オセアニアの地形・気候をわかりやすく
オセアニアの地形

オセアニアの大陸や島々は、大きく分けると次の4タイプに整理できる。
- プレート上の大陸
- プレート境界の島
- ホットスポットの島
- サンゴ礁の島
プレート上の大陸
オーストラリア大陸は、オーストラリアプレートの上に乗っている。
プレート内部に位置するため、オーストラリアは火山活動や地震が起きない。そのため、古い地形(安定陸塊)がそのまま残っており、広大な平原(や砂漠)が広がっている。

関連:オーストラリアの地理
プレート境界の島
オセアニアの多くの島々は、プレートの境界に位置している。
太平洋には巨大な太平洋プレートがあり、その周囲を
- フィリピン海プレート
- オーストラリアプレート
- ナスカプレート
- 北アメリカプレート
- 南極プレート
が囲っている。
→太平洋の周縁は「環太平洋造山帯(リング・オブ・ファイア)」とも呼ばれ、活発な火山や地震が多発する。

北マリアナ諸島(サイパンなど) | ミクロネシア。 |
グアム | ミクロネシア。 |
パラオ | ミクロネシア。 |
ニューギニア島 | メラネシア。 |
ソロモン諸島 | メラネシア。 |
バヌアツ | メラネシア。 |
ニューカレドニア | メラネシア。ニッケルを産出する。 |
フィジー諸島 | メラネシア。 |
トンガ | ポリネシア。 |
ニュージーランド | ポリネシア。 |

関連:ニュージーランドの地理
ホットスポットの島
一方で、プレート境界から遠く離れた場所にも島がある。
これらは、地下深くからマグマが常に湧き上がっているホットスポットの上にできた島である。
プレートが動くことで火山島が次々と生まれ、列島が形成される。

ハワイ諸島 | ポリネシア。 |
サモア | ポリネシア。 |
クック諸島 | ポリネシア。 |
タヒチ(フランス領ポリネシア) | ポリネシア。 |
イースター島 | ポリネシア。 |
サンゴ礁の島
オセアニアには、サンゴ礁が発達してできた平坦な島々も多く存在する。
もともと火山島だった場所のまわりにサンゴが発達し、やがて火山島が沈んで平坦な「環礁(かんしょう)」だけが残ったもの。
こうした島々は標高がとても低いため、海面上昇の影響を強く受けやすい。


マーシャル諸島 | ミクロネシア。 |
ナウル | ミクロネシア。 |
ツバル | ミクロネシア。 |
キリバス | ポリネシア。 |
オセアニアの気候

オセアニアの気候の仕組み
貿易風と赤道海流
貿易風 | 緯度30度付近から赤道に向かって吹く風。(北半球では北東風、南半球では南東風) |
赤道海流 | 貿易風によって形成される、西に向かう海流。(北半球では北赤道海流、南半球では南赤道海流) |
太平洋の島嶼国(フィジー・サモア・トンガなど)は、温かい赤道海流の上を吹く貿易風の影響で、湿った空気が東から吹きつけ、雨が多くなる。
亜熱帯高圧帯
南緯30度付近では下降気流が発生しやすい。
この地域にあたるオーストラリア内陸部は、常に下降気流が発生しており、雲ができにくく、雨がほとんど降らない。そのため、砂漠気候やステップ気候となる。

