇
韓国と北朝鮮、どちらの方が経済的に豊かだろうか?
おそらくほとんどの人が、韓国だと答えるだろう。
しかし・・・

昔は北朝鮮の方が豊かだった…!
現代は「豊かな韓国と貧しい北朝鮮」という構図である。
- サムスンのスマホ、LGのディスプレイ、現代(ヒュンダイ)の自動車、そしてK-POP。現代の韓国は、まさにグローバル経済の中心にいる存在である。
- 一方、北朝鮮といえば、経済制裁・食糧不足・国際的孤立といったイメージが強い。

しかし、
戦後すぐの朝鮮半島では、むしろ「貧しい韓国と豊かな北朝鮮」という構図だった。
なぜ北朝鮮の方が豊かだったのか
朝鮮半島はかつて日本に統治されていた。その時代、北部と南部には明確な役割分担が存在した。
- 北部: 天然資源が豊富で、水力発電所などの重工業インフラが集中的に整備された。
- 南部: 資源に恵まれず、比較的穏やかな気候を活かした農業が経済の中心だった。

この構図は、第二次世界大戦後に南北が分断されたあとも続いた。
朝鮮戦争で国土が荒廃した韓国とは対照的に、北朝鮮はソ連や中国からの援助を受け、重工業中心の経済政策を推進。
その結果、1950〜60年代には韓国を大きく上回る経済水準を誇っていたのである。
韓国の大逆転劇
「漢江の奇跡」
北朝鮮に経済で大きく遅れを取っていた韓国は、1960年代から国家を挙げた大逆転劇に挑んだ。

財閥への集中投資
政府はサムスン、現代、LGなど特定の企業(財閥)に、資金や支援を徹底的に集中させた。
少数の企業に国力を託すという大胆な戦略の結果、彼らは短期間で急成長し、韓国経済を引っ張る存在となった。
日本からの資金・技術供与
1965年の日韓基本条約により、日本から多額の経済協力資金が提供された。

この資金は、韓国の産業基盤を築くために活用された。その象徴が、浦項(ポハン)に設立された浦項製鉄(POSCO)である。
鉄鋼は「産業の米」と呼ばれる基盤産業。POSCOの誕生により、自動車や造船といった重工業が花開く土壌が育まれた。
こうして韓国は、繊維、造船、鉄鋼、自動車へと産業構造を転換させ、「漢江の奇跡」と呼ばれる高度経済成長を成し遂げた。

北朝鮮の停滞
一方で北朝鮮は、1970年代後半以降、経済成長が停滞し始める。
原因は、ソ連の援助削減、計画経済の非効率性、そして軍事費への過剰な支出である。
さらに1990年代にソ連が崩壊すると、最大の貿易相手と援助国を失い、北朝鮮経済は急速に悪化。
「苦難の行軍」と呼ばれる深刻な食糧危機も発生した。国際的制裁や外部との交流を避ける政策もあいまって、北朝鮮は世界経済から取り残されていった。
参考:苦難の行軍
1997年通貨危機後の韓国
一方の韓国は、世界経済に深くつながっていたため、1997年のアジア通貨危機で大きな打撃を受ける。
だが、ここからの改革が大きな転機となった。
- 財閥の再編・整理
- 情報通信産業への投資
- グローバル市場への一層の組み込み
- グローバル市場に組み込まれた
-
- IMF管理下での経済改革
- 1997年の通貨危機でIMF(国際通貨基金)から融資を受ける代わりに、金融・財閥改革を迫られた。
- これにより、閉鎖的だった韓国市場が外資に大きく開放された。外国企業や投資家が韓国企業に資本参加できるようになり、経済が一気に国際化した。
- 自由貿易協定(FTA)の積極的締結
- 2000年代以降、アメリカ・EUをはじめ世界の主要国とFTAを結んだ。
- これにより、韓国企業は世界市場へ直接アクセスできるようになり、製造業の輸出が急拡大した。
- 輸出主導の産業構造
- 韓国経済は国内市場が小さいため、輸出に依存する形で成長。
- サムスンのスマホ、現代自動車、LGの家電などは世界市場を前提に設計・販売され、韓国ブランドが世界中に浸透した。
- IMF管理下での経済改革
この結果、造船・家電・自動車では世界トップクラスの競争力を獲得。
さらにサムスンやLGはIT分野で世界的ブランドへと成長し、韓国は「IT大国」としての地位を確立した。
加えて政府は文化産業を戦略的に育成。その成果がK-POPや韓国ドラマの世界的ブーム「韓流」である。
製造業と文化産業の二本柱が、韓国をグローバル経済の中心に押し上げた。