公民(政治経済・現代社会)

民主主義について東大卒元社会科教員がまとめた【公民】

 

民主主義についてざっくりまとめました!

 

望岡 慶
望岡 慶
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民主主義とは

人間はグループを作って生活をする

人間が生きるために必要なものはそんなに多くない。

  • 食べ物
  • 安全

しかし、それら必要なものを手に入れるためには様々な活動が必要

  • きれいな水を見つける、水を運ぶ(→水の確保)
  • 狩猟、採集、農業、林業、水産業など(→食べ物の確保)
  • 衣服を作る、住居を作る(→安全の確保)

これらの活動をすべて一人でやるのは大変。

人間は自分が持っていないものを手に入れたいという欲求がある。(→交換、略奪)

人間には種の保存という本能もある。

人間は一人ではなくグループを作って生活をする。こうしてできたグループが「社会」。

 

 

社会では対立が起きる

人間は一人一人いろんな考えを持っています。で、そういう人間が集まって社会(グループ)が作られるわけなので、その社会(グループ)で何か物事を決めようと思ったら、考えが一致せずに対立が起きてしまうのが普通です。

そこで、あらかじめ「物事の決め方」を決めておく必要があります。

 

 

物事の決め方

 

んで、「物事の決め方」は、決める作業に関わる人数という観点で見ると

  • 1人で決める
  • 一部の人で決める
  • 全員で決める

の3パターンに分けることができます。

このうち、3つ目の「全員で決める」っていうのが民主主義だと思ってください。

 

 

日本は民主主義の国

日本国憲法の前文には「物事を決めるときは国民全員で決めようね!」って書かれています。

日本国憲法

前文

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。

 

つまり、日本という社会(グループ)では、国に関する物事については「全員で決めようね!」ってのが約束事になっているわけです。

ただ実際には「日本国民が全員で話し合う」のは無理なので、「ちゃんと選挙で選んだ代表者(国会議員)が話し合って決める」っていうことになっています。これが「間接民主制」と呼ばれる仕組みです。

 

直接民主制 国民が直接に政治運営に参加する仕組み
間接民主制 国民が自ら選んだ代表者を通じて、間接的に国民の意思を政治運営に反映させる仕組み

 

※実際にちゃんと民主主義が機能しているかは謎・・・

 

 

民主主義は完璧ではない

 

ところが、民主主義は完璧ではありません。100%すばらしい方法!っていうわけではないんです。

というのも、人間はいつでも正しい判断をできる生き物っていうわけではないからです(何が「正しい」のか?は置いておきます)

 

例えば、「日本人は仏教しか信仰しちゃダメ!キリスト教を信仰するのは絶対ダメ!」っていうルールが成立してしまう可能性はゼロではありません。もし話し合いと多数決が、キリスト教徒の人が日本でトンデモナイ事件を起こした直後に行われたとしたら、「キリスト教は怖い!」っていう雰囲気が勝って「日本人はキリスト教徒を信仰しちゃダメ!」っていうルールができちゃうかもしれないわけです。

 

他にも、例えば「北海道に住む人はディズニーランドに行っちゃダメだよ」法案が国会に出されたとします。もしかすると、北海道に住んでいる人以外は「自分とは関係ないし…」ってことで適当に考えて、法案に賛成!って言っちゃうかもしれません。それで本当に可決されちゃったら、北海道に住む人はディズニーランドに行けなくなるわけですが、、、本当にこれは正しいことなのでしょうか?

 

さらにさらに、例えば国会議員の中にポニーテールが大好きな人が結構いて、「女性はみんなポニーテールにしなきゃいけない!破ったら死刑だ!」っていう法案が出されて、51%の賛成で可決されてしまうことだって考えられます。そしたら、本当に女性はそのルールを守らなきゃいけないのでしょうか?

