地理

南アジア地誌

 

望岡 慶
望岡 慶
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南アジアの地形

  • ヒマラヤ山脈
  • カラコルム山脈
  • 西ガーツ山脈
  • ガンジス川
  • インダス川
  • ブラマプトラ川
  • ベンガル湾
  • アラビア海
  • セイロン島
  • チベット高原
  • パミール高原
  • デカン高原
  • ヒンドスタン平原:ガンジス川が運搬した土砂が堆積して形成された沖積平野
  • 大インド砂漠(タール砂漠)

 

 

南アジアの気候

緯度的には亜熱帯高圧帯の影響を受ける地域だが、季節風(モンスーン)の影響で夏に雨が多くなる。

  • インド南西岸(西ガーツ山脈の風上側)
  • インド北東部(アッサム地方)

季節風(モンスーン)

  • 夏:海洋から大陸へ(南西風)
  • 冬:大陸から海洋へ(北東風)

関連:季節風の仕組みについて

 

インド北西部・パキスタンには乾燥帯が分布。

(例)大インド砂漠

(理由)

  • 緯度的に亜熱帯高圧帯の影響を受ける地域
  • 降雨をもたらす上昇気流を起こす地形が近くにない(西ガーツ山脈のような山脈がない)

→夏に湿った季節風が吹いても、そこまで雨が降らない

→結局、蒸発量が上回ってしまう

 

気候区分の覚え方など

ケッペンの気候区分について(覚え方・見分け方など)【地理】ケッペンの気候区分 ・植生の分布に注目して、気温と降水量の組み合わせで世界の気候を区分...

 

南アジアの人口

南アジアで出生率が高い理由

女性の権利意識が向上しない上、産業の近代化・省力化の遅れにより子供が労働力として重要で、親の老後保障の担い手でもある。

 

 

南アジアの歴史

南アジアのほぼ全域がイギリスの植民地だった。

  • 旧イギリス領インド(インド・パキスタン・バングラデシュ・スリランカ)

 

山岳国(ネパール・ブータン)と島国モルディブは独立を維持したが、イギリスの影響下にあった。

1947年

  • ヒンドゥー教徒の多い地域がインドとして独立
  • イスラム教徒の多い地域がパキスタンとして独立

1948年

  • 仏教徒の多いスリランカが独立

1971年

  • パキスタンとバングラデシュが分離独立

 

人種、民族

人種、民族 人種 身体的特徴によって区分された人類の集団 (例)肌の色、毛髪の色と形、目の色、鼻の形など ...

 

 

カシミール問題

→民族問題に関する記事で

 

人種、民族 人種 身体的特徴によって区分された人類の集団 (例)肌の色、毛髪の色と形、目の色、鼻の形など ...

 

 

南アジアの宗教

ヒンドゥー教

  • インド

イスラム教

  • パキスタン
  • バングラデシュ

仏教

  • スリランカ

 

 

南アジアの国々

インド

人口

約13.8億人(2020年)

農村地域からの流入人口が急増しているデリー、ムンバイ、コルカタでは、スラムの拡大などの都市問題が深刻化している。

 

 

産業別人口構成(2018)

  • 第1次:43.3%
  • 第2次:24.9%
  • 第3次:31.7%

 

 

 

言語

公用語:ヒンディー語、英語(準公用語)、22の指定言語

※地域によって言語が異なるインドでは、英語が共通語としての役割を果たしている

 

 

宗教

主にヒンドゥー教(聖地はヴァラナシ)

 

カースト制度:あるカーストに属する人は、世襲の同じ職業に就く。同じカーストの人と結婚する。現在はカーストに基づく身分差別は憲法で禁止されている。

  • 農村部では根強く残っている
  • イスラム教徒、キリスト教徒、仏教徒は農村ではハリジャン(不可触賎民)扱い
  • 都市の大企業ではIT関連産業のようなジャーティ(世襲的職業身分集団)外の新たな職業が増えている

 

 

