なぜ電力は人間にとって便利なのか?メリット・デメリットをわかりやすく
前回の記事で、
「現状、電力が最も使いやすいエネルギーの形態。電力に勝るエネルギー形態は今のところ存在しない。」
と書いた。
では、なぜ電力は便利なのか?
電力のメリット
運びやすい
電線を使えば、遠くまで素早くエネルギーを送ることができる。パイプラインやタンクで燃料を運ぶ必要がない。
→ たとえば、山奥の家でも電気が通っていればスマホが充電できる!

好きなタイミングで使える
スイッチを押せば、すぐに使える。ON/OFFが簡単。機械に直接燃料を注ぐわけではないので扱いやすい。
→ 冷蔵庫・エアコン・パソコンなどが好きなときにすぐ使えるのは、電気のおかげ。
クリーンに使える
火を燃やすわけではないので、室内が汚れない。(※発電所では排気ガスや煙を出している)
→だから、家の中でもオフィスビルの中でも、安心してエネルギーを使うことができる!

いろいろな形に変えられる
電気は、さまざまな形に変換することができる。
逆に言うと、人間は電力を「使いたい形」に変換する装置を発明してきた。
電力を何に変換する? | 変換装置 | 例 |
---|---|---|
動き(回転や直線運動) | モーター | 扇風機、電車、ロボット |
熱 | 電熱器 | 電気ストーブ、電子レンジ |
光 | 電球・LED | 照明、ディスプレイ |
音(空気の振動) | スピーカー | オーディオ、スマホ |
つまり、様々な電気機械は「電気」というエネルギーを使いたい形に変換するための装置ということ。

電力のデメリット
ただし、電力にも弱点がある。
作るために別のエネルギー源が必要
電気そのものは、自然界に人間が利用しやすい形で大量に存在しているわけではない。
火力・水力・原子力・再生可能エネルギーなど、別のエネルギー源を使って電気を作り出す必要がある。
このとき、どうしてもエネルギー変換のロス(無駄なエネルギー損失)が発生してしまう。
保存しにくい
電気は長期間、大量に保存するのが非常に難しい。現状、「できたらすぐ使う」か、「電池やバッテリーに一時的に貯める」しか方法がない。
一気に高出力を出しにくい
化石燃料(ガソリンやジェット燃料)に比べると、電力だけで一気に大きな力を出すのは苦手。
たとえば、
- トラックや大型重機 → ディーゼルエンジンのほうが圧倒的に力強い
- 飛行機 → ジェット燃料を燃やして爆発的なエネルギーを得て飛んでいる
こうした場面では、電力だけではエネルギー密度が足りないため、まだまだ燃料が必要とされている。

まとめ
それでも今の社会では、総合的に見て、電力が最も便利で使いやすいエネルギー形態であることに間違いはない。
電力の持つ「運びやすさ」「使いやすさ」「クリーンさ」「変換のしやすさ」は、他のエネルギー源にはない大きな強み。