モチオカ(望岡 慶)
入管法改正の歴史についてまとめました!
「グローバルスタンダードに合わせよう!」
1951 出入国管理令
ポツダム命令の一つとして成立
日本独立後(1952年以降)も存続=ポツダム命令だけど法律の効力を持つことに
1982 入管法へ
背景
※1975 ベトナムからのボートピープルが千葉港に到着し、一時滞在のみを認めた日本に対して国際社会から圧力がかかった
※所管官庁:法務省
※難民条約は社会保障制度において、外国籍者と自国籍者を同等に扱うことを求めていた(→難民条約への加入後、国籍による制限が徐々に撤廃された)
「ジャパンマインドを持っている人はWelcome!」
背景
- バブル景気の中で安価な労働力需要が高まり、日本の経済界が外国人労働者の受け入れを望んだ
- 特に3K(きつい、汚い、危険)の職場で労働者が不足していた
- 1985 プラザ合意後の円高により日本に出稼ぎに行く価値が高まった
- 非正規滞在者が増大していた(中小企業や日雇い労働の現場へ←日本政府は外国人の単純労働を認めていなかったため)
※高度経済成長期は、農村からの労働力の移入や女性労働力によって労働力需要を満たすことができていた。
1989 入管法改正
主な内容
- 「定住者」の在留資格が創設された(日系3世まで日本で居住できるようになった)
- 「研修」の在留資格が創設された(→1993〜 技能実習制度)
- 専門・技術職の受け入れ範囲の拡大
- 不法就労助長罪が新設された
影響
- 日系ブラジル人や日系ペルー人の入国が容易になった
- 中小企業や日雇い労働の現場で、非正規滞在者ではなく日系人の受け入れが加速した
1997 入管法改正
主な内容
- 集団密航に係る罪の創設
- 営利目的等不法入国援助罪の創設
- 不法入国者等蔵匿・隠避罪の創設
1998 入管法改正
1999 入管法改正
主な内容
- 不法在留罪の創設
- 退去強制された者に係る上陸拒否期間の伸長
- 再入国許可の有効期間の伸長
2001 入管法改正
主な内容
- フーリガン対策等としての上陸拒否事由及び退去強制事由の整備
2004 入管法改正
主な内容
- 在留資格取消制度の創設
- 仮滞在許可制度の創設
- 出国命令制度の創設
- 不法入国罪等の罰則の強化
2005 入管法改正
主な内容
- 人身取引議定書の締結に伴う人身取引等の定義規定の創設等
- 密入国議定書の締結等に伴う罰則・退去強制事由の整備
2006 入管法改正
背景・目的
- テロの未然防止
- 出入国管理の円滑化
- 外国人研究者、外国人情報処理技術者の受入れ
主な内容
- 上陸時における個人識別情報の提供義務付け
- 自動化ゲートの導入
- 一定の要件に該当する外国人研究者及び情報処理技術者を在留資格「特定活動」により受け入れる規定の整備
「人手不足を解消しよう!」
背景
- 日系人のジャパンマインドが期待通りではなかった
- 日系人は定住者で雇用先を変えることができるため、最低賃金労働力としては機能しない
- 景気低迷・デフレマインド→より安い労働力を求めた
- 福祉国家の担い手が必要(高齢化の進展による介護人材の不足)
2009 入管法改正
主な内容
- 在留カード・特別永住者証明書の交付など新たな在留管理制度の導入
- 外国人登録制度の廃止
- 在留資格「技能実習」の創設
- 在留資格「留学」と「就学」の統合
- 不法就労助長罪の過失犯化
- 入国収容所等視察委員会の設置
在留カード
- 外国人の身分証明書(短期の観光などを除く、日本に長期間滞在する人が対象)
- 在留カードの対象となる中長期在留者であれば、住民票に記載され、国民健康保険などの社会保険の対象にもなる
出入国在留管理庁HPより
2014 入管法改正
目的
- 経済のグローバル化の中で、日本経済の発展に寄与する外国人の受入れを促進する
- 日本国内企業において事業の経営・管理活動を行う外国人を広く迎え入れる
主な内容
- 在留資格「高度専門職」の創設
- 船舶観光上陸許可の制度の創設(クルーズ船の外国人乗客が簡易な手続きで上陸できる)
- 自動化ゲート利用対象者の拡大
- 在留資格「技術」と「人文知識・国際業務」の統合(国内資本企業の経営をするうえで外国人自身の投資が必要なくなった)
- 在留資格「投資・経営」から「経営・管理」への変更
- PNRに係る規定の整備
2016 入管法改正
背景・目的
- 介護人材の不足
- 偽造した卒業証明書や虚偽の雇用証明書等を提出して不正に在留資格を得る人がいる
- 実習先から無断で立ち去り他の職に就く失踪技能実習生等の偽装滞在者がいる
主な内容
- 在留資格「介護」の創設
- 偽装滞在者対策の強化のための罰則・在留資格取消事由の整備
2018 入管法改正
主な内容
- 「特定技能」の在留資格が創設された(農業、製造業、建設業、外食産業などの労働力が不足する分野)
- 最長で3年間だった実習期間が最大5年まで延長可能になった
- 建設業と造船業のみ、特定技能2号への移行が可能(在留資格の更新、家族の帯同が認められる)
- 外国人技能実習機構という監督機関ができた
影響
- 技能実習が認められないところは留学生でカバー(宿泊業、飲食業、小売業)
特定技能は1号と2号に分かれている
- 1号:不足する人材の確保を図るべき産業上の分野に属する相当程度の知識又は経験を要する技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格
- 2号:同分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格
特定技能の資格を得る方法
- 技能実習2号からの移行
- 日本語や技能の試験への合格
※実習生→特定技能1号と資格を移行すれば最長10年の就労が可能
「保護すべき人は保護して、NGな人は速やかに帰らせよう!」
2023 入管法改正
参考文献・参考資料
外国人留学生在籍状況調査
最近の入管法改正
在留資格「特定活動」
ABOUT ME
関東で生まれる → 公立中学校 → 公立高校 → 1年間浪人 → 東大(教育学部) → 東大院(教育学研究科) → 修士課程修了(教育学) → 公立中学校の教員に → 退職 → ブログをがんばる → ?