ロシアの地形
- カフカス山脈:ロシア・グルジア・アゼルバイジャンの国境で、山麓に油田が多い
- ウラル山脈:アジアとヨーロッパの自然的境界、だいたい東経60度
- ヴォルガ川:モスクワ川とモスクワ運河で、ドン川とヴォルガ=ドン運河で結ばれ、黒海・カスピ海・白海・バルト海をつなぐ内陸水路の大動脈を形成
- オビ川
- エニセイ川
- レナ川:金・ダイヤモンドなどの鉱物資源が豊富
- アムール川:中国とロシアの国境河川
- バイカル湖:世界で最も深い湖で、世界有数の透明度
- 東ヨーロッパ平原:ヨーロッパロシアの大部分を占める
- 西シベリア低地
- 中央シベリア高原
- カムチャツカ半島:カムチャツカ半島から千島列島にかけて、好漁場となっている
- オホーツク海:大陸棚の面積が約50%で、水産資源の宝庫
クリミア半島
- セバストポリ港:大規模な不凍港(軍港都市)
融雪洪水
- オビ川、エニセイ川、レナ川は低緯度側の上流部の方が早く雪が融けるので、上流から流れてきた水が高緯度側の下流部で氾濫してしまう(→初夏になると洪水が頻発する)。
永久凍土
シベリアと極東ロシアには永久凍土が広く分布している。
→永久凍土が融けないように高床にした建造物が見られる
永久凍土には大量のメタン(温室効果ガス)が含まれている。そのため、地球温暖化や森林伐採により永久凍土が融解することで、ますます地球温暖化が進むことが懸念されている。
ロシアの気候
ほとんどが冷帯湿潤気候(Df)
北極海沿岸:ツンドラ気候(ET)
黒海北岸から西シベリア:ステップ気候(BS)
極東ロシア:冷帯冬季小雨気候(Dw)
ソ連の解体
1922 ソビエト連邦が成立(15の共和国からなる連邦国家)
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社会主義体制のもと、計画経済にもとづいて工業化を進めた
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- 批判を許さない独裁体制は、特権階級と民衆との不平等な分配を生んだ
- 私有化廃止が生産活動への意欲を低下させた
- 計画経済は指導者の恣意的な言動に左右されて経済的合理性を失った
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1991 ソビエト連邦からバルト3国が分離独立(エストニア、ラトビア、リトアニア)
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ソビエト連邦は解体され、15の共和国はそれぞれ独立国家となった
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バルト3国はEUに加盟
残った12カ国は1991年に独立国家共同体(CIS)を結成
中立の立場
- ウズベキスタン、アゼルバイジャン、トルクメニスタン
ロシア寄り
- カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ベラルーシ、アルメニア
西側寄り
- ポーランド、ラトビア、リトアニア、エストニア、チェコ、ブルガリア、ハンガリー、スロバキア、アルバニア、ルーマニア(、ジョージア、ウクライナ、モルドバ)
ロシアの人口
約1.4億人(2020)
ダーチャ(別荘)
- ロシアに見られる一般市民の大都市郊外の簡素な別荘。週末や夏休みなどに出かける。付属の菜園で野菜や果物を栽培。
旧ソ連の民族
ロシア、ウクライナ、ベラルーシ
- スラブ語族(東方正教)
エストニア
- ウラル語族(プロテスタント)
ラトビア
- インド・ヨーロッパ語族のバルト語派(プロテスタント)
リトアニア
- インド・ヨーロッパ語族のバルト語派(カトリック)
ウズベキスタン、カザフスタン
- アルタイ語族(イスラム教)
旧ソ連の民族問題
ナゴルノ・カラバフ紛争
- アゼルバイジャン共和国内のナゴルノ=カラバフ自治州(←アルメニア人が多く、アルメニアへの帰属を要求)の帰属をめぐってアルメニアとアゼルバイジャンが対立。
チェチェン紛争
- 1991年、ソ連が崩壊するときにチェチェン人が独立を宣言。ロシア政府に認められず。
- チェチェンは石油資源やパイプラインの拠点で、ロシアにとって重要な地域だった。
グルジア紛争(南オセチア自治州)
- カフカス山脈の北斜面側に北オセチア共和国がある。
- カフカス山脈の南側にはグルジア共和国があり、その中に南オセチア自治州がある(ロシア革命後、オセチアが南北に二分され、南オセチアはグルジアに編入された)。
