社会の解説

大地形・小地形をわかりやすくまとめた【地理】

モチオカ(望岡 慶)
ポイント

地形については、名称を覚えることよりも

「いろんなパターンの地形があって、それぞれでき方が違って、人間の活動のしやすさも変わるよね」

って大まかに理解することの方が大事。

地球で見られる地形は「見た目(高低・形状)」や「でき方(成因)」によって、いくつかのパターンに分類できる。

地形の高低・形状による分類

  • 大地形:小地形に比べて大規模な地形。プレートの動きなどによって形成される。
  • 小地形:大地形に比べて小規模な地形。侵食・堆積作用などによって形成される。

※大地形や小地形という名称自体を覚えることは重要ではない。それよりも地形の特徴と人々の暮らしとの関係を考えることの方が価値がある。

→地形と人々の暮らしとの関係については、記事の最後にまとめる。

山地

関東山地と関東平野。(2024.1撮影)

山地のでき方は2つ。

  • ぐにゃっと曲がる(褶曲山地)
  • 大きくズレる(断層山地)

台地、段丘

武蔵野台地。(2021.6撮影)

台地や段丘のでき方は2つ。

  • 平らな地面が盛り上がる
  • 周りの水面が下がる

平野

関東平野。(2024.12撮影)

平野のでき方は3つ。

  • もともと平ら
  • 積もって平ら(堆積平野)
  • 削れて平ら(侵食平野)
Q
沖積平野と海岸平野

沖積平野:河川の堆積作用により形成

海岸平野:浅い海の堆積面が地盤の隆起or海水面の低下により海面上に現れて形成

構造平野:水平な地層からなり、地質構造そのものが平坦面をつくる平野

※構造平野の例)ケスタ:かたい地層とやわらかい地層の侵食のされやすさの違いにより形成 (例)パリ盆地、ロンドン盆地

モチオカ
モチオカ

地理の学習の最初にこういう用語をたくさん出して高校生を混乱させるの、ほんとやめた方がいいと思う。(怒)

こういうややこしい用語を太字にして「覚えなきゃ」って高校生に思わせるから、地理嫌いが増える。

これから地理の学習をする上で、細かな平野の分類ってそんなに大事?

地形の場所・成因による分類

地球内部の熱が作り出す地形【大地形】

  • 地球内部はむっちゃ熱い→ドロドロの物体が絶えず動いている(←熱い味噌汁がお椀の中で対流しているのと同じ!)
  • 地球の表面は15枚くらいのプレートに覆われている

→プレートは地球内部の熱の影響を受けて動くマントルに合わせて移動する

→プレート同士の衝突などによって山ができる(=造山運動)

→造山運動を受けた時期によって、地球上の陸地を3つに分類できる

  • 新期造山帯(しんき ぞうざんたい)
  • 古期造山帯(こき ぞうざんたい)
  • 安定陸塊(あんてい りくかい)
Q
新期造山帯・古期造山帯・安定陸塊と産出資源の関係

こうやって説明されてきた(↓)が、、、

安定陸塊鉄鉱石が採れやすい
古期造山帯石炭が採れやすい
新期造山帯石油が採れやすい

完璧に対応しているわけではないし、造山運動と資源の分布は関係ないと最近では言われているので、あくまで参考程度に!

日本は新期造山帯に属するけど、そんなに石油は採れない…

参考:「炭田や油田の分布」と「造山帯の分布」の関連について

Q
新期造山帯で石油が採れやすいとされている理由

微生物の死骸が海底に沈む

→死骸の上に堆積物がたまり、圧力がかかって有機物に富む岩ができる

→地中深くの温度・圧力により原油へと変化する

→水よりも比重が軽い原油は地中を上昇する

→液体を通しにくい岩石がある褶曲の背斜部(地層がクネクネしているところ)に原油がたまり、油田になる

参考:油田が形成される過程について

Q
古期造山帯で石炭が採れやすいとされている理由

古生代には、シダ植物などの大森林が広がっていた

→古生代の地層には、植物が大量に埋まっている

→この植物が炭化し、石炭になった

Q
安定陸塊で鉄鉱石(←酸化鉄)が採れやすいとされている理由

大昔、地表の鉄分は鉄イオンとして大量に海水に溶けていた

→先カンブリア時代に光合成をする植物が大量発生して酸素を放出

→海水中の鉄イオンと酸素が結びつき、酸化鉄が大量にできる

→造山運動によって海底にあった酸化鉄が地上に押し上げられた

Q
大地形の大まかな分布

ユーラシア大陸

  • アルプス・ヒマラヤ造山帯(新期造山帯)
  • ウラル山脈(古期造山帯)
  • ウラル山脈の東西に安定陸塊が広がる
  • スカンディナヴィア山脈(古期造山帯)

