【公民】貿易の基礎知識をわかりやすく

貿易とは
国境を越えてモノやサービスを売買すること。

貿易の主な目的
貿易には主に以下の目的があります。
自給できない物品の確保
自国で生産・確保できない資源や食料などを外部から補う。貿易における基本的な目的です。
比較優位による効率化
自国でも生産できる物品であっても、より安く・得意に生産できる国から輸入し、自国は得意な分野の生産に特化することで、双方の国が豊かになれます。これを「比較優位」と呼び、自由貿易の根本的な理由となっています。
外貨の獲得
輸出によって国際取引の決済手段となる外国通貨を稼ぐ。これも貿易の重要な目的です。
外貨獲得の重要性
貿易により外貨を獲得することは、国家の安全保障や通貨の安定性を確保することにつながります。
将来の輸入に向けた資金の確保
外貨の獲得は、将来的に新たな物品や資源を輸入しなければならなくなった際、その決済のための資金をあらかじめ備えておくという安全保障上の意味を持ちます。

自国通貨の価値の安定(為替介入への備え)
自国の通貨価値が急激に下落(通貨安)した場合、輸入物価の上昇などを通じて国民生活に大きな打撃を与えるリスクがあります。
この際、通貨価値を安定させるために「為替介入」を行う必要がありますが、その原資となるのが保有している外貨(アメリカドルなど)です。
外貨が不足していると適切な為替介入を行うことができず、自国通貨の暴落や為替相場の深刻な混乱を招くことになります。
特にアメリカドルが重要
国際的な取引においては、日本円やユーロなど信用力の高い通貨は直接使える場面もありますが、世界で最も広く流通し、信用力が高い「アメリカドル」が決済通貨として使われるケースが圧倒的に多くなっています。
そのため、ドルを中心とした外貨を十分に保有していないと、外国から必要な資源・資材・食料などを購入(輸入)することが困難になります。
貿易の分類
政府の関与の度合いによる分類
保護貿易
自国産業の保護のため国家が貿易に介入して制限を加える。
(制限方法)
- 関税障壁
- 非関税障壁(数量制限など)
※国際収支が赤字になると台頭する考え方
自由貿易
貿易について国家が統制を行わず、民間の自由取引に任せる。
実際には、自由貿易のルールを完全に守っている国はなく、多かれ少なかれどの国も「自国の利益(産業や雇用)」を優先する保護主義的な側面を持っています。
相手国との関係による分類
水平貿易
先進国と発展途上国との間の貿易。
発展途上国からは原料・食料が輸出され、先進国からは工業製品が輸出される。
垂直貿易
先進国同士の貿易。
貿易の発達の歴史
産業革命+商工業や交通の発達
↓
先進工業国と原料供給国(植民地)の間で物資の移動が活発になった(=国際分業)。
↓
第二次世界大戦前、国内産業を保護するために多くの国が保護貿易政策をとった。
↓
第二次世界大戦後、資本主義国(先進国)を中心に、自由貿易を原則とする貿易の拡大をはかる動きが見られた。
- 1945〜 国際通貨基金(IMF)
- 1947〜1995 関税及び貿易に関する一般協定(GATT)
- 1995〜 世界貿易機関(WTO)
↓
先進国と新興国の思惑が入り乱れ、たくさんの国で話し合いをする世界貿易機関(WTO)は機能しなくなってきた。
(合意形成に全然至らないし、合意形成できても時間がかかりすぎ)
↓
2000年代から、特定の国同士で貿易に関する協定を結ぶ動きが活発化した。
- 自由貿易協定(FTA)
- 経済連携協定(EPA)
(例)
- 2002 日本・シンガポール新時代経済連携協定
- 2008 日本・フィリピン経済連携協定
- 2018 環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定
↓
???
自由貿易を推進していたアメリカが保護貿易に転じたりしてカオス
日本の貿易の変化
1960年代前半まで
- 内需主導型
- 外国から原材料を輸入して国内の工場で加工→国内で消費
1965〜70年代前半
- 外需主導に転換
- 外国から原材料を輸入して国内の工場で加工→外国に輸出
- 大幅な貿易黒字(アメリカは大幅な貿易赤字)
1970年代後半〜1985年
- 石油危機後も外需主導型を継続
- アメリカとの貿易摩擦が深刻化
1985年〜
- 内需主導型
- アメリカに投資し、日本は世界最大の債権国に(←プラザ合意による円高ドル安を利用)
いつも農産物に関する話し合いで揉める。
- 日本の農産物は価格競争力が低い
- 農業が強い国との自由貿易を認めると、日本の農家が駆逐されてしまう
- しかし自民党政権にとって農家は支持基盤だし、食料安全保障的にも農家保護は大事











