この記事は、
「投票を棄権しても何も変わらない。むしろ棄権は、自分の考え(自分たちの年代の声)を政治家が無視する根拠になってしまう。
→だから、自分なりに考えていることが少しでもあるなら、(意味がないって思うかもしれないけど)投票に行くべきだ。」
ということを伝えたくて書きました!
本記事の内容
- 選挙に行かない一般的な理由
- 選挙に行かないとどうなるのか?
※本記事は、政治学の研究成果をもとにしています。
なぜ選挙に行かないのか?【理由】
選挙を棄権した理由ランキング
まず、選挙に行かない(棄権する)一般的な理由についてです。
平成26年衆議院議員選挙で20歳代の人たち(若者)が棄権した理由が、東京都選挙管理委員会事務局のホームページに載っていました。
どうやって調査をしたのかが書いてありませんので、信頼しすぎるのもどうかなとは思いますが、感覚的に納得できるデータです。このデータによると、選挙を棄権した理由は以下の通り。
- 1位 仕事が忙しく、時間がなかったから
- 2位 適当な候補者がいなかったから
- 3位 病気(看病を含む)又は体調が悪かったから
- 4位 選挙によって政治や暮らしが良くなるわけではないから
- 5位 候補者の人柄や政策がわからなかったから
- 6位 自分一人が投票しなくても選挙の結果に影響がないから
- 7位 政治や選挙には関心がないから
- 8位 投票所へ行くのが面倒だったから
- 9位 旅行に出かけていたから
- 10位 投票日を忘れていたから、知らなかったから
- 11位 投票所が遠かった(不便だった、わからなかった)から
投票するかをどうかに影響を与えるもの
投票するかどうかに影響を与えるもの
- 「自分の一票が、選挙結果に影響を与えるかもしれない」という気持ち
- 「自分は、こうなってほしいと思っている」という願望
- 「政党や候補者が目指しているものはこれだ」という政策への理解
- 「政党や候補者は自分の思いを実現してくれるはずだ」という期待
- 「投票に行くのはめんどくさい」という投票の負担感(コスト)
- 「有権者なんだから投票するべきだ」という義務感
さっきの選挙を棄権した理由ランキングも、①~⑥のどれかに分類できるはずです。
→②~④は、「『投票が自分にとってプラスになるかどうか』に関係するもの」と、まとめることもできます。
こうやって整理して考えると、「投票するのやめようかな」って思った時になんでそう思ったのか?がはっきりしやすいかなと思います。
投票率を上げるためには
別の角度から言うと、投票率を上げるためには
国民が自分の願望をはっきりとさせることが大事
国民が投票に行く義務感を持つことが大事
だし、
政党や候補者の考えを分かりやすく伝える存在が必要
だし、
政党や候補者がスキャンダルとかを起こさないことが大事
だし、
投票に行く負担を減らす工夫が必要
ってことが分かります。
選挙に行かないとどうなるのか?
投票に行かなくてもバレることはない…けど
「でもやっぱり政党や候補者のことが信用できないし、投票に行くのもめんどくさい!だから次の選挙は棄権しようかな…
でも、行かないとバレるのかな?何かやばいことってある?」
って不安になる人もいるかもしれませんが、選挙に行かなくてもバレたりバラされたりはしないです。なのでご安心を。
でも、選挙に行かなかったら
自分の願望を考慮してもらえる可能性はゼロに近づく
って僕は思っています。
言いたいことがうまく伝わるかわからないんですけど、例えば友達10人グループでディズニーランドに行った時に「次に乗るアトラクションどうする?」って揉めている場合を考えてみます。
引用:東京ディズニーリゾート
- 4人は「スプラッシュマウンテン」
- 3人は「カリブの海賊」
- 3人は「メリーゴーランド」
に乗りたいと考えていた時、多数決で決めよーぜ!ってなった場合は一番得票数が多い選択肢が勝ちますよね(→スプラッシュマウンテン)。
んで、「マジかよスプラッシュマウンテンかよー怖いよーーーー」ってメリーゴーランド派の3人がガッカリしていたとしても、もしかすると
「メリーゴーランドも3票入ってたから、次はメリーゴーランドに行こう!」
ってなるかもしれません。