北アメリカ大陸

  • ロッキー山脈(新期造山帯):環太平洋造山帯の一部
  • アパラチア山脈(古期造山帯)
  • それ以外は安定陸塊

南アメリカ大陸

  • ほぼ安定陸塊
  • アンデス山脈(新期造山帯):環太平洋造山帯の一部

アフリカ大陸

  • ほぼ安定陸塊
  • アトラス山脈(新規造山帯)
  • ドラケンスバーグ山脈(古期造山帯)

オセアニア

オーストラリア

  • ほぼ安定陸塊
  • グレートディヴァイディング山脈(古期造山帯)

ニュージーランド

  • 新期造山帯(→火山がある)

トゲトゲな山地(新期造山帯)

高知方面から見た四国山地。(2022.6撮影)
モチオカの解釈

「エネルギーのある若者」的な地形。トガっている。急に大変動(地震・火山活動)を起こすことも・・・。

  • 風や雨などによって削られる時期が短く、現在も造山運動を受けているので、高く険しい山になりやすい

丸みを帯びた山地(古期造山帯)

シドニー港。奥にうっすら見えるのが古期造山帯のグレートディヴァイディング山脈。(2023.7撮影)
モチオカの解釈

やや丸くなったオトナ的な地形。

  • 古生代に造山運動を受けた
  • 風や雨などによってそこそこ削られたので、低くなだらかな山になりやすい

なだらかな大地(安定陸塊)

オーストラリア上空の安定陸塊。(2023.7撮影)
モチオカの解釈

穏やかなおじいちゃん的な地形。

  • 先カンブリア時代に造山運動を受けた
  • 風や雨などによって削られる時期が長いので、平らになりやすい(→平原・高原)
  • 安定陸塊は楯状地と卓上地に分類される

※楯状地と卓上地の違いは、先カンブリア時代の岩石が地表に露出しているかどうか。

  • 卓上地:露出していない(先カンブリア時代の岩石の上に別の地層が堆積)
  • 楯状地:露出している

地球内部の熱が作り出す地形【小地形】

火山の地形

典型的な成層火山である富士山。(2024.12撮影)

火山、溶岩台地、カルデラなど。

火山は溶岩の粘り気によって3つに分類できる。

  • 盾状火山
  • 成層火山
  • 溶岩円頂丘
熊本県の阿蘇カルデラ。(2022.7撮影)

水が作り出す地形【小地形】

川の地形

紀伊山地のV字谷。(2022.6撮影)

V字谷、扇状地、氾濫原、三角州など。

場所特徴
流れが速い場所にできる地形水の流れが速いので、かなり削れる→基本的にV字型になる
間にできる地形扇状地
流れが遅い場所にできる地形川がくねくね曲がる→川の端っこは盛り上がる
基本びちゃびちゃになる→水田
タイの首都バンコク近郊を流れるバーンパコン川。典型的な氾濫原。(2024.11撮影)

タイの発展はチャオプラヤ川と運河があってこそ

氷の地形

グリーンランド上空。U字谷やモレーンが見える。(2023.9撮影)

水と違って硬くて大きいので、ごっそり削れる

→基本的にU字型になる

カール、ホーン、U字谷、氷河湖、モレーンなど。

海の地形

シドニー港のリアス式海岸。(2023.7撮影)

海岸平野、海岸段丘、リアス式海岸、フィヨルド、三角江(エスチュアリー)、砂州、砂嘴、トンボロ(陸繋砂州)、サンゴ礁など。

サンゴ礁は3つに分類できる。

  • 裾礁
  • 堡礁(+礁湖(ラグーン))
  • 環礁(+礁湖(ラグーン))

シドニーは天然の良港に位置する都市

オーストラリア北東部にある世界最大のサンゴ礁(グレートバリアリーフ)。漢字では大堡礁。(2023.7撮影)

