政治

【総選挙】絶対安定多数・安定多数・過半数とは?違いを説明【衆議院】

 

総選挙(衆議院議員選挙)の議席数の話で出てくる

  • 過半数
  • 安定多数
  • 絶対安定多数

の違いについて説明します!

 

 

基本的にはすべて衆議院の議席数に関する話

 

 

過半数安定多数絶対安定多数も、基本的にはすべて衆議院の議席数に関する話です。

 

自由民主党とか立憲民主党などの政党は、自分の政党の影響力を大きくするために選挙でたくさんの議席を確保する(=自分の政党からたくさんの当選者を出す)ことを目指しますよね。

その議席数の多さ(=自分の政党がどれくらいの影響力を持てるか)を表現する言葉が、

  • 過半数
  • 安定多数
  • 絶対安定多数

です。

 

 

日本の国会は衆議院と参議院の2つの院から構成される二院制なのに、なんで衆議院の議席数に注目するのか?というと、、、

 

重要な内容については「衆議院の優越」っていう仕組みが採用されているからです。衆議院の議席数の方が大事なわけです。

 

 

衆議院の優越
法律案の議決 参議院が衆議院と異なった議決をした場合、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再可決すれば、法律が成立
予算の議決 参議院が衆議院と異なった議決をして両院協議会でも意見が一致しなかった場合、または衆議院議決案の受領後30日以内に参議院が議決しなかった場合、衆議院の議決が国会の議決になる。
条約の承認 参議院が衆議院と異なった議決をして両院協議会でも意見が一致しなかった場合、または衆議院議決案の受領後30日以内に参議院が議決しなかった場合、衆議院の議決が国会の議決になる。
内閣総理大臣の指名 参議院が衆議院と異なった議決をして両院協議会でも意見が一致しなかった場合、または衆議院議決案の受領後10日以内に参議院が議決しなかった場合、衆議院の議決が国会の議決になる。
内閣不信任決議 衆議院にのみ認められている。
予算の先議 衆議院が予算を先に審議できる。

 

 

じゃあ前置きはこれくらいにして、ここからは過半数・安定多数・絶対安定多数の違いについてくわしく説明します!

 

 

過半数・安定多数・絶対安定多数の違い

過半数とは?

過半数ってのはそのままの意味で、「衆議院の議席の過半数(半分よりも多い数)ってことです。

 

衆議院で議席の過半数を確保すれば、とりあえず国会の本会議ではそれなりに影響力を発揮できるわけですね。

特に内閣総理大臣の指名が大事。議席の過半数を確保した政党は、自分の政党から内閣総理大臣を出すことができます。

 

 

ってことで、各政党は衆議院で議席の過半数をゲットすることをまずは目指します

でも、衆議院の議席の過半数をゲットするだけでは、実は安心できないんです。

 

 

委員会中心主義

というのも、国会の本会議で審議する前に、衆議院と参議院の中に設けられた委員会で審議しなきゃいけないからです。本会議で影響力を確保するだけじゃダメなんです。

 

 

学校でも生徒総会ってのがありますよね。あの生徒総会が国会の本会議にあたります。

んで、生徒総会で話し合われる内容って、実は委員会で先に話し合われているじゃないですか。美化委員会とか給食委員会とかの、細かくて専門的な委員会で。

国会もそれと同じです。まずは少人数のメンバーで構成される委員会で審議されてから、その後に本会議で審議されるんです。

 

衆議院の常任委員会の種類(全17委員会)
  • 内閣委員会(40人)
  • 総務委員会(40人)
  • 法務委員会(35人)
  • 外務委員会(30人)
  • 財務金融委員会(40人)
  • 文部科学委員会(40人)
  • 厚生労働委員会(45人)
  • 農林水産委員会(40人)
  • 経済産業委員会(40人)
  • 国土交通委員会(45人)
  • 環境委員会(30人)
  • 安全保障委員会(30人)
  • 国家基本政策委員会(30人)
  • 予算委員会(50人)
  • 決算行政監視委員会(40人)
  • 議院運営委員会(25人)
  • 懲罰委員会(20人)

 

 

これらの委員会でガッツリ議論して、「本会議に回してOKだよ」ってなった議案しか本会議には回ってこない…という仕組みになっています

 

だから政党は議席の過半数を握ればOKってわけじゃなく、各委員会でも影響力を確保する必要があるわけです。

 

委員会での議決方法

・委員は会派の所属議員数に比例して会派ごとに割り当てられる

※会派=議院内で活動を共にしようとする議員のグループ

・委員の中から委員長を選ぶ

※各議院で選挙して決めるので、衆議院で過半数をゲットしていれば自分の政党から各委員長を出せる

・委員の過半数の賛成で可決

※賛成と反対が同数の時は、委員長の判断で決める(委員長決裁)

 

※ちなみに、委員会でガッツリ審議をした後に本会議に回されるので、本会議は出来レースというか、、、やることがないというか、、、まあつまらないんです。だから国会議員が寝ちゃったりします(まあ生徒総会も出来レースでやることがなくてつまらないから生徒は寝ていますよね。それと同じです)。

 

 

安定多数

安定多数ってのは、すべての委員会で

  • 委員長
  • 委員の半数

を確保できる衆議院の議席数のことを言います!

 

自分の政党から委員長を出して、かつ委員の半数も出せれば、賛成反対が同数になった場合でも、委員長の判断で自分の政党寄りの決定をできるわけです。安定ですよね。

 

くわしい計算方法

例えば3つの委員会があって、それぞれの委員会の定数(人数)が35、25、20だったとします。それぞれの委員会に衆議院議員が割り振られます。

で、会派の議員数に比例して会派ごとに割り振られることになります。例えば自由民主党のA会派が衆議院の議席の20%を占めていたら、各委員会には20%ずつの人数が割り振られるっていうことです。

 

んで、安定多数の話ですが、、、

それぞれの委員会の定数から委員長の分を引きます(←委員長は衆議院で選挙して決めるので、衆議院で過半数を確保した政党は、自分の政党から委員長を出すことができる)

んで、定数から委員長を引いた数の半分にします。

 

 

この数の委員を確保することができれば、委員会を牛耳ることができますよね。委員会で審議されている議題について賛成と反対が半々になったとしても、委員長の判断で可決することができるからです。

 

委員長と委員の半数を確保できる衆議院の議席数が「安定多数」です。

 

じゃあ何%の議席数が必要なのか?というと、、、

委員の半数と議長の数を足した合計を、委員会の定数の合計で割って、100をかければOKです。

この例の場合で計算してみると、51%でした。つまり安定多数の議席数は51%の議席数ってことです。

 

 

絶対安定多数

絶対安定多数ってのは、すべての委員会で

  • 委員長
  • 委員の過半数

を確保できる衆議院の議席数のことを言います!

 

自分の政党から委員の過半数を出せれば、絶対に自分の政党寄りの決定をできるわけです。絶対安定ですよね。

 

くわしい計算方法

じゃあ何%の議席数が必要なのか?というと、、、

 

委員の過半数ギリギリの数字を出して、その数字に議長の数を足します。

この合計を、委員会の定数の合計で割って、100をかければOKです。

この例の場合で計算してみると、55%でした。つまり絶対安定多数の議席数は55%の議席数ってことです。

 

 

圧倒的多数

ちなみに、法律案の議決に関しては、

参議院が衆議院と異なった議決をした場合、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再可決すれば、法律が成立

っていうことになっています。

なので、衆議院で3分の2以上の議席を確保すれば、基本的にはどんな法律案でも可決できるようになるわけです。このような議席数のことを圧倒的多数と言います。

 

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