もちろん優しくない人(性格の悪い人)ばかり集まったグループだったら、「多数決で少数派だった意見も考慮しよう!」なんて優しいことは言ってくれないでしょう。
それはそうなんですけど、
もし「どうせメリーゴーランドは少数派だよ…どうせ勝てないんだから、多数決(投票)は棄権しよう…」って思って棄権をしたら(意見をなにも言わなかったら)、その意見は絶対に考慮には入れてもらえないわけです。
「次はメリーゴーランドに行こうぜ」とは絶対にならない。
つまり、
「投票しても自分の願望はどうせ叶えてくれない」って思って投票すらしなかったら、自分の願望を考慮してもらえる可能性はゼロ
ってことです。政治家が好き勝手やる根拠を与えてしまうかもしれない…とも言えます。
実際、若者の投票率が低い現状では、現政権を担っている自民党のオジサマ達はこう思っているかもしれません→「若者は投票しないから、若造のヤツらの願望は考慮しなくていいよね!ちゃんと投票してくれる高齢者の願望を叶えてあげた方がいいよね!オレ達も高齢者だからその方が得だし!オレ達が死んだ後の未来のことなんかどうでもえーわ。あとは野となれ山となれ〜〜〜」
投票をしない人たちの存在は無かったことにされてしまう。
あなたが投票をしなかったら、あなたは社会に存在していないことにされてしまう。
これが選挙に行かなかったらどうなるの?に対する残酷な答えです。
※なにも意思表示をしない人たちのことを思いやれるほど、政治家さんたちは優しくないし暇じゃないです。
選挙に行くべき理由
「こうすれば確実に自分の願望を考慮してもらえる!」っていうやり方があるほど、社会は甘くないし優しくもありません。
もし自分の願望をいつでも確実に叶えたいなら、どこか無人島にでも行って、自分しかいない世界で孤独に暮らすしかないです。
でもそんなことは普通はしないですよね。今いる社会で生きていくことを選ぶ人が大多数のはず。
で、社会の中にはいろんな人間がいます。その人間一人一人が、それぞれいろんなことを考えて生活をしています。
である以上、自分の願望が叶うことの方が少ないんです。そもそも「一票入れたら自分の願望が叶うかも」って考えること自体がおこがましいとも言えます。
でも、
投票しない→自分の願望を考慮してもらえる可能性はほぼゼロ
投票する→自分の願望を考慮してもらえる可能性がほんの少し上がる(考慮してもらえるとは限らないけど)
こうである以上、いくら「投票しても意味がない」「どうせ変わらない」って思えたとしても、投票に行った方が自分にとってプラスなんです。
ってことで、僕は「自分が一票入れたところでどうせね…」って思いつつも、選挙に行くことにしています。3分くらいで終わるし。
自分の考え(願望)がゼロなら選挙に行かなくてもいい
ただ、ここまでの話は
自分なりの考え(願望)が少しでもある
ことが前提の話です。もちろん「あらゆることに対して自分なりの意見があります!」ってところまでいかなくてもいいとは思いますが、ちょっとでも自分なりの考えがある人向けの話。
なので、「別に自分の考えなんて何もないです!なんも考えずに生きています!頭カラッポです!願望はないです!どうなってもイライラすることないし不満に思うこともないでーす!お任せしまーす!」っていうアホな人は投票に行かなくてもいいと思います。
ディズニーランドの例で言うなら、「別に乗りたいものは特にないかなー…なんでもいいよー」っていう人は多数決に参加しなくていいと思います。その代わり後で絶対に文句言わないでほしいですけど。
まあ実際、政治に関わる話は複雑だったり難しかったりしてわかりにくいことが多いので、自分なりの考えを持つことが難しいのも事実。僕自身、社会についてよくわからないことだらけです。
やっぱり大人になっても勉強は続けなきゃいけないし、それと同時に、社会の仕組みや政党・候補者の考えを分かりやすく解説する存在が必要なのかなとは思います。
ってことで、僕もいろいろ勉強して頑張ります!(社会科マガジンを定期的にチェックしてくださるとうれしいですー)
衆院選・参院選の仕組みについてはこちら
ブログ記事:衆議院議員選挙(総選挙)の仕組み
ブログ記事:参議院議員選挙の仕組み
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