時差の計算って、頭がこんがらがりますよね。
そこで本記事では、時差の求め方(公式みたいなもの)について説明をします!
この記事を読むと
- 時差の前提知識がわかる
- 時差の求め方がわかる
- 日付変更線をまたぐ時差の求め方がわかる
- 飛行機が出てくる時差の求め方がわかる
この記事の信頼性
僕(もちお)は元社会科教員
ざっくりと学校の勉強の経歴(?)を書くと、こんな感じ。
- 小学生の時は偏差値40台だったけど、「学年で10位以内に入ったら携帯電話を買ってあげる」という親の甘い言葉で火がつき、猛勉強。その結果、
- 中学生では、塾に行かずに学年1位
- 高校では、学年で1ケタの順位をキープ
- 東大文科三類不合格
- 浪人(Oh…)
- 東大模試で文科三類1位
- 東大に合格
時差の求め方の前提となる知識
時差の計算方法(公式)を暗記・丸覚えしなくて済むように、本質的な部分を説明します。
そもそも時差とは?
まず、なんで国ごとに時刻が決まっていて、「時差」というものがあるのか?についてです。
まず、「時刻」の簡単な歴史から。

もともと人類は、太陽の位置で時の流れを判断していました。
でも、もちろん時計なんてものはなかった。
だから、「朝・昼・夜」っていう大雑把なとらえ方だったはずです。

やがて、人類は時計を発明します。
ただ、時計が発明されたとは言っても、この時計が表す時刻(●時●分)は、「その地域でしか使えない時刻」でした。
世界で統一の時計(時刻)というものは、最初はなかったんです。
まあ昔はそれでも大丈夫でした。
(町Aに住む人は、町Aから出ないから)

でも、鉄道の発明などで人間の動く範囲が広がってくると、時刻がグチャグチャになって困ることになった。
そこで、世界で時刻を合わせよう!っていう動きが生まれました。
で、「じゃあ、どこかの時刻を基準にしよう!」ってなったんです。
基準となる時刻を、経度0度のロンドン(イギリス)の時刻としました。(本初子午線が通るところです)
で、ロンドンの時刻を基準に、
各国は「ロンドンの時間から数時間進んだ(遅れた)」時刻を、その国の時刻(=標準時)としたんです。
この時間のズレを時差と言います。

「経度15度で1時間の時差」の理由

じゃあ、ロンドンから見て、どれくらい時間をズラすか?を考えなければいけません。
これ、丸暗記している人が多いんですけど、丸暗記することじゃないです。
地球は1周360度です。
1日は24時間。
ってことは、地球は1時間でどれくらい回転するのか?というと、
360度 ÷ 24時間 = 15度
となると、例えば
- ロンドンから経度が15度ズレている場所は、ロンドンと1時間の時差がある
- ロンドンから経度が90度ズレている場所は、ロンドンと90 ÷ 15 = 6時間の時差がある
ってことが言えます。
このように、計算すれば理解できることなので、「経度15度で1時間の時差」は丸暗記する内容じゃないです。

「東の方が時刻が進んでいる」理由

でも、時差の計算の時に「東経と西経ってどっちが時間が早いんだっけ?」って混乱しがち。
ですが、これも丸暗記することじゃないです。
地球の自転について分かっていれば、「東の方が時刻が進んでいる」理由が理解できます。
イメージしやすいように、図を使って説明します。

地球は反時計回りに自転しています。
で、今この地球を眺めている「あなた=太陽」とします。(ブログを見ている読者の視点が、太陽。)

次に、片方の目だけ、まつ毛を付けます。(!?)

ためしにこの地球を自転させてみると、こんな感じになりますね。
で、あなたは太陽です。
あなたと地球が目が合っている時は、地球からも太陽が見えているってことになりますよね。
地球の目からすると(地球の目のところにいる人からすると)、地球がクルクルと自転すると太陽が昇っているように見えます。
じゃあ、どっちの目の方が先に日の出をむかえるか?
もう一回、回転させてみるとわかります。

まつ毛の目ですよね。
まつ毛の目の方が先に日の出をむかえる。
で、遅れて普通の目が日の出をむかえる。
まつ毛の目の方が「時刻が進んでいる」ってことになります。

で、まつ毛の目は東西南北で言ったら東の方です。
ポイントは反時計回りに自転してるってことです。
ただ、「あれ?地球って時計回り?反時計回り?」ってところで悩むと終わりなので、最悪、丸暗記でも良いです。
おすすめは、聖徳太子を思い出すこと。
「日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す。」っていう言葉がありました。
中国よりも日本の方が東にあって、その日本が「日出ずる」だから、東の方が先に日がのぼるってことです。
とにかく、日本は地球の中でも時刻が進んでいる方の国なんです。
日付変更線とは?

最後に、日付変更線って何なのか?についてです。
東経と西経でどっちが時間が進んでいるのか?について話をしましたが、

ロンドンを基準にしているんだから、「ロンドンが一番時刻が進んでいて、ロンドンから1日がスタートする」っていうのでも良さそうな気がします。
「軽度15度につき1時間の時差が生まれる」っていうのを24回くり返すと、
1周ぐるっと回ったところで24時間の時差が生まれる(丸1日ズレる)っていうことになりますよね。
つまり「丸1日ズレる境界線」を地球上のどこかに引かなきゃいけないわけですが、この境界線がロンドンにあると不便なんです。

そうすると、「またいだら1日進む」「またいだら1日戻る」っていうのが簡単にできちゃう。
楽しいけど、不便です。

で、ロンドンの反対側(180度向こう側)を見てみたら、ちょうど太平洋(海)だったんですよ。
「これはちょうどいい」ってなりました。
ということで、ロンドンの真反対の海に「1日ずれる境界線」が作られました。これが日付変更線です。
ちなみにこれは豆知識ですが、
経度180度付近の国は、「1日遅れる」か「1日早い」か、どっちを選んでも良いことになっています。
日付変更線を自分の国の東側にズラすか?西側にズラすか?を、その国が決められるっていうことです。
どっちを選んでも良いことになっているから、日付変更線はこうやって曲がってるんです。
「1日早い」のを選んだ国もあれば、「1日遅い」のを選んだ国もあるってこと。
次のページでは、時差の求め方について問題を解きながら説明します!
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