 

ここで例に出した3つの話(宗教・ディズニー・ポニーテール)は、どれも人間の「自由」や「平等」や「人間らしい生活」に関わる話です。

 

こういう「自由」や「平等」や「人間らしい生活」に関しては、絶対に損なわれちゃいけないラインみたいなものがある感じがしますよね。簡単に言うなら、ディズニーランドに行くかどうか?を国民の多数決で決めるのはおかしい!それは一人一人が自分の意志で決めるものでしょ!みたいな。

 

こういうのを「基本的人権」と言って、少なくとも今の日本では、「基本的人権はなんとしても守られなければならない!」っていう共通認識のもとで社会が成り立っています

 

基本的人権=人間である以上、必ず持っている権利のこと

 

ところが、なんでもかんでも民主主義的な決め方をすると、人間はいつでも正しい判断をできる生き物ではないので、絶対に損なわれちゃいけない基本的人権に関してトンデモナイ結論になる可能性があります

 

 

民主主義の欠陥を憲法でカバーする

そこで憲法の出番です。民主主義の欠陥を憲法でカバーするんです。

 

 

世の中の物事を「民主主義で決めていいもの」と「民主主義で決めるとマズイもの」に分けて、「民主主義で決めるとマズイもの」に関しては憲法で定めるわけです。

 

もっと具体的に言うと、

基本的人権に関わることは、民主主義で決めるのはふさわしくない!民主主義で決めると、基本的人権が損なわれてしまう可能性がある!

だから、あらかじめ基本的人権の内容と、

  • 基本的人権を国は保障しなければいけない!
  • 基本的人権を国が侵してはいけない!

ってのを、憲法に定めておこう!

ってことです。

 

こうやって先に憲法で定めておけば、法律や命令、規則が民主主義にもとづいて作られたものだったとしても、その法律・命令・規則が基本的人権を損なうものだった場合は憲法違反ってことで無効になるわけです。

 

関連:立憲主義とは?

 

 

民主主義のメリット・デメリット

メリット

人々の当事者意識が高まる

民主主義だと、ところどころでは間違った結論を出すこともある(←独裁の方が良い時もある)。が、民主主義があることによって当事者意識が高まる(「自分は政治に関わっているんだ」っていう感覚を持てる)ので、長期的にはプラスになる・・・はず。

一部の人の暴走による「最悪」を防げる

独裁の方が良い結論を出すこともあるけど、独裁者がヤバイ人だった場合はとんでもないことになる。独裁は振れ幅が大きい。

たくさんの人が関わった方が、誰かしらがミスに気づいて「最悪」(大失敗)を回避できる可能性が高まる(その分、つまらない結論・それほど効果的ではない結論・間違った結論を出すこともあるかもしれないけど・・・)

 

 

デメリット

間違った結論を出すことがある

一人一人がしっかり考えないと、つまらない結論・それほど効果的ではない結論・間違った結論を出すことにつながる(衆愚政治)

結論が出るのが遅い

たくさんの人が決定に関わるので、どうしても時間がかかる。

 

 

民主主義=多数決ではない

人間は一人一人いろんな考えを持っているので、全員の意見は一致しないのが普通。

(例)

友達10人グループでディズニーランドに行った時に「次に乗るアトラクションどうする?」ってのを決める時

  • 4人は「スプラッシュマウンテン」
  • 3人は「カリブの海賊」
  • 3人は「メリーゴーランド」

って感じで、一人一人の意見は分かれる。

 

このような時、全員の意見を実現するのは不可能(同時にスプラッシュマウンテン・カリブの海賊・メリーゴーランドに乗るのはムリ)

 

 

つまり

何らかの結論を出す=それ以外の意見を拒絶する

ということ。んで、その結論の出し方の一つの方法が多数決。

 

民主主義 ← 物事を決める時の参加人数の概念

多数決 ← 一つの結論を出す時の方法(=他の結論を諦めさせるための方法)の概念

 

多数決はあくまで結論の出し方に過ぎないので、結論の正しさとは無関係(「多数派だから正しい」ってことはない)

→多数派という強者の立場から少数派(という弱者)をバカにするのは絶対にNG

 

 

望岡 慶
望岡 慶
最後までお読みいただきありがとうございました!

 

参考文献

 

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