日本史

沖縄の歴史を東大卒元社会科教員が簡単にわかりやすく解説

首里城火災を機に元社会科教員が沖縄の歴史を簡単にわかりやすく解説

 

本記事では沖縄の歴史についてざっくり説明します!

本記事の内容

  • 首里城とは
  • 琉球王国とは
  • 沖縄の歴史

 

望岡 慶
望岡 慶
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首里城って何?

2019年10月31日、沖縄の首里城で火災が起きました。

 

首里城火災を機に元社会科教員が沖縄の歴史を簡単にわかりやすく解説

首里城とは、琉球王国の王家の城のことです。

 

琉球王国の王様が、この首里城に住んでいた…ってこと。

 

 

【沖縄の歴史】琉球王国って何?

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琉球王国とは、1429年に尚巴志が3つの勢力を統一したことによってできた王国のこと。

 

 

琉球王国はどうやってできたのか?

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沖縄島では、グスク(城)と呼ばれる基地のようなものを拠点にして、按司(あじ)と呼ばれる豪族が抗争をくりひろげていました。

 

そして14世紀後半、沖縄は

  • 北山(山北)
  • 中山
  • 南山(山南)

3つの勢力に分かれることに。

  • 今帰仁城(なきじんぐすく):北山王の居城
  • 首里城:中山王の居城
  • 南山城:南山王の居城

 

で、1429年に中山王の尚巴志(しょうはし)琉球を統一して、琉球王国をたてました。

 

 

琉球王国はどんな国だったのか?

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琉球王国は首里に王が住む場所を作って、貿易港である那覇を拠点にして中継貿易(なかつぎ ぼうえき)で発展しました。

 

中継貿易とは、簡単に言うと「転売」のことです。

 

琉球王国は中国にも、日本にも、東南アジアにも近い…ということで「東アジアのヘソ」と言われていました。

その場所の優位性を活かして、各地から集めた物産を転売して稼ぎまくっていたわけです。

 

当時、東アジアの中心だった中国(明)にしたがっていて、琉球王国は中国から優遇されたことも大きかったです。

 

琉球王国は中国に服属していた。

 

 

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江戸時代になると、琉球王国は日本の薩摩藩に攻められて、薩摩藩(島津氏)にもしたがうことになりました。

ただ、幕府は琉球王国を異国と位置づけて、表向きは尚氏を国王とする「独立国」ということにしました。

 

つまり、琉球王国は中国にしたがいつつ、実は日本の薩摩藩にもしたがう…という「日中両属」の状態になったのです。

江戸時代以降、琉球王国は日中両属状態になった。

 

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【沖縄の歴史】いつから「沖縄」になったの?

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では、そんな琉球王国はどのように「沖縄」になったのか?です。

 

 

琉球処分

1879年に日本が半ば無理やり、琉球王国を併合しました。

 

 

ペリーとかが日本にやってきた時代。

欧米諸国が日本に接近してくる中で、日本も「欧米の近代のルール」の中に入っていくことになりました。

 

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「欧米の近代のルール」では、国境があいまいなのはダメ。

 

現代のように、国境をしっかりと引くことが求められたのです。(これ以前は、実は国境はあいまいだった。どこまでが「自分の国」なのかがよく分からない…という世界だった。)

関連:欧米流じゃなくてアジア流の国際関係の中にいた

 

 

当然、琉球王国のように「日本にもしたがっているし、中国にもしたがっている」というのはNG

 

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というわけで、日本は国境をしっかりと引こうとがんばったのです。

 

1872年、琉球の「最後の」国王である尚泰(しょうたい)を琉球藩王にすることで、琉球王国を日本のものにしようとしました。

そして1879年、琉球を併合し、沖縄県の設置を強行。

 

国王の尚泰は首里城を日本に明け渡して、東京へ移住することを強制されたのです。

 

 

もちろん、中国は反発しました。

琉球をめぐって中国と日本は対立しましたが、1894年から始まった日清戦争で日本が勝ち、下関条約で台湾が中国から日本のものになったことで、「琉球は中国のものか?日本のものか?」問題は決着がつきました。

 