乾燥の地形

エジプトの砂砂漠。(2025.3撮影)

砂漠、砂丘、オアシス、塩湖、ワジ、メサ、ビュートなど。

砂漠は3つに分類できる。

  • 砂砂漠
  • 岩石砂漠
  • 礫砂漠

石灰の地形

山口県秋吉台のカルスト地形。ドリーネやウバーレが見られる。(2022.7撮影)

石灰岩が雨水や地下水で溶食された地形。

ドリーネ、ウバーレ、ポリエ、鍾乳洞、タワーカルスト。

山口県秋芳洞の鍾乳洞。(2022.7撮影)

地形と人間の活動の関係【★最重要】

ここからが大事なところ!

それぞれの地形に応じて、人間の活動のあり方は異なる!!!

地形人間の生活との関係
山地森林資源が豊富だが、農業や交通が困難。生活しにくいため、少数民族の居住地や「隠れ里」になりがち。
台地水を得にくく昔は農業に不向きな一方で、洪水の心配が少なく眺めが良いため、昔から富裕層の住宅地として利用される傾向にある。
段丘住宅地や果樹園に利用される。古くは集落や遺跡が作られた場所でもある。
平野農業や交通の便がよく、人が集まりやすい。標高(海抜)が低すぎると浸水被害を受けやすい。

※平野に関して、特に「川が作る平野」(沖積平野)は要注意。海抜高度が著しく低く地盤が極めて脆弱だと、台風や大雨に伴う洪水や高潮による浸水被害に弱かったり、地震による建造物の倒壊や地盤沈下のリスクが高い。

※昔は「川が作る平野」に人はあまり住まなかったが、近年は地価が安いこともあって、新築の住居を作って「お得でっせ」ってセールスをかける業者がいる。浸水リスクを描いたマップ(ハザードマップ)をよく確認せずに住居を購入し、洪水被害に遭う人がいる。

地形人間の生活との関係
新期造山帯(トゲトゲな山地)地震や火山活動のリスクが高いが、登山や温泉などの観光資源になることも。
古期造山帯(丸みを帯びた山地)鉱山資源が豊富。森林や牧畜の利用も見られる。
安定陸塊(なだらかな大地)鉱物資源が豊かで、農業がさかんな地域も多い。
地形人間の生活との関係
火山の地形火山灰でできた肥沃な土地が農業に向く。温泉や景勝地として観光資源になるほか、地熱発電に利用できるが、火山活動による災害のリスクが高い(火山灰、火砕流など)。
川の地形水が得やすく農業に適する。扇状地は住宅に、三角州は洪水リスクがある。
氷の地形農業には不向きだが、U字谷などが観光資源となる。フィヨルドは景勝地や天然の良好として機能するので、付近では観光業や漁業が発達するが、後背地が狭くて産業が発展しづらく大都市は形成されにくい。
海の地形漁業や港が発展。リアス海岸は良港になるが、津波リスクもある。
乾燥の地形水不足で生活が難しい。生活困難で親しみがない地形なので、観光資源になることもある。
石灰の地形珍しい地形なので、鍾乳洞などが観光資源になる。地下水の利用が難しい場合がある。

観光資源となっている地形と場所

地形の特徴がはっきりと見られる場所を知っておくと、旅行する時の楽しみの一つになる!

卓状地

楯状地

盾状火山

成層火山

溶岩円頂丘(溶岩ドーム)

カルデラ

扇状地

氾濫原

天井川

三角州

カール(圏谷)

ホーン(尖峰)

U字谷

氷河湖

モレーン(堆石)

海岸平野

海岸段丘

リアス式海岸

フィヨルド

三角江(エスチュアリー)

砂州

砂嘴

トンボロ(陸繋砂州)

サンゴ礁

砂漠

砂丘

オアシス

塩湖

ワジ(涸れ川)

メサ、ビュート

ドリーネ、ウバーレ、ポリエ

鍾乳洞

タワーカルスト

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モチオカ ケイ
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社会科コンテンツクリエイター
関東で生まれる → 公立中学校 → 公立高校 → 1年間浪人 → 東大(教育学部) → 東大院(教育学研究科) → 修士課程修了(教育学) → 公立中学校の教員に → 退職 → ブログをがんばる → ?
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