オセアニアの本質:「人が全然いない」からこそ、独自の発展を遂げた
「人が全然いない」
これがオセアニアの本質だと思う。
この記事では、オセアニアはどんな地域なのか?について、わかりやすく整理してみたい。

オセアニアといえば…?
「オセアニア」と聞いて、あなたはどんなイメージを思い浮かべるだろうか?

- オーストラリアの広大な大地や、ニュージーランドの美しい山々
- コアラやカンガルー、ウォンバットといったユニークな動物
- エメラルドグリーンの海とサンゴ礁のビーチリゾート
- ラグビーのニュージーランド代表が踊る「ハカ」
- オージービーフや乳製品、小麦といった農産物
- 石炭や鉄鉱石などの鉱産資源
人によって思い浮かべるものはいろいろだろう。






- オセアニアがテーマのディズニー映画
しかし、これらのイメージには一つの共通する背景がある。
それは「人が全然いない」ということだ。
オセアニア特有の現象は、「オセアニアに人が全然いない」という事実と密接に関わっている。
どういうことか?
・・・を説明する前に、まず「オセアニアの人の少なさ」を数字で見てみよう。
どれくらい「人がいない」のか?
オセアニア最大の国、オーストラリアの人口は約2,600万人。
日本のわずか5分の1にすぎない。

ところが国土は日本の約20倍。
その結果、人口密度はわずか3人/km²。
日本の人口密度が約330人/km²なので、いかに人が少ないかがわかる。
さらに、ナウルやキリバスといった島国は国土が狭く、人口も数万〜十数万人ほど。
世界的に見ても、オセアニアは圧倒的に「人が少ない地域」だといえる。

なぜ「人がいない」のか?
では、なぜオセアニアはこれほどまでに人が少ないのだろうか?
圧倒的な「僻地」
オセアニアは、アジアやアメリカから何千キロも離れた「海のど真ん中」にある。
人が簡単に行き来できる場所ではなく、この「大陸から遠い僻地」という条件が人口の流入を妨げてきた。

それでもオセアニアに人がいるのはなぜか?
彼らの祖先は、東南アジアや台湾あたりからやってきた人々。
風や波、星の動きを読み解 高度な航海術を駆使して、広大な太平洋の島々へ移住した。
ただし、危険を冒して海を渡る人はごく限られていた。だからこそ、オセアニアの人口は他地域に比べて増えにくかったのだ。



一方で、この過酷な航海を成し遂げた人々は、並外れた体力と持久力を備えていた。生き残ったのは、筋力や健康面でタフな人々だったはず。
ニュージーランドが世界的にラグビー強国なのも、そんな「強靭な体格を持つ人々が子孫として残った」ことと、まったく無関係ではないだろう。

厳しい地形・気候
また、オセアニアは「人が増えにくい」自然条件を抱えている。
まず、最大の国オーストラリア。国土は広大だが、その大部分は乾燥地帯。水が乏しく、農業や都市の発展に適さない土地がほとんど。
だからこそ、広大な土地を持ちながら、人口は驚くほど少ない。

カンガルーやコアラなどの有袋類は、このような特殊な環境で独自進化を遂げた動物である。


一方、太平洋の島国も人が増えにくい。
多くの島は平地が少なく、特にサンゴ礁の島は土壌が栄養に乏しいため、大規模な農業は難しい。

このように、オセアニアの自然環境そのものが「人が増えにくい」背景になっている。
「人がいない」がゆえに・・・
大自然を生かした産業が発達した
「人が少ない」ということは、裏を返せば、「自然が手つかずで広大に残っている」ということでもある。
この条件を生かし、オセアニアでは次のような産業が発達してきた。
観光業 | 美しく保たれた海や自然環境を利用したリゾート開発 |
農業・畜産業 | 広大な土地を使った小麦やオージービーフ、乳製品の生産 |
鉱業 | 手つかずで開発しやすい土地での鉱産資源の採掘 |


逆に、工業のように大量の労働力や市場規模を必要とする産業は発展しにくい。
また、オーストラリアはオセアニアの中で最大の経済大国として、金融業などのサービス業も盛ん。太平洋の小国から人々が出稼ぎにやってくる「地域の拠点」となっている。

常に「人をどう呼び込むか」で悩んできた
オセアニア、特にオーストラリアは「人がいない」という課題に歴史を通して向き合ってきた。
- 奴隷制の廃止や流刑制度の終了により労働者が不足
- 1850年前後のゴールドラッシュで、中国人労働者が大量に流入
- その後は「白人だけの国家」を目指す白豪主義を実施
- 1960年代以降、労働力不足やアジアとの関係強化の必要性から多文化主義へ転換
つまりオーストラリアは、常に「どうやって人を呼び込み、社会を維持するか」という課題に直面してきたのである。
現在、オーストラリアやニュージーランドが留学ビジネスに力を入れているのも、この背景と無関係ではない。

とはいえ「人を呼び込む」ことには文化的衝突や移民との摩擦といった新たな課題もある。オセアニアはこれからも、移民政策をどう続けていくかで揺れ動き続けるだろう。
まとめ
オセアニアの本質を一言で言えば、「人が全然いない」 ということ。
- 美しい自然が残ったのも、
- 独特な動物が進化したのも、
- 観光業が盛んなのも、
- 大規模な農業や鉱業が発達したのも、
- オーストラリアが人の受け入れに悩み続けてきたのも、
すべて「人が少ない」という条件に起因している。
オセアニアを理解するとき、この視点を持っておくと、地域の特徴がぐっとわかりやすくなるはず…!
『モアナと伝説の海』は古代ポリネシアを舞台にした作品。フィジー、サモア、トンガ、タヒチなど、オセアニアの多様な島々の文化、神話、歴史、そして航海術からインスピレーションを得ている。
『リロ&スティッチ』はハワイのカウアイ島を舞台にした作品。
『ファインディング・ニモ』はオーストラリア東岸のサンゴ礁を舞台にした作品。