日本

学校の教員は増やした方がいいのか?

モチオカ(望岡 慶)

教員の人手不足問題がマジで深刻なので、自分(←元教員)の経験も踏まえて教員の人手不足の解決法を考えてみました。

現役の教員の方々にとってはちょっと刺激的な内容も含まれているかもしれませんが、最後まで読んでいただけるとうれしいです。

学校の教員は本当に忙しい?

まずそもそも本当にそんなに忙しいのか?ですが、確かに忙しいなあー…とは思います。

まあ実際、教員に限らずどの仕事だって忙しいし人手不足だとは思いますが、

公立学校の教員の場合は、忙しくて残業しなきゃいけなくなった時の「マジかよ…きっついわー」っていう精神的負担がより重いんですよ。たぶん(←民間企業で働いたことないから知らんけど)

そう思う理由はこちら↓

⚫︎相手は子供

→マジで“わけわからんこと”が起こる

⚫︎公務員である以上、相手を選べない

→”変な大人”の相手もしなければいけない

⚫︎最近は学校や教員に対する信用が落ちている

(「学校はおかしなところ」「教員は社会に出たことがない甘ちゃん」)

⚫︎公的機関なのでクレームに弱い

←保護者が「どんな要求をしてもいい」って思っている

⚫︎トラブルの発生を予測するのが難しい

→急に残業が発生する→放課後に私的な用事を入れにくい

⚫︎なんの意味があるのかわからない”公務員的”な事務作業や非効率な会議・研修がある

⚫︎残業をしても残業代が発生しない

実際に教員になったことがある人しかわからないと思いますが、精神的にかなり疲弊します。生徒と”普通に”生活する分には楽しいんですけど、トラブった時のシンドさが半端ない。

とはいえ、「教員は普通の社会人からしたら甘えている」説もなくはなさそう…って思ったりもします。

でも、正当な残業代が払われないんだったら文句も言いたくなりますよね。Twitterで愚痴りまくっている教員の気持ちもわからなくはないです。

※残業代がちゃんと支払われる会社員は「自分の給料を上げるためにむしろ残業歓迎!」って感じだったりするので、残業に対する印象が違いそう

※Twitterで「#教師のバトン」っていうハッシュタグのツイートを見ると、具体的な実態がわかります(教員が愚痴ばっかり言っていて生産性が全然ないハッシュタグなので、見ると気が滅入るかもしれないけど…)。

んで、こんな前置きはさておき、

教員の人手不足問題に対してどうすればいいのか!?

についてですが、解決の方向性は大きく分けて2つあります。

①教員の数を増やす

②教員の数が少なくても大丈夫にする

Twitterを見ると①の解決策を望む人が多い印象。

僕自身も教員をやっていた時は「教員の数を増やしてくれよ!」って思っていました。

ですが、教員の数を増やすってのはムリだしナシだなーって、今は思っています。

教員の数を増やすのはムリだしナシ

教員(クビにできない公務員)を増やすほど、お金はない

現役の教員の方々にはほんと申し訳ないのですが、少子化のなか公務員(=クビにするのが極めて困難な職種)の採用を増やすのはお金的な問題で結構きついと思います。

これから子供の数はますます減っていくわけですよ。

それなのに教員を増やしたら、(短期的にはそれで楽になったとしても)のちのち教員が余る可能性がありますよね。余ったら他の地域に転勤させたりクビにできたりするならいいけど、実際にそうなったら嫌でしょ?って思います。

「いやいや!子供の教育はなるべく多くの大人でやるのがいいんだ!」

「教員が余るなんてことはない!多いに越したことはない!」

「日本はもっと教育にお金を投じるべきだ!」

って思うかもしれません。

確かに、なるべく多くの大人が子供の教育に関わった方がいい(=子供はなるべく多くの大人に接した方がいい)とは思うし、日本はもっと教育に予算を注ぎ込むべきだとも思います。

でも僕は、

採用数を増やしたら、能力がそんなに高くない人が増えるだけ

って正直思います。

そもそも、教員になるための試験ってたいして難しくないです(←教員の方々はこの事実を認めるべき)。

それなのに採用数を増やしたら、そんなに仕事ができない教員が増えるだけなんじゃないの?って心配です。

まあ「優秀じゃなくてもいい!とにかく人手が必要なんだ!」ってことなのかもしれませんが、

僕は”たいして仕事ができないけど、クビにもできない公務員”に税金を使ってほしいとは思いません。

もっと費用対効果が高そうな税金の使い方(人手が少なくても質の高い教育を受けられる環境整備への投資)をしてほしいです。

それに、

教員が増えても負担感はたいして減らない

とも思っています。

「教員を増やしてほしい」って言う人って、どれくらい教員を増やしたら「楽になった!よかった!」って思うのでしょうか?

学校1校につき教員が1〜2人増えたとしても、たいして負担感は変わらないですよね?(じゃあ負担が軽くなるレベルまで教員を増やすとしたら、全体でどれだけのお金が必要なんだ?っていう)

40人学級が30人学級になったとしても、大変は大変ですよね。

たとえマンツーマンになったとしても、その生徒の保護者がとんでもないモンスターペアレンツだったらキツイと思います。

「1人の教員が担当する生徒」が少なくなればなるほど、生徒や保護者に深く関与するようになります。

それはそれで結構キツいはず。

もちろん「自分のクラスの生徒」が全員”いい子”だったら大丈夫だと思いますけど、そんなことあります?ないでしょ。

それに、そもそもの話ですが、

教員を増やしても教育水準は上がらない

とも思っています。

子供は自分で学びます。教員に”教えられたから”成長するわけではなく、自分の力で成長していく。教員の介入はそのきっかけの一つでしかありません。

ってことで、教員の数を増やすのはないな!ってのが僕の意見。

じゃあどうすればいいのか、、、?については次の記事に書きました↓

教員の人手不足の解決法を考えてみた

https://social-studies-magazine.com/society-education-teacher-not-enough

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モチオカ ケイ
モチオカ ケイ
社会科コンテンツクリエイター
関東で生まれる → 公立中学校 → 公立高校 → 1年間浪人 → 東大(教育学部) → 東大院(教育学研究科) → 修士課程修了(教育学) → 公立中学校の教員に → 退職 → ブログをがんばる → ?
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