みなさんは「地理」と聞いて、どんなイメージを持っていますか?
「国の名前を覚える教科?」「地図を使う授業かな?」
そんなふうに思っている人もいるかもしれません。

たしかに、地理では地図を使ったり、国や都市の名前を学んだりします。
でも、それだけではありません。
地理は、もっとおもしろくて、考える力が身につく教科です。
地理とは?
地理は一言でいうと、
「人の暮らしと、その場所との関係を考える教科」です。
たとえば、世界ではこんな光景が見られます。
エジプトでは、道にゴミがたくさん落ちています。

マレーシアやインドネシアでは、ヒジャブ(イスラム教のスカーフ)をしている女性がたくさんいます。

インドでは、道端で寝ている(亡くなっている?)人をよく見かけます。

アメリカでは、太っている人が多いです。
名古屋の居酒屋では、トヨタという会社の話題がよく聞こえてきます。
これらはすべて、「その場所だからこそ起こっていること」です。
つまり、「人の暮らし」と「場所」が結びついているということです。
地理は「考える教科」
地理は、「どこの国に何があるのか」を覚えるだけの教科ではありません。
- どうしてこの場所ではこうなるのか?
- 暮らしが変わったのは、その場所で何かが変わったからかな?
- 反対に、人の行動が場所を変えているのかな?
このように、人と場所のつながりを考える教科です。
人の暮らしが場所に影響を与え、場所の特徴が人の暮らしを変えていく。
そうした「つながり」を見つけるのが、地理の楽しさでもあります。

地理的な考え方って?
このように、「人の行動」と「その場所」をセットで考えることを地理的な考え方と言います。
たとえば、
- エジプトでは、どうして道にゴミが多いのかな?
- マレーシアやインドネシアでは、なぜヒジャブをかぶっている女性が多いのだろう?
- インドでは、なぜ道端で寝ている(亡くなっている?)人をよく見かけるのだろう?
- アメリカでは、どうして太っている人が多いのかな?
- 名古屋では、なぜトヨタの話題がよく出るのかな?
こう考えるのが地理的な考え方です。

注意してほしいのは、「どうしてヒジャブをかぶっている女性が多いのだろう?」と考えることは大事ですが、これだけでは地理的な考え方とは言えないということです。
「マレーシアではどうして・・・?」と、「どこで起きていることなのか?」をはっきりさせて、場所と結びつけて考えてはじめて、地理的な考えになります。
まとめ
地理は、人の暮らしと場所とのつながりを考える教科です。
知識を覚えることも必要ではありますが、「なぜ?」「どうしてそうなるの?」と考えることの方が大切です。
今回の話を聞いて、「地理って、意外とおもしろそう!」そんなふうに思ってもらえたらうれしいです。
でも、そもそも僕たちはなぜ地理を学ぶのでしょうか?
次回は「地理を学ぶ意味」について説明します!
→地理ってなんのために学ぶの?:地理を学ぶと社会の見え方が変わる理由
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教員向けページ:地理はどんな科目?地理的な思考とは?
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