インドの未来と課題:なぜ「格差の是正は難しそう」なのか?
【地理】南アジアの単元の授業づくり【中学・高校】
モチオカ(望岡 慶)
目次
中学地理
目標
理解してほしいこと
南アジアの自然環境
- 気候は多様だが、全体的に温暖
- モンスーンの影響を受ける
- モンスーンの影響で雨季と乾季がはっきり分かれている地域が多い
- ヒマラヤ山脈という険しい山脈がある
- 大河川が流れる
インドの経済
- 地方ごとに気候の違いを生かした農業が行われている
- インダス川流域の北西部で小麦の生産が盛ん
- ガンジス川流域のヒンドスタン平原で稲作が盛ん
- 農業は品種改良や化学肥料の普及などにより発展した
- 工業は外国企業の受け入れにより発展した
- 特にICT産業が盛ん
インドの社会
- ヒンドゥー教徒が多い
- 貧富の格差が大きい
目標を達成するために(1回構成)
高校地理
目標
理解してほしいこと
南アジアの自然環境
- 気候は多様だが、全体的に温暖
- モンスーンの影響を受ける
- モンスーンの影響で雨季と乾季がはっきり分かれている地域が多い
- ヒマラヤ山脈という険しい山脈がある
- 大河川が流れる
インドの経済
- 地方ごとに気候の違いを生かした農業が行われている
- インダス川流域の北西部で小麦の生産が盛ん
- ガンジス川流域のヒンドスタン平原で稲作が盛ん
- 農業は緑の革命により発展したが、貧富の格差は拡大している
- 1990年代からの経済成長が著しい
- 自動車産業やICT産業が盛ん
インドの社会
- 今後も経済成長が期待できるが、経済格差が激しい
- ヒンドゥー教徒が多い
- 憲法でカーストによる身分差別は禁止されているが、身分の意識は残っている
目標を達成するために(3回構成)
①インドの食文化を題材にインドの概要をつかむ
食文化 | 特徴 |
---|---|
カレー | インドはスパイス栽培に適している。スパイスには腐りにくくする効果や殺菌効果があるため、暑い地域でも食べ物を長持ちさせることができる。 |
ラッシー | ヒンドゥー教では牛は神聖な存在とされていて、牛肉は食べないが乳製品はよく使われる。スパイス料理と相性がいい(乳酸菌が消化を助けてくれる)。 |
パン(ナン、チャパティ、ブーリー) | 北インドでは小麦粉の生地を発酵させて長くのばして焼いたパン「ナン」、平べったいうす焼きのパン「チャパティ」、チャパティを油であげた「プーリー」などが主食として食べられている。 |
米(バスマティライス) | インディカ米。モンスーンアジア。 |
チャイ | スパイスを加えたミルクティー。素焼きのチャイカップは使い捨て。 (1)インドにはヒマラヤ山脈沿いに茶栽培に適した傾斜地があった (2)イギリス植民地時代に茶の栽培が行われた (3)インドでスパイスの生産が行われていた (4)イギリスへの茶の輸出で低品質の茶葉しか残らなかったため、スパイスで味を調整した |
手食文化 | ヒンドゥー教 |
タンドリーチキン | ヒンドゥー教徒やイスラム教徒でも食べられる。 |
ベジタリアンメニュー | インドでは食料品には、必ず「ベジマーク」と「ノンベジマーク」がついている。ヒンドゥー教、ジャイナ教。 |
②インドはなぜ急速に経済発展しているのか?(インドの強みは何なのか?)
インドの経済発展を象徴するもの:
IT企業のCEOがインド出身
- スンダー・ピチャイ:GoogleのCEO。インド出身のインド系アメリカ人。
- サティア・ナデラ:MicrosoftのCEO。インド出身。
インドの映画産業(ボリウッド)
③インドはなぜ経済格差が深刻なのか?
インドの経済格差を象徴するもの:
教材研究のための記事


インドの農業をわかりやすく:なぜガンジス川流域は貧しいのか?

インドの産業をわかりやすく:なぜジェネリックやワクチンに強い?

南アジアの地形・気候をわかりやすく

インド(南アジア)の本質:なぜ格差・差別が当たり前にあるのか?

インドの経済自由化(新経済政策)