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江戸幕府の農民統制について東大卒の元社会科教員がわかりやすく解説【日本史35-2】

【日本の歴史35-2】江戸幕府の農民統制について東大卒の元社会科教員がわかりやすく解説

江戸幕府にとって百姓(農民)はものすごく重要な存在で、江戸幕府は農民なしには成り立たないシステムでした。

んで、農民は被支配者身分だったので、支配者身分である武士によってむちゃくちゃ苦しめられていた…って昔は考えられていたっぽいのですが、実はそんなことはなかったようです。

 

ってことで今回は

  • 江戸幕府にとって百姓(農民)がなんで重要だったのか?
  • 江戸幕府は百姓(農民)にどのように接したのか?

について話をします。

 

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百姓(農民)は江戸幕府にとって重要な存在

 

まず、江戸幕府にとって百姓(農民)がなんで重要だったのか?というと、

 

【日本史35-2】江戸幕府の農民統制について東大卒の元社会科教員がわかりやすく解説

人間が生きていくには食べ物が必須で、その食べ物を生産しているのが百姓だからです。彼らにちゃんと農作物を作ってもらわないと、支配者身分である武士も生きて行くことができないわけです。

 

【日本史35-2】江戸幕府の農民統制について東大卒の元社会科教員がわかりやすく解説

また、百姓が作っている米は、農作物であると同時に様々な価値の基準として使われていました。

  • 大名や旗本の領地の価値を米の生産力で表したり
  • 百姓が納める年貢の量を土地の価値(米の生産力)をもとにして計算したり

です。

全国の土地の価値を米の生産力で表す仕組みのことを石高制と言って、この石高制が江戸幕府のベースになっていました。百姓が作っている米が社会を支えていたわけです。この意味でも、江戸幕府にとって百姓は重要な存在でした。

【日本史】石高制とは(太閤検地とは)

 

【日本史35-2】江戸幕府の農民統制について東大卒の元社会科教員がわかりやすく解説

そして、武士にとって米は単なる食べ物であるのと同時に、生活に必要なお金を得るための手段でもありました。

村にいる百姓は、その土地を支配している武士に対して年貢を納めます。土地を持たない武士は将軍や大名から俸禄米(いわゆる給料)をもらいます。

 

【日本史35-2】江戸幕府の農民統制について東大卒の元社会科教員がわかりやすく解説

こうして受け取った米を換金してもらったり販売したりして、武士は貨幣をゲットするわけです。そしてその貨幣を使って、都市に住んでいる武士は生活に必要なものを手に入れるんです。

 

 

【日本史35-2】江戸幕府の農民統制について東大卒の元社会科教員がわかりやすく解説

こんな感じで、江戸時代の幕藩体制はお米の生産(農業生産)の上に成り立っていました。なので、そのお米を生産する百姓は江戸幕府にとってものすごく重要な存在だったのです。

 

 

江戸幕府の農民統制

【日本史35-2】江戸幕府の農民統制について東大卒の元社会科教員がわかりやすく解説

このように農民は江戸幕府にとって超重要な存在なので、江戸幕府は農民を統制(コントロール)しようとしました。このことを江戸幕府の農民統制って言います。(※百姓統制じゃなくて農民統制って呼ぶのが一般的)

 

 

でも、支配者身分の武士は、人口の約7%でした。それだけしかいない武士が約85%もいる百姓をガチガチにコントロールするのは難しいですよね。学校の教員が、全校生徒を細かく管理するのは難しいのと同じです。

 

 

百姓の自治

【日本の歴史35-2】江戸幕府の農民統制について東大卒の元社会科教員がわかりやすく解説

じゃあどうするか?というと、百姓(農民)に自治をさせるんです。自治っていうのは、「自分たちに関することは自分たちでやる」っていう意味。「村のことは任せるから、その代わりにしっかりと年貢は納めてね」って感じです。

これすごく大事で、ある集団をコントロールしようと思ったら、ガチガチにコントロールするよりもその集団に自治をさせた方がうまくいくことが多いんです。

 

 

ちなみに、百姓には2種類のタイプがあります。

 

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  • 土地を持つ本百姓
  • 土地を持たずに小作(土地を借りて農作業をすること)をする水のみ百姓

 

 

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このうち、土地を持っている本百姓が村の正式なメンバーとして自分の村の運営を行っていました

※有力な本百姓が、名主・組頭・百姓代っていう村の役人(=村方三役)になって、村方三役を中心に自治を行う

※検地帳に登録された本百姓のみ年貢納入の義務がある

 

 