- 南オセチア自治州はロシア連邦への編入を求めている。武力衝突(→多数の難民が北オセチア共和国へ流入)
旧ソ連・ロシアの農業
ソ連
政府の計画にしたがって農業を行い、農産物は政府が管理する価格で買い上げられる
農業の集団化
- コルホーズ(集団農場)
- ソフホーズ(国営農場)
まず地主の土地を小作人に分割し、自営小農民を作り出す→その土地を共有化して集団農場を作る(農機具・家畜・家屋などを共有し、農作物は政府の決めた量を政府の決めた値段で売り渡した。
※計画経済=商品の生産・流通・販売などについて、政府や地方自治体の計画に基づいて運営される経済。
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農民の生産意欲の低下、非効率な集団制農業、自然災害
→農業生産は安定せず
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ソ連解体は農業企業や個人による経営が中心に
寒冷な気候に強い作物の栽培が中心(小麦、ライ麦、大麦、テンサイ、ジャガイモ)
ウクライナ南部から西シベリア:小麦の栽培(←チェルノーゼム)
北極海沿岸・ツンドラ地帯:トナカイの遊牧
バルト海沿岸:酪農
中央アジア:遊牧、綿花栽培
カフカス地方:ブドウ、オレンジ、茶
旧ソ連・ロシアの鉱工業
1917年の革命前のロシア
イギリスやフランスなど外国資本の影響が強かった
- サンクトペテルブルクの軽工業
- モスクワの軽工業
- バクー油田
- ウクライナの鉄鉱石や石炭
ウラル山脈以東のシベリアは未開発
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ソ連
1928年から12次に及ぶ五カ年計画
コンビナート方式の工業地域を各地域に配置(遠く離れた資源を鉄道や水運などで結びつける→あまり効率は良くない)
アメリカとの対立から、軍事産業(重化学工業)が優先された
(例)ウクライナのドニエプルコンビナート、ウラル・クズネツクコンビナート
→生活物資が不足、環境破壊
※計画経済=商品の生産・流通・販売などについて、政府や地方自治体の計画に基づいて運営される経済。
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1985年以後、ペレストロイカ(改革)やグラスノスチ(情報公開)などが進展
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ソ連解体後は民間企業を中心とする市場経済に移行
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2000年代移行、原油や天然ガスの価格が高騰
→エネルギー資源の輸出国として経済発展が進んだ
工業地域
中央工業地域(モスクワ工業地域)
- 繊維・製鉄・機械・食品などの工業が総合的に発達
- モスクワからサンクトペテルブルク
クズネツク工業地域
- クズネツク炭田
- シベリア最大の工業地域
アンガラ=バイカル工業地域
- パルプ工業、アルミニウム工業(←水力・森林資源)
- イルクーツク:シベリア東部における政治・経済・文化の中心地
チュメニ
- 原油・天然ガス(埋蔵量が多く、硫黄分の少ない良質の石油を産出する)
日本海沿岸
- 水産加工業
極東ロシア
- 自然環境が厳しいため、開発が進まず
ドニエプル工業地域
- ウクライナ東部の重化学工業地域
- 鉄鋼業(ドネツ炭田・クリヴォイログ鉄山)
アゼルバイジャン:石油化学工業(バクー油田)
ウズベキスタン:綿工業
カザフスタン:鉄鋼業(カラカンダ炭田)
ロシア周辺の国々
ロシア
キリル文字
自治共和国
- ロシア民族に次いで有力な民族を中心に21の自治共和国を設定。
- 人口のより少ない民族には自治州・自治管区が設定されている。
2000年以後、経済成長が著しい(BRICsの1つ)
バルト海から北海につながるスカゲラク海峡は、NATO加盟国のデンマークとノルウェーの管理下
ウクライナ
首都キエフ
民族:ウクライナ人が大多数、他はロシア人など
チェルノーゼムが広がる穀倉地帯を持つ
石炭・鉄鉱石・水力電気に恵まれる(→ドニエプル工業地域)
チェルノブイリ原子力発電所
ベラルーシ
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参考文献
通信教育
学習漫画・参考書
社会科チャンネル
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