為替についてざっくりまとめました!
為替とは
手形=記載された金額を定められた期日までに支払うことを約束した証書
語源:「交わす」(交換する)
日本で為替が発達したのは鎌倉時代
経済が発展してモノの売り買いが盛んに行われるようになった
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遠くにいる人とモノの売り買いをしたくなる
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貨幣を遠くにいる人に送る必要が出てくる
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貨幣をいちいち遠くまで運ぶのは面倒(貨幣は大量に運んだら重い!途中で奪われたりするリスクもある!)
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為替という仕組みが生まれた
- 為替の業務をやっている業者に貨幣を持っていく(=預ける)
- その業者は手形をくれる
- その手形を、お金を渡したい相手に送る
- 相手がその手形を受け取った後、その人が為替の業者に手形を持っていくと貨幣に換金してくれる
- 為替業者は帳簿でお金を管理(→必要最小限の貨幣だけ実際に運搬する)
帳簿での管理の例
10/1
- A君:B君に100円送る
- B君:A君に30円送る
↓
10/5
- A君:B君に50円送る
- B君:A君に120円送る
というお金のやり取りが行われた場合、毎回いちいち貨幣を運搬すると面倒だけど、、、
10/1と10/5の取引を合わせると
- A君:-100+30-50+120=0
- B君:100-30+50-120=0
ってことになるので、最終的にはA君の口座とB君の口座の残高はともに変化しないってことがわかる。だったらいちいち貨幣を船とかで運搬するのはアホらしい。
手形で決済してお金のやり取りを帳簿で管理すれば、毎回いちいち貨幣を送る手間が省ける(=最小限のお金の運搬だけで済む)ってこと!
この為替の仕組みのおかげで、いちいち貨幣を遠くまで直接送らなくてOKになった!(=為替の業者が貨幣のやり取りをして決済用の貨幣蓄えておけば、遠隔地とのお金のやり取りができるようになった=一般人が直接貨幣を送るというリスクを負わずに済むようになった)
人間の発明ってすごい!
ここまでは同じ通貨を使っているエリア内でのお金のやり取りの話。
さらに経済が発展して、別の通貨を使う地域(外国)とのお金のやり取りが行われるようになると、
- 手形で決済する仕組み(=為替)
- 自国通貨と他国通貨の交換比率
の両方が必要になる!この2つを合わせたのが外国為替!!!
江戸時代の日本
東日本で金貨が使われ、西日本で銀貨が使われていた
→東日本と西日本でお金のやり取りをするためには、金貨と銀貨の交換比率が決まっている必要があった
→その交換比率にしたがって、両替商が為替の業務をおこなった
外国為替
外国為替手形
通貨が異なる外国との間での貿易や資本取引の時に、現金を輸送するかわりに為替手形を用いて決済する。この決済方法のことを外国為替という。またこの為替手形そのものを、外国為替という場合がある。
引用:政治・経済用語集
外国為替市場
外国為替取引が行われる場のこと。ここで為替レートが決まる。
引用:政治・経済用語集
為替レート
自国通貨と他国通貨との交換比率のこと。当初、IMF体制では固定相場制であった。しかし、1973年以降は変動相場制となっている。
引用:政治・経済用語集
固定相場制
為替相場を一定の値に固定しておく制度のこと。ブレトン=ウッズ体制では、上下1%以内の変動のみが認められる固定相場制だった。円は1ドル=360円とされた(ドッジ=ラインで決定)。
引用:政治・経済用語集
(例)ポケモンカードで「『ピカチュウのキラカード』は『リザードンのカード』5枚と交換できる」って約束するみたいな感じ
→「ピカチュウのキラカード」がたくさん印刷されて価値が下がったり、「リザードンのカード」が大量に破られて価値が上がったりしても、交換比率は変わらない
各国の中央銀行は、為替相場を固定相場にするために頑張る!
