
この前シンガポールに行きました。その際、シンガポールについてあれこれ調べてみたら「シンガポールの教育制度ってなんて残酷なんだろう…!」って思ったので、そのことについて書いておきたいと思います。
シンガポールの教育システム

引用:シンガポール教育省(MOE):Education System
すごく複雑なシステムなんですけど、モチオカ流に超ざっくりまとめるとこんな感じ↓
・小学校卒業時に初等教育終了試験(PSLE)がある
→その成績によってコースが振り分けられる
・成績優秀者には早い段階から英才教育が施される(←強制的ではない)
・中学校卒業時に試験がある
→その成績によって大学進学を目指すコースか、工専や職業訓練校へと振り分けられる
・上位のコースに進まなかった生徒でも、条件を達成すれば「敗者復活」できるチャンスがある
・スポーツや芸術分野に秀でた生徒向けのコースもある
ね、すごいでしょ。残酷でしょ。子供の時期からむっちゃ明確に振り分けられるシステムなんですよ。
あるレベルに達していなかったらその時点で道が閉ざされてしまうわけです。「まだ本気出してないし」とか言ってられないわけです。
将来のために”今”頑張らざるを得ない。努力を先送りできない。
そして自分の能力と努力の質・量によってコースが振り分けられてしまうので、自分の能力・努力を直視せざるを得ない。自分の能力の限界と向き合わなければいけないわけです。
ものすごく残酷なシステムです。
※ちなみに「ストリーミング制」と呼ばれるシンガポールのこの教育システムは、子供に与えるプレッシャーが大きすぎる!ってことで2024年から4年かけて段階的に廃止されることになったそうです。んで、「一人一人に合った教育をおこなって、個人別に特徴を伸ばしていこう!」っていう改革がなされているようです。さすがシンガポール
日本の教育システム
一方、我が国の教育システムは?というと、、、
たいして頑張らなくても「まだ自分の可能性は無限大」って感じられるコース(=普通科)に進学できます。とりあえず「中卒」「高卒」「大卒」っていう”みんなと同じステータス”を結構楽にゲットできる。
もちろんそこには偏差値にもとづく学歴(高学歴〜低学歴)の区別はあります。でも日本ではありがたいことに「学歴って意味ないよね」みたいな風潮が広がっているので、とりあえず卒業していればOKって感じ。
究極、就活さえ必死に頑張ればいくらでも挽回できたりもする。
頑張らない人に優しいシステムです(←本当は全然優しくないんだけど・・・)。
人のせいにできる幸せ
世の中にはいろんな人がいます。中には「自分の力を伸ばすこと」よりも「自分の力が伸びないことを他人のせいにすること」の方が大事だ!って思っている人がいます。
学校の授業で居眠りする時。本当はただ「頑張りたくない」だけなのに、そんな自分に目を向けず(もしくはそんな自分に気づいているからこそ)こう言う人がいます。
「私が授業で寝るのは、学校の先生の授業がわかりにくいからだ」「学校教育が悪いんだ」
こういう子供、日本に結構いる気がしませんか。っていうか、子供と一緒になって主張する保護者すらいます。そんなこと言っても何も解決しないでしょ・・・って感じではあるのですが、彼らは「人のせい」「教員のせい」「学校のせい」にすることがクールだと思っているっぽいです。
でも、たぶんその方がいいんです。人のせいにできた方が、自分の限界を直視せずに済み、自己肯定感が損なわれずに済むからです。
自分と向き合わず、振り分けテストによる定期的なフィードバックを受けず、、、能力を伸ばすことよりも「卒業」することに重きを置く。
うまくいかないことはすべて人のせい、国のせいにしちゃえばいいんです。
★★★
ってことで、シンガポールみたいな残酷な教育システムじゃなくて、こういう教育システムが理想なのかもって思いました↓
・みんなで一緒に同じ内容を同じペースで学習する
・ほとんどの人が普通科に進学する
・一定の学力を身につけていなくても4月になったら進級できる
・一定の学力を身につけていなくても卒業証書をもらえる
・自分の適性を見極めないまま就職する
こういうシステムなら、自分の力が伸びなかった時に、自分のせいにせずに済みます。っていうか、そこまで頑張らなくても「中卒」「高卒」「大卒」のステータスをゲットできます。大人になって「自分が望む生き方をできていないなー」って思った時は「学校教育が悪い」って言えばいい。
こうすればみんな幸せになるはず。今の日本みたいに・・・
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https://www.youtube.com/watch?v=8q-ZWqvSb0M
いつもYoutubeで勉強させて頂いております。本当に分かりやすくありがたいです。
シンガポールの教育制度は「勉強できない人が勉強に時間をつかうことは非効率である」という考えの基に作られています。これだけみると残酷ですよね。
しかし、この考え方には理由があります。それは「結局勉強に何年も費やして何も得ることが出来ずに就職も出来ないより、早期から職業訓練を積んで手に職をつけよう」という考え方です。
私はシンガポールに住んでいましたが、職業訓練を積んだ方も幸せそうに生きていました。ホームレスも見たことがありません。
そのような考え方もあるということを記載したくコメントさせて頂きました。
なお私自身は全員が大学に行って学問をする必要はなく、人によっては職業訓練を積んでビジネスで活躍する道を選ぶ方が良いと思っています。「職業訓練」というと少し偏見がありますが、全く使えない新卒を量産するよりはいいかと思います。