社会科の学習課題(問い)の立て方と実施方法
社会科の問いはどうあるべきなのだろう?
あれこれ考えたことをまとめる。
どのような問いにすればいい?
「生成AIに答えづらい問い」や「日本の未来を考える問い」など、いろんな方向性を考えてみたけれど、今の僕の実力ではうまく答えが出せなかった。
「生成AI対策」は考えなくていいと思う
そもそも生成AIは活用していい。
専門家の書籍や発言を参考にするのと同じで、過去のデータを学習した生成AIが吐き出したものを参考にすることは悪いことではない。「学習力と論理的思考力に優れる生成AIを利用しちゃダメだけど、専門家の書籍を利用するのはOK」というのは理屈が通らない。

それに、「生成AIには答えづらい問い」を作って対策をしたとしても、結局くぐり抜けられるだけだと思う。
最新のこと、未来のこと、自分自身に関わること。これらが生成AIの苦手分野だとは思うけれど、とはいえ、質問の仕方さえ工夫すれば(=最新情報を検索してもらったり、自分の情報を入力したりすれば)生成AIに答えられてしまう。
生成AI対策をしたところでイタチごっこになるだけ。

ってことで、「生成AI対策になる問いは・・・」ってあんまり悩まなくていいと思う。もっとリソースを割くべきところがある。
「より良い社会のために」も考えなくていいと思う
また、今の日本や未来の日本について考える問い、つまり「より良い社会をつくるにはどうしたらいい?」と考えることになる問いを設計しても、そもそも生徒が考えたいと思わなければ意味がない。

そういう問いは説教くさくなるし、本当にうまく設計しないとショボいアウトプット(=まあ間違ってはいないけど、なんか浅いなあ・・・っていう考え)しか出てこなくなる。
「おもしろい問い」であればOK!
結局、あれこれ考えた結果、「おもしろい問い」であることが最も重要だと思うようになった。いつも僕はあれこれ考えた結果、「そりゃそうだろ…」っていうありきたりでつまらない結論に至る。

でも、やっぱりいくら考えても「おもしろい問い」であることが最優先だと思う。考えたくなる問い。答えが気になる問い。教員はとにかくそういう問いを追求すればいいと思う。
教員がおもしろい問いを投げかけ、それを生徒と一緒に探究する。それを繰り返すうちに、生徒が「自分も何か気になることを探究してみたい」と思うようになればいいなあー。それくらいのスタンスで十分。
「社会の授業って面白い」って感じてもらうことに全力を出す!
中学校の教員なんて、「ちゃんと教える」ことよりも「好奇心の火を灯す」ことの方が圧倒的に大事なんだから。

「教員自身も気になる問い」を投げる
で、「おもしろい問い」を立てるためには、そもそも教員自身も問いを持たなきゃいかんよね。教員自身が何も社会について好奇心や疑問を持っていないのに、おもしろい問いなんて思いつくわけがない。
教員自身も探究したい問い、ずっと考え続けている問いを生徒に投げかける。で、生徒と一緒に自分も考える。

これは僕自身の反省も込めてなんだけど、「学びにはなる『よくできた問い』かもしれないけど、、、それ、教員自身は考えたいと思ってる問いなの?」っていう問いを教員は生徒に投げかけがち。これは本当によくない。
自分は考えたくない問いについて、生徒にだけ考えさせる。これはズルい。
ワークシートに書く問い、黒板に書く問いを、自分は考えたいと思うだろうか?答えが気になるだろうか?・・・と自分に問うた時に、NOと言いたくなるような問いじゃダメ。
教員自身も気になる問いを、生徒と一緒に考える。
「考え方を指導できる問い」にする
あと、簡単に答えを出せる問いではなく、「なんとも言えないなあ・・・」と言いたくなるような「答えるのが難しい問い」にしたい。生成AIが一発では答えられない問いと言うんでしょうか。
そういう問いを投げかけて、考え方を教える。どう探究(思考判断)したらいいのか?どう相手に伝えたらいいのか?(表現)。問いに答える過程でこれらを教える。いつか生徒が自分にとって切実な問いに直面したときに、解決に向けて動けるように。

生徒に考え・意見を求めた時に、生徒がAIに聞いてAIの答えを完コピするのは、「考え方」を教員がちゃんと教えていないからだと思うんだよね。じゃあ考え方をどう指導するんじゃい?っていう件については、また改めて記事を書こうと思います。

課題の設計

評価規準を明確にする

多角的・多面的な思考について事前指導する
思考の深化を促すために、「この条件を満たしたら『思考』の観点はAになるよ!」といった形で評価規準を明確にし、生徒に公表する。
→あとで評価に対するクレームが入ることの防止策にもなる
書き方について事前指導する
「このように文章を書けば『表現』の観点はAになるよ!」といった形で評価規準を明確にし、具体的な書き方を示す。
→3年間にわたって何度も課題に取り組むことで、伝えたいことを論理に表現するための文章を書けるようになる
課題の実施

「レポートの日」を決める
レポート課題は授業時間の中で「レポートの日」を決め、制限時間を設けて実施する。
家に持ち帰ってもOKにすると、保護者が書いたものや生成AIに書かせたものを提出される可能性がある。保護者や生成AIに協力してもらうことは良いことだが、丸投げはNG。
資料の持ち込み
ハガキサイズくらいの小さな紙にメモをしたものだけ持ち込みOKにするのが、学習効率が最も高いのでは…?(←要約作業による学習効果)
※なんでも持ち込みありにすると、事前に作った原稿を持ち込んで、それをただレポート用紙に丸写しするだけになってしまう。これだと保護者や生成AIが書いたものなのか、生徒が書いたものなのかわからない。
社会科の問いに関する記事はこちら
社会科の問いの例を考えたよ【地理・歴史・公民の単元を貫く問い】