季節風(オーストラリアモンスーン)
夏、オーストラリア大陸が強く熱せられると上昇気流が発生し、大陸の中心部が低圧部となる。
これに向かって太平洋からの湿った風が吹き込み、オーストラリア東岸に多くの雨を降らせる。
- 亜熱帯高圧帯の理屈と、オーストラリアモンスーンの理屈は矛盾しない?
-
Q. 夏は上昇気流が発生するのに、オーストラリア中央部が乾燥しているのはなぜ?
A. 夏のモンスーンの影響が強まっても、オーストラリア中央部が乾燥しているのは、内陸に位置しているため水蒸気が届きにくいから。
- 夏に北東・東から吹く湿ったモンスーン風は、内陸に向かうにつれて徐々に水蒸気を失っていく。
- この湿った風は、主に東海岸に多くの雨を降らせ、内陸に到達する頃には水蒸気量が大幅に減ってしまう。
- さらに、オーストラリア東岸には、南北に長く伸びるグレートディヴァイディング山脈がある。
- 太平洋から吹いてくる湿った風は、この山脈にぶつかって上昇し、雲を形成して雨を降らせる(地形性降雨)。山脈を越えた内陸側では、湿気を失った乾燥した空気が下降するため、雨がほとんど降らなくなる。
オーストラリア東岸では、東オーストラリア海流という暖流がグレートバリアリーフ沿いを南に流れる。この海流の上を季節風が吹くため、東海岸が暖かく湿った気候になる。
※ちなみに、『ファインディング・ニモ』では、主人公のマーリンとドリーがシドニーに向かう際に、ウミガメの群れと一緒に「東オーストラリア海流」を利用した。
オーストラリア西岸には、西オーストラリア寒流が流れる。この寒流は、空気の温度を下げ、海面からの水蒸気の蒸発を抑制するため、上空の空気に湿気をもたらしにくくする。
偏西風
南緯40度以南で卓越。
ニュージーランドやタスマニアはこの風により、常に湿った空気が西から流れ込み、雨が多くなる。
関連:なぜ偏西風(ジェット気流)は上空で安定して強く吹くのか?
エルニーニョ・ラニーニャ現象
エルニーニョ | 太平洋赤道域の中央から南米沿岸にかけての海面水温が、平年より高くなる現象。貿易風が弱まることで起きる。 | →オーストラリア東岸の降水量が減少するため、オーストラリアでは干ばつや森林火災のリスクが高まる。西太平洋では海面水位が低下する傾向がある。 |
ラニーニャ | 太平洋赤道域の中央から南米沿岸にかけての海面水温が、平年より低くなる現象。貿易風が強まることで起きる。 | →オーストラリア東岸の降水量が増加するため、オーストラリアでは豪雨や洪水のリスクが高まる。西太平洋では海面水位が上昇する傾向がある。 |
地域ごとの気候

オーストラリア | 「亜熱帯高圧帯+西オーストラリア寒流」で中央部から西部は乾燥しやすい。ただし東海岸は「東オーストラリア海流+貿易風」で湿潤。 |
ニュージーランド | 偏西風により湿潤。 |
島嶼国 | 「貿易風+南赤道海流」で湿潤。 |
重要ポイント
人が入って来にくい
オセアニアは、アジアやアメリカから何千キロも離れた「海のど真ん中」にある。
人が簡単に行き来できる場所ではなく、この「大陸から遠い僻地」という条件が人口の流入を妨げてきた。

それでもオセアニアに人がいるのはなぜか?
彼らの祖先は、東南アジアや台湾あたりからやってきた人々。
風や波、星の動きを読み解 高度な航海術を駆使して、広大な太平洋の島々へ移住した。
ただし、危険を冒して海を渡る人はごく限られていた。だからこそ、オセアニアの人口は他地域に比べて増えにくかったのだ。


一方で、この過酷な航海を成し遂げた人々は、並外れた体力と持久力を備えていた。生き残ったのは、筋力や健康面でタフな人々だったはず。

人が増えにくい
オセアニアは「人が増えにくい」自然条件を抱えている。
まず、最大の国オーストラリア。国土は広大だが、その大部分は乾燥地帯。水が乏しく、農業や都市の発展に適さない土地がほとんど。
だからこそ、広大な土地を持ちながら、人口は驚くほど少ない。

カンガルーやコアラなどの有袋類は、このような特殊な環境で独自進化を遂げた動物である。


一方、太平洋の島国も人が増えにくい。
多くの島は平地が少なく、特にサンゴ礁の島は土壌が栄養に乏しいため、大規模な農業は難しい。

このように、オセアニアの自然環境そのものが「人が増えにくい」背景になっている。
→オセアニアの本質:「人が全然いない」からこそ、独自の発展を遂げた