基本的人権についてざっくりまとめました!
なぜ基本的人権が必要なのか?
人間は他者を蔑ろにする
(例)
- 侮辱
- いじめ
- 暴力
- 虐待
- 搾取
- 差別
- 奴隷
人間は社会の中で弱い立場に立つことがある
(例)
- 子供
- 窮乏
- 障害者
- 高齢者
最低ラインを決める
つまり、人間は他者から蔑ろにされたり社会の中で弱い立場に立ったりして、過酷な生き方(人間らしくない生き方)をしなければいけなくなることがある。
それを「仕方ないよね。そういうこともあるよね!」って諦めるのではなく、「人間は誰でも”人間らしい”生き方をすることができるんだ!」って宣言・約束しあってできたのが基本的人権という概念。
日本国憲法で保障されている基本的人権
日本では、日本国憲法のもとで次のような基本的人権が保障されている。
※日本というグループに属している人々は、お互いに次のような人権を保障することを約束しあったっていうこと。
平等権 | すべての人間が等しく扱われるための権利 |
自由権 | 自由に生きるための権利 |
社会権 | 人間らしく生きるための権利 |
参政権 | 政治に参加し人権保障を確実にするための権利 |
請求権 | 権利や自由の侵害を救済するための権利 |
第三章 国民の権利及び義務(第十条〜第四十条)
第十一条
国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
第九十七条
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
人権は必ずぶつかる
しかし、お互いに約束しあったとしても人が2人以上いれば人権は必ずぶつかる。そのままにしておくと、どちらかの人権が侵害されてしまう。
(例)
- Aくん「窓側の一番後ろの席に座りたい!」
- Bくん「窓側の一番後ろの席に座りたい!」
→両者の欲求を同時に満たすことはできない
→窓側の一番後ろの席に座れなかった人は自分の自由を阻害されたことになる
人権の限界
そこで「人権には限界がある」ということもお互い宣言・約束しあう必要が出てくる。
↓
公共の福祉(public welfare:社会全体の利益)による人権の制限
=ルールを設けて、お互いに妥協して、歩み寄る!
人権は「常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」
自由・権利は「公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」
第十二条
この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
第十三条
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
外国人にも日本国憲法の基本的人権が保障されるのか?
準備中
基本的人権の範囲はグループ(国)によって異なる
基本的人権はグループに属する人々がお互いに宣言・約束しあったものなので、グループが異なれば基本的人権の内容も異なることがある。
「えー、この国って女性はむやみに外出しちゃいけないの?自由じゃないじゃん!」みたいなことを思ったことがあるはず。
(例)
- 南アフリカの人種差別問題
- パレスチナでの人権問題
論点
・他国の人権のことを批判してもいいのか?(どんなグループであれ「人間」なら必ず保障される人権は存在するのか?)
・「人間」なら必ず保障される人権があり、他国がそれを侵害している場合、外部の人はどのようにアプローチすればいいのか?
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