台湾が日本のものなら、台湾と日本にはさまれている琉球も、日本のものでしょ

ってことです。

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【沖縄の歴史】日本に編入された後

戦後恐慌と沖縄

第一次世界大戦後に日本で恐慌が相次いで起こる中で、人口の7割を農民が占めた沖縄の経済もソテツ地獄といわれる窮状に陥りました。

 

 

国策移民

1936年、政府の20ヵ年100万戸移民計画により満蒙開拓移民がスタート。

(目的)

  • 日本の農村での人口過剰を解消する
  • 満州の治安を維持する

 

沖縄(琉球)でも、沖縄県の奨励や南洋興発株式会社の募集などにより多くの南洋移民が送り出されました。

 

 

しかし、、、

 

 

1944には南洋諸島が戦場の最前線になります。

高齢者や子供などの引き揚げが始まったが、その際に多くの船が撃沈されることになりました。また、現地住民や島に残された移民の人々も戦闘に巻き込まれ、多くの人が亡くなりました(玉砕・餓死・自殺)

犠牲者の多くは沖縄出身者です。

 

 

皇民化政策

軍国主義の高まりとともに、皇国臣民であることを証明する政策として、沖縄では標準語の奨励や風俗改良運動が強化されました(強制的なやり方)

 

 

太平洋戦争

サイパン陥落後、沖縄守備軍は増強され、飛行場建設や陣地構築に一般住民や男女の学徒も動員されます。

 

 

10・10空襲

 

1944年10月10日、いよいよ南西諸島は米機動部隊の猛烈な空襲を受けました。

※この空襲の際、米軍は沖縄攻略のための航空写真を撮影

 

 

大規模な空襲が行われ、いずれ米軍が沖縄に上陸してくることが予想されたため、疎開希望者が急増(→1945年3月までに約7万人が九州や台湾に疎開)

※疎開は主に子供や高齢者が対象。働ける年齢の人が疎開するのは条件が厳しく困難だった。

 

 

沖縄戦

 

1945年4月に米軍が沖縄に上陸し、日米両軍の激しい攻防戦をスタート。

沖縄は「本土防衛の最前線」に位置づけられ、来たる本土決戦に備えるための時間稼ぎとして沖縄戦が展開された。

 

 

住民を巻き込む形で戦闘が行われ、多くの非戦闘員が犠牲に。

沖縄にある自然の鍾乳洞(ガマ)が避難場所になった(←地下水がある)

 

 

 

日本軍は住民の口から機密が漏れるのを防ぐため、米軍に投降することを許さなかった。

まさに地獄。

  • 乳幼児虐殺
  • 朝鮮人の虐殺
  • 日本軍による食糧強奪
  • 生徒の戦闘動員
  • 傷病兵の遺棄
  • 青酸カリ処置

 

 

そして敗戦・・・

 

 

【沖縄の歴史】アメリカに支配されたの?

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沖縄は、1945年から1972年までアメリカに支配されました。

 

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敗戦後、日本が連合国に占領される中で、沖縄はアメリカの支配下におかれたのです。

 

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1952年、サンフランシスコ平和条約によって日本は独立を回復しましたが、その後も沖縄はアメリカに占領されたままでした。

 

沖縄は「良い場所」にあるので、アメリカにとっても重要な戦略拠点だったのです。

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【沖縄の歴史】沖縄はいつ日本に復帰したの?

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ですが、1972年に沖縄は日本に復帰することになりました(沖縄返還)。

 

沖縄で、「日本に復帰しよう!」っていう祖国復帰運動が高まったからです。

 

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そして何より大きかったのは、ベトナム戦争

ベトナム戦争でアメリカは無差別爆撃をしてしまって、世界から大批判されました。

そのベトナム戦争への出撃拠点として使われたのが沖縄だったので、沖縄の人々の反米感情がものすごく高まったのです。

 

そんなわけで、1972年にようやく沖縄がアメリカから日本に返還されました。

 

ですが、沖縄住民が求めていた「基地の返還」(沖縄からアメリカ軍基地をなくすこと)は実現されず…そして、今にいたります。

 

 

まとめ

首里城火災を機に元社会科教員が沖縄の歴史を簡単にわかりやすく解説

 

望岡 慶
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最後までお読みいただきありがとうございました!

 

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関連:高校日本史Bの参考書・問題集を東大卒元教員が紹介【大学受験にもおすすめ】

関連:日本の歴史の漫画を東大卒元教員が比較して紹介

 

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