幕府って何なのかイマイチよくわからなかったりしますよね。
急に鎌倉幕府、室町幕府っていうのが出てきて、急に天皇の存在感が薄れる感じ。イマイチよくわからないまま、とりあえず「幕府っていうのができたのかー」って流してしまいがちですが…
そうなると日本の歴史についてよくわからないままになってしまうので、幕府って何なのか?について説明します!
この記事の信頼性
僕(もちお)は、元社会科教員。
- 日本史についてそれなりにくわしい。
僕(もちお)は、東大入試で日本史を選択。
- 日本史についてそれなりにくわしい。
幕府とは?
まず、日本のトップの人は天皇です。
これは幕府が登場する前から変わっていません。
ただ、その天皇が日本全国を支配する・まとめるのが難しくなってしまった。
社会の安定にはパワーが必要
日本に住んでいる人、一人一人からすると、生きていくためには食べ物を確保することが重要です。例えばお米。
つまり、お米を作ることのできる土地っていうのは、富の基盤として、人間にとってすごく重要なものだった。
だから、人間は土地を守りたいんです。
ただ、人間はいろんな人がいます。
なかには土地を実力で奪おうとしてくるヤツもいるわけです。
これを聞くと、そんなヤツがいるなんてヒドイ!って思うかもしれません。
が、もし自分が食べ物を全くゲットできなくなって死にそうになって、そのまま死ぬか、誰かの土地を奪って生き延びるか、っていう選択に迫られたら、どうですか。誰かの土地を奪って生き延びようって思う人が多い気がしませんか。
人間は欲望のカタマリですから、富をゲットしようと思うのは当たり前だし、仕方ないことなんです。
じゃあ、どうするか?です
そういうルール違反みたいなことが起きた時にどうするか?もしくは、そういうルール違反みたいなことが起きないようにするためにはどうしたらいいか?
これらが重要になります。
そういう時は、やっぱりパワーが必要です。
法律(ルール)を作ったとしても、その法律(ルール)を破った時になんの罰もなかったら、ルールを守らないのが人間ですよね。
結局、いろんな人間がいる社会が平和に穏やかにまとまるためには、パワーってのが必要なんです。
学校でも、荒れないクラスって先生のパワーが強かったりしますよね。もちろん、生徒がみんな優しい心を持っていて、思いやりがあって、みんなで作ったルールをみんなが守れればクラスは荒れません。
ですが、人間はいろんな人がいて、ルールを破る人もいるし、誰かをいじめようとする人もいるのが現実じゃないですか。
それに、誰も悪者はいなくて、どっちも正しいからこそ対立しちゃう、みたいなことだってあります。
そんな時に、クラスっていう社会は荒れる可能性があるんですけど、そのクラスの先生がパワーを持っていたりすると、平和が保たれたりしますよね。
まあ簡単に言うと、先生がいつもピストルを持っていて、ルール違反した生徒に、、、とかだったら、ルール違反ってまあ起きないっていうことです。
長々説明しちゃったんですけど、何が言いたいかというと、社会の安定にはパワーが必要になることが多いっていうことです。
パワーのことを、暴力装置って表現することもあります。
天皇はパワーではなくオーラを持っている
じゃあ日本のトップである天皇はパワー(暴力装置)を持っていたか?
持ってないんです。
天皇が持っているのは、「すげええええ」って感じちゃう、オーラです。「日本のトップだ!」っていうオーラです。権威とも言います。
だから、パワーを持っていない天皇は、富の基盤である土地を守ってあげることができない。
守ってあげるような仕組みを整えることができなかったんです。
武士がパワーを持った
じゃあ、パワーを持っていたのは誰か?っていうと、それが武士なんですね。
わかりやすいですよね。あいつら、人を殺す力を持っているんです。むっちゃパワーを持っているじゃないですか。
このような、パワーを持った存在、軍隊が政治を行うようになると、そのような政治のあり方のことを軍事政権って呼ぶようになります。
幕府って、軍事政権なんです。
例えば、今の日本で自衛隊の人が内閣総理大臣になって政治を行い始めたら、軍事政権です。(日本国憲法で禁止されているので、憲法が機能していれば、ありえないけど)
話を戻します。
天皇が武士に社会を安定させる仕事を任せた
天皇は、「すげええええ」っていうオーラを持った存在で、日本のトップであることは間違いないです。
が、土地を守ってあげる力を持っているわけじゃないし、仕組みも機能していないので、社会が不安定になる可能性がある。
一方、武士は社会を安定させられるパワーを持っている。
そこで、天皇は武士に社会を安定させる仕事を任せるようになります。
そうしてでき上がったのが、武家政権、鎌倉幕府です。
学校でイメージするとわかりやすいと思います!
学校でイメージすると、こんな感じです。
荒れている学年があります。校長先生は、その学年をまとめることができない。(当然、校長のもとで働く先生も)
学年の中にいるナイフとかピストルとかをジャラジャラ腰にぶら下げた強い生徒が、校長のもとに行って、「俺たちに任せてください」って言う。
校長先生は、その生徒を「将軍」に任命して、学年のことを任せた。
将軍になった生徒は「あの校長先生から将軍って認められたんたぜ」っていうことを根拠にして、学年をまとめていく。
※もし校長からの任命なしに「俺についてこい!」って言ったところで、周りからしたら「は?」って感じなわけですよ。だから、強い生徒(将軍)にとって、校長先生(朝廷)とつながりを持っておく、っていうことが不可欠。
まあこんなイメージです。(あくまでイメージ)
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