で、村で自治が行われていたことの具体例がこちら。

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  • 村掟:村のルール
  • 村八分:村掟に違反した人への処罰で、村民との交際を断たせる
  • 村請制:村全体の責任で、年貢を納めさせる
  • 五人組:犯罪の防止や年貢の納入に連帯責任を負わせる

 

このように、支配者身分である武士は、村の運営を百姓(農民)自身に任せた上で、「しっかり年貢を納めてもらおう!」って考えたわけです。

 

 

江戸幕府は農民の生活を安定させようとした

ただ、農民に自治をさせたからといって、それがイコール「年貢をしっかりと納めてくれる」ことにつながるわけではありません。というのも、農民の生活がグチャグチャになってしまえば、年貢を納めるどころではなくなってしまうからです。

 

だから、江戸幕府は農民の生活を安定させようとしました。で、そのうえで年貢を取ろうとした。

これ、奈良時代の班田収授法と考え方は同じです。奈良時代の律令国家は、人々に田んぼ(口分田)をプレゼントしていました。これは、税をしっかりと納めてもらうために、まず人々の生活を保障しようとしたからでした。

 

生活が安定しているからこそ、人々はちゃんと税を納めることができるんですよね。現代の僕たちも同じです。

 

 

【日本の歴史35-2】江戸幕府の農民統制について東大卒の元社会科教員がわかりやすく解説

ってことで、江戸幕府は年貢確保のために農民の生活を安定させようとしました。農民統制です。農民統制の具体例がこちら。

  • 田畑永代売買の禁止令
  • 田畑勝手作りの禁
  • 分地制限令

 

 

田畑永代売買の禁止令

【日本史35-2】江戸幕府の農民統制について東大卒の元社会科教員がわかりやすく解説

田畑永代売買の禁止令は、「田んぼや畑を買ったり売ったりするなよ」ってことです。

貧乏になって生活が苦しくなった時に、土地を売っちゃう農民が結構いたみたいなんです。確かに、土地を売ればすぐにお金を手に入れることはできますが、結局その場しのぎにしかならなくて、結果的にますます貧乏になってしまう…っていうこともあるわけです。

だから、田んぼや畑を買ったり売ったりするなって言った。土地を売るんじゃなくて、その土地を使って農作物を作る努力をしろよ!それがみんなの幸せにつながるんだよ!(そして年貢を納めろよ)ってことですね。

 

 

田畑勝手作りの禁

【日本史35-2】江戸幕府の農民統制について東大卒の元社会科教員がわかりやすく解説

田畑勝手作りの禁は、「タバコとか木綿とかの商品作物を勝手に作るなよ。米を作れよ。」ってことです。

※商品作物=食べることっていうよりも、売ることを目的とした作物

 

農民がお腹ペコペコになって死んだり、年貢を納められなくなったりしたら困りますからね。売ることを目的とした作物(商品作物)じゃなくてお米を作れよ、っていう指示です。

 

 

分地制限令

【日本史35-2】江戸幕府の農民統制について東大卒の元社会科教員がわかりやすく解説

分地制限令は、「土地を分割相続すると土地がどんどん小さくなって苦しくなるから、分割相続は制限するよ」ってことです。

 

 

本百姓体制を維持し年貢を確保するために農民統制を行った

このほかにも、江戸幕府は生活の細かい部分まであれこれと指示をしたようです。なんとしても農民の生活を安定させよう、農民を餓死させないようにしよう、って思っていたってことだと思います。大切な小さい子供を見守る親みたいなイメージですね。

 

 

【日本の歴史35-2】江戸幕府の農民統制について東大卒の元社会科教員がわかりやすく解説

とにかく、江戸幕府にとって農民はそれくらい重要な存在だったということ。(ムカつく存在だったから、細かいルールで縛ろうとした…っていう訳じゃないです)

 

 

【日本史35-2】江戸幕府の農民統制について東大卒の元社会科教員がわかりやすく解説

大事なのでもう一回言うと、農民統制の目的は、「農民の生活を安定させて年貢を確実に取ること」です。ちょっと難しい言葉で言うと、「江戸幕府は、本百姓体制を維持し年貢を確保するため、農民統制を行った」となります。

 

 

まとめ

  • 農民は農作物という富を生み出す人々なので、江戸幕府にとって農民は重要な存在だった。
  • そこで、支配者身分である武士は、農民の生活を安定させて年貢を確実に取るために、農民に自治をさせつつ農民統制を行った。
  • 農民統制の具体例は、田畑永代売買の禁止令・田畑勝手作りの禁・分地制限令。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

 

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