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中国の懸念材料とは?中国共産党がプレッシャーを感じていること

モチオカ(望岡 慶)

日本やアメリカなどの民主主義の国では、選挙によってリーダーや政権を変えることができる。

もし国民の不満が高まれば、別の政党に任せてやり直す。そんな「ガス抜き」の仕組みがある。

でも、中国は一党独裁。政権交代はない。

つまり中国共産党には「常に正しく、常に成功していなければならない」という大きなプレッシャーがかかっている。

では、今の中国はどんな問題に直面しているのか?

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人口構成の変化

中国の人口は2022年にピークを迎え、ついに減少に転じた。このことにより、

  • 働く世代(生産年齢人口)が減る
  • 若者が少ないと、物が売れにくくなる
  • 高齢者が増え、医療・年金などの社会保障費がふくらむ

という問題に直面している。

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国内の経済格差

中国はこれまで、「まず一部の地域や人が豊かになる」という方針で急成長を実現してきた。

その結果、

  • 沿岸部の大都市は急成長し、豊かになった
  • 一方で、内陸部や農村部は取り残された。

この格差が、今や深刻な社会問題となっている。

中国は歴史上、農民反乱により何度も王朝が崩壊してきた。このまま格差が広がり、国民の不満が大きくなってしまうと、中国共産党による支配体制が揺らぎかねない。

最近、中国政府が「共同富裕」というスローガンを掲げているのは、このままではマズいという焦りの表れと言えるだろう。

上からの経済発展が限界に

長い間、中国経済は「不動産」や「インフラ投資」によって成長を続けてきた。

しかし、2021年ごろから不動産バブルが崩壊の兆しを見せ始めた。大手不動産企業「恒大集団」の経営危機は、その象徴である。

特に深刻なのが地方政府。多くの地方自治体は「土地を売って得たお金」に頼ってきた。しかし、土地の価格が下がれば財政も厳しくなる。

深圳(2024.3撮影)
上海(2024.2撮影)

周辺地域の動き

中国政府が最も恐れていることの一つは、「一部の地域が中国から離れていこうとすること」である。

中国共産党にとって、こうした独立の動きは連鎖反応を生む恐れがあるため、絶対に認められない。

香港

香港(2023.11撮影)

ウイグル

台湾

台北101(2024.1撮影)

中国共産党にとって、「他の統治主体が存在する」ことは絶対に認められない。

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