この記事では
- 高度経済成長とは?
- 高度経済成長の背景
- 高度経済成長の影響
について説明します!
この記事の信頼性
僕(もちお)は、元社会科教員。
- 日本史についてそれなりにくわしい。
僕(もちお)は、東大入試で日本史を選択。
- 日本史についてそれなりにくわしい。
高度経済成長とは?
日本の驚異的な経済成長のこと。
いつ?:1955年から1973年まで
どんな時代?:国民総生産(GNP)が年平均10%成長し続けた
1955〜65年:第一次高度経済成長
家電製品を中心とした内需主導の経済成長
※三種の神器=電気冷蔵庫、電気洗濯機、テレビ
背景
労働改革や農地改革→国民の所得水準が向上した
- 神武景気(1955〜57)
- 岩戸景気(1958〜61)
- オリンピック景気(1963〜64)
1965〜71年:第二次高度経済成長
外需主導の経済成長(←家電製品などが国民に十分行き渡った)
- いざなぎ景気(1965〜70)
高度経済成長の背景
①高貯蓄率
日本では国民が貯蓄に努める傾向が強く、それが政府や民間の資金となった。
※郵便貯金や銀行預金は政府や民間の事業に投資されるので
②高教育水準
日本は教育水準が高く、技術革新が進みやすかった。
③エネルギー革命
中東の大油田の開発が進み、エネルギー革命が起きた結果、安価な石油を大量に輸入できた。
※アメリカ・イギリス系の国際石油会社がペルシャ湾岸の産油国の採掘と流通を独占していた(→だから安価な石油を確保できた)
高度経済成長の影響
①中流意識
国民の所得が増え、くらしが便利になり、「人並み」の生活をしているという中流意識が強まった。
※三種の神器=電気冷蔵庫、電気洗濯機、テレビ
※3C=カラーテレビ、クーラー、自家用車
②政治的安定
国民が生活が豊かになったことを実感し、今後の経済成長を期待したため、自民党政権が長期化することになった。
※「政治の季節」から「経済の季節」へ
③公害問題
大気汚染や水質汚濁などの公害問題が深刻化した。
→1967 公害対策基本法、1971 環境庁
④国民総生産
国民総生産が資本主義国のなかで第2位になった。
高度経済成長の終焉
しかし1973年、第四次中東戦争をきっかけにアラブ産油国が石油戦略を発動すると、石油価格が大幅に上昇した(石油危機)。
↓
この結果、石油依存・エネルギー多消費型で経済成長を遂げてきた日本は打撃を受け、1974年に経済成長率が戦後初めてマイナスを記録した。
こうして高度経済成長は終了!その後は安定成長の時代へ…。
高度経済成長を推進した自民党政権
池田勇人内閣(1960.7〜1964.11)
政治の季節から経済の季節への移行に成功
- 所得倍増計画
- 1964 東京オリンピック後に退陣
佐藤栄作内閣(1964.11〜1972.7)
- 非核三原則
- 1972 沖縄復帰後に退陣
田中角栄内閣(1972.7〜1974.12)
- 日中国交正常化(日中共同声明)
- 石油危機後のパニックと金脈問題により退陣
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