農業

稲作 インド南西部、ガンジス川中下流域
ジュート ガンジス川河口部の三角州地帯
ダージリン、アッサム地方
小麦 ガンジス川上流域、パンジャブ地方
綿花 デカン高原(肥沃な土壌レグールが分布)

 

多くの植民地に見られたモノカルチャー的なプランテーションは限られている。

農民は70%以上が土地を持たない小作人か、小作地を持たない農業労働者。

 

インドの農業の変化

以前は小規模零細・天水依存型農業により生産性は低かったが、1960年代以降、緑の革命での多収量品種の導入や灌漑整備・土地改革の進展・農産物の流通自由化で生産性が向上した結果、農産物輸出国となった。

 

緑の革命がはらむ問題

高収量品種の導入には灌漑設備・化学肥料・農薬など、資金や技術が不可欠で、農地改革・自作農の育成の遅れはその導入を富農に限定したため、富農と零細農民の経済格差が一層拡大した。

 

 

工業

イギリスによる植民地支配

  • 3大港湾(ムンバイ、コルカタ、チェンナイ)
ムンバイ インドへの入り口
コルカタ ベンガルからミャンマーにかけての中心地
チェンナイ 東南アジアへの中継地

19世紀、イギリスの輸出が重工業製品に変化

→綿工業(ムンバイ)、ジュート工業(コルカタ)が発達

20世紀、ジャムシェドプルで鉄鋼業が発達

1947年の独立後、政府主導で重化学工業化が進む

  • 鉄鋼業、機械工業、セメント工業、化学工業

※1948〜 ダモダル川流域開発(DVC):ダモダル川にダムを建設し、洪水防止・農地の灌漑・発電・水運の活発化などを目指した。重工業の発展にも寄与(例:ジャムシェドプル)引用:おもな地域開発

1991年の新経済政策によって経済の自由化を進める

  • 外国資本によるインド国内での企業設立が自由化された

→イギリス・アメリカなどが直接投資を進めた

  • 自動車産業 @デリー、ムンバイ
  • ICT産業 @バンガロール(インドのシリコンヴァレー)

※IT産業は通信設備さえあれば、伝統的な港湾都市に立地する必要はない

 

インドでソフトウェア産業が発達した理由

理数系教育の充実で優秀な低賃金労働力が豊富なうえ、投資自由化などの新経済政策のもとで外国企業を誘致し、英語力や米国との昼夜逆の時差を背景に米国企業からソフトウェア開発を受注した。

 

デリーではダイヤモンド加工業も発達。

 

 

パキスタン

1971年に東パキスタンがバングラデシュとして独立した結果、西パキスタンが「パキスタン」となった。

  • 議会制民主主義が根付いていない(政党の力が弱い)
  • インドとの対立関係のため、伝統的に軍部の力が強い
  • 地方では部族性社会の伝統が根強い(特に2018年まで存在していた連邦直轄部族地域=FATAではその傾向が強かった)

 

農業

  • 小麦・綿花 @パンジャブ地方(イギリスの植民地時代から灌漑整備が進められた)
  • 水不足が課題

 

グワダル港(パキスタン):2015年に中国が43年間の租借権を獲得

※中国の一帯一路

 

バングラデシュ

ベンガル語で「ベンガル人の国」という意味

国土の大部分がガンジス川とブラマプトラ川の三角州になっている

海抜高度が低いため、雨季の洪水やサイクロンによる高潮などの被害を受けやすい

耕地は大部分が稲とジュートによって占められている

  • ジュート
  • 繊維工業

 

 

スリランカ

イギリスにとって戦略的な海軍基地だった

イギリスの植民地になり、シナモン・コーヒー・ココヤシ・茶・ゴムなどのプランテーション農業が行われた

イギリス人はインド半島からタミル人をプランテーションの労働力として移住させた

 

スリランカ北部には、南インドから移住してきたヒンドゥー教徒のタミル人などが居住。

→中南部に住む多数派で仏教徒のシンハラ人との対立

 

 

 

ネパール

 

 

ブータン

 

 

モルディブ

観光地として有名

 

 

望岡 慶
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