・ドル売り円買いが多い時(円の価値が高まっている時)
→日銀がドル買い円売りを行う(円を増やして円の価値を下げにかかる)
・ドル買い円売りが多い時(円の価値が下がっている時)
→日銀がドル売り円買いを行う(円を減らして円の価値を上げにかかる)
※そのための資金=外国為替資金特別会計
変動相場制
為替相場が外国為替手形や外国通貨に対する需要と供給によって決定される為替相場制のこと。1973年、各国は固定相場制から変動相場制に移行し、IMFは76年のキングストン会議でこの制度を正式に承認した。これをキングストン合意という。
引用:政治・経済用語集
(例)ポケモンカードで「『ピカチュウのキラカード』と『リザードンのカード』の交換比率はその時どきの価値に応じて決めようね」って約束するみたいな感じ
→1ヶ月前に「ピカチュウのキラカード」=「リザードンのカード」×5という交換比率だったとしても、その1ヶ月の間に「ピカチュウのキラカード」がたくさん印刷されて価値が下がり、「リザードンのカード」が大量に破られて価値が上がった場合、、、「ピカチュウのキラカード」×3=「リザードンのカード」みたいな交換比率になる
各国の政府・中央銀行は、必要に応じて為替介入を行う!(日本では財務省の指示で日本銀行が行う)
為替介入
為替介入=為替レートの過度な動きを抑えるために、政府や中央銀行が行う外国為替市場への介入(市場介入)
(例)円安ドル高が急激に進んだ時に、日銀がドルを売りまくって円を買いまくる!!!ことによって、円高ドル安に持っていく
参考:2022年10月22日の事例
ドル円 為替介入 と思われる動きの瞬間 pic.twitter.com/ndFmHoHCoN
— ローソクさん🕯FXトレーダー (@cosplay_candle) October 21, 2022
※為替介入は根本的な解決にならない(←世界では莫大な量の通貨のやり取りが行われている。為替介入という世界規模からすれば ごく少量の通貨のやり取りを一時的にしても、根っこにある「貨幣の価値の違い=需要・供給の関係」にはほとんど影響を及ぼすことができない)。
※アナウンス効果(中央銀行や政府の意図を示すことで、市場を誘導する効果)はあると言われている。
※根本的な解決をするためには自国通貨の価値を変化させる政策が必要(→経済成長、金融政策、財政政策)。
単独介入 | 一国で行う為替介入 |
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協調介入 | 各国が連絡を取り合って一斉に行う為替介入 |
委託介入 | 他国に依頼して行う為替介入 |
ところで、そもそもなぜ為替レートの過度な動きを抑えるのか?(=なぜ為替レートを安定させようとするのか?)
為替相場を安定させたい理由
為替相場が安定すると、貿易も安定します。
もし円とドルの価値が今日は「2円=1ドル」だけど1週間後は「1円=1ドル」、2週間後は「3円=1ドル」…って感じで不安定だと、企業からしたら困りますよね。
「どのタイミングで決済をするのが得だろう…?」「いま決済するのはリスクが高いかな…?」って頭の中で計算して悩んじゃう。
こんな感じで、為替相場が不安定だと貿易が縮小しやすくなります。
でも円とドルの価値が例えば「2円=金1.5グラム≒1ドル」で安定していれば、日本企業とアメリカ企業は安心してお金のやり取りをできますよね。なので貿易が活発化しやすくなります。
関連:金本位制とは?メリットとデメリットを解説【日本の歴史】
為替の自由化とは
→準備中
円高・円安とは
円高
「1ドル=100円」から「1ドル=90円」に変化
=90円で1ドルの価値を持つようになった
=円高(外国通貨に対して円の価値が高くなった)
円安
「1ドル=100円」から「1ドル=110円」に変化
=110円で1ドルの価値を持つようになった
=円安(外国通貨に対して円の価値が低くなった)
海外旅行するなら円高と円安どっちがいい?
円高(ドル安)
→外国で何かを買う時により少ない円で済む=日本で何かを買う時により多くのドルが必要
→海外への旅行が増え、外国人の訪日が減る
円安(ドル高)
→外国で何かを買う時により多くの円が必要=日本で何かを買う時により少ないドルで済む
→海外への旅行が減り、外国人の訪日が増える
輸出・輸入するなら円高と円安どっちがいい?
円高(ドル安)
→外国の商品を買う時により少ない円で済む
→輸入しやすい(輸入企業に有利)
円安(ドル高)
→外国の商品を買う時により多くの円が必要
→輸出しやすい(輸出企業に有利)
円相場の推移
準備中
そもそも世界共通の通貨を使えばこんな面倒なこと必要ないのに・・・
→準備中
参考文献
公民の記事・動画一覧はこちら
【公民・政治経済サイト】中学公民・高校政治経済をわかりやすく解説
公民を解説したYouTube動画まとめ(準備中)
通信教育
学習漫画・参考書
社会科チャンネル
社会科(歴史・地理・公民・政治経済)の内容について、本質的な部分をわかりやすく解説するチャンネルです。