ヨーロッパの工業をわかりやすく:ドイツが強すぎることの何が問題?
モチオカ(望岡 慶)
モチオカの社会科プラス
混合農業について。
耕種(=作物栽培)と畜産(=家畜飼育)を組み合わせて行う農業のこと。
※混合農業における「畜産」には、酪農も含まれる。
上空から見ると、カラフルなモザイク状の農地に見える。
参考:ヨーロッパの農業をわかりやすく:地域差が大きいからこそ・・・
ヨーロッパでは、農地は昔から人々に使われ続け、代々の相続で分割されてきた。そのため、「新大陸」(南北アメリカ、オーストラリア)のように広大な農地があるわけではない。
規模が比較的小さい限られた土地からできるだけ多くの収穫や利益を得るために、土地をムダなく使う工夫が求められた。
ヨーロッパの農民にとって、小麦やライ麦などの穀物は主食として欠かせないものである。同時に、牛や豚などの家畜も、肉や乳、労働力などの面で生活に必要な存在だった。
そのため、広くはない農地の中で、作物の栽培と家畜の飼育を両立させる工夫が必要だった。
畑で育てた牧草や飼料作物は家畜のエサになり、逆に家畜のふんは畑に栄養分をもたらす堆肥になる。
化学肥料がなかった時代、作物の栽培と畜産を組み合わせることによって、畑の力(地力)を保ち続けることができた。
参考:土壌をわかりやすく:なぜ黒っぽい土は農業に適しているのか?【成帯土壌】
ヨーロッパの農家は昔ながらの混合農業から、より収益性の高い「特化型農業」へとシフトしていった。
その背景には、アメリカなどからの安価な穀物の大量流入がある。
そこでヨーロッパの農家は、競争に勝てない穀物ではなく、地域性や付加価値を活かせる農産物にシフトしていくことになった。
酪農(乳製品) | 牛乳やチーズは鮮度が命。長距離輸送が難しいため、地元生産が有利。 |
園芸農業(果物・野菜・花卉) | 痛みやすく、鮮度・品質が重視されるため、地元消費を意識した生産に向いている。 |
集約的畜産(豚・鶏など) | 飼料は輸入に頼るものの、少ない面積でも効率よく育てられるため、小規模農家でも成り立つ。 |
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