【地理】東南アジア地誌をわかりやすくまとめた

今回のテーマは、「東南アジアってどんな地域なのか」です。
地理の教科書に書いてあるような内容をだらだら話す、というわけではなくて、東南アジアについて「こういうふうに捉えるとわかりやすいんじゃないか」と、僕が考えたことを話したいと思います。
この記事を書いた目的は、受験生や学校の教員が東南アジアの地理を理解できるようになること。そして、東南アジアについて一緒に学び、考える仲間を見つけることです。
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東南アジアといえば?

















結論:利用価値が高い地域
「東南アジアについて、こう捉えるとわかりやすいんじゃないか」と僕が考えたことを話したいと思います。
東南アジアを超ざっくり一言で言うと・・・
「利用価値が高い地域」です。
いや雑すぎるだろ、その捉え方・・・って感じかもしれませんが、とりあえず軸を定めて、シンプルに捉えていきましょう!深く理解するのは後でOK。
以下、このような流れで説明していきます。
- 東南アジアはどのように利用されたのか?
- 東南アジアはなぜ利用されたのか?
- 今、東南アジアはどんな状況にいるのか。

どのように利用されてきたのか
まず、東南アジアがどのように利用されてきたのかについてですが、これは2つあります。
- 1つ目が、熱帯でとれる農作物を生産し、世界に輸出する場所。
- 2つ目が、低賃金労働力を使って工業製品を作る場所です。
熱帯特有の農作物の生産地として
1つ目の、熱帯特有の農産物を作る場所について。
例えば、アブラヤシから取れるパーム油です。パーム油は、世界中のいろんな食品に使われている油脂。
ポテトチップスにもチョコレートにも含まれています。成分表示を見ると「植物油脂」と書かれていることが多いですが、これはだいたいパーム油です。あと化粧品にも使われています。
パーム油は世界中で使われているものすごく便利な油で、その油を取ることができる作物がアブラヤシです。効率よく油が取れる作物として非常に有用ですが、熱帯でしか育ちません。なので、東南アジアでアブラヤシ農園がものすごい勢いで拡大しています。

あと、コーヒー。コーヒー豆も熱帯でとれる作物です。東南アジアはコーヒー豆の栽培にすごく適していて、たくさんのコーヒー豆を世界に輸出しています。(特にベトナム、インドネシア)

コメも重要です。コメは日本のイメージだと涼しいところ(東北地方とか)でとれる、というイメージがあるかもしれませんが、コメがとれる稲は、もともと熱帯の作物です。
他には、バナナとかココナッツ、ドリアンとかも東南アジアで作られています。ドリアンは中国で人気なので、最近、中国向けのドリアンの生産が盛んになっています。
あと作物ではありませんが、日本のスーパーでよく見かけるエビ(ブラックタイガー)も熱帯ならではの生き物で、主にインドネシアで盛んに養殖されています。
このように、東南アジアは熱帯ならではの特産物(熱帯性の一次産品)がとれる地域、そして世界に輸出する地域として、世界にとって非常に重要な地域です。

低賃金労働力を使って安く工業製品を作る場所として
そして2つ目、低賃金労働力を使って安く工業製品を作る場所として、東南アジアは利用されてきました。
人口が多く労働力が豊富で、アメリカやヨーロッパ、日本に比べて人件費が安いので生産コストを抑えられます。しかも教育水準が高く真面目に働く人が多い。
なので、世界中の企業が「東南アジアに工場を作ろう。ここで作れば、いいものを大量に、安く作れる」と考え、工場を作る場所として東南アジアを選んできました。

市場として
ちなみに、最近は市場としても重要になりつつあります。人口が多い上に、だいぶ経済発展してきたので、東南アジアで物を売れば儲かる、というわけです。

なぜそのように利用されてきたのか
このように、東南アジアは世界にとって(もちろん日本にとってもですが)とても重要な地域です。利用価値が高い地域です。
では、なぜ東南アジアがこのように利用されてきたのか。これは、地理と歴史の側面から説明することができます。
貴重な熱帯地域
東南アジアは貴重な熱帯地域(赤道に近いところ)に位置しています。
地球儀とか、マップアプリとかで地球を眺めてみると、赤道付近にまとまった陸地が存在する場所って、実はかなり少ないことに気づくと思います。東南アジアと、ラテンアメリカ、あとアフリカ。この3つの地域に限られます。
つまり、地球上で熱帯気候に分類されるエリアは、意外と限られています。

この中で、日本とかアメリカとかヨーロッパとか、先進国の人々にとって最も使いやすい便利な地域はどこかというと、東南アジアです。東南アジアは比較的、政治的に安定している国が多くて、アフリカやラテンアメリカに比べて安全だからです。
ゆえに、東南アジアは世界に向けて熱帯特有の農産物を作る場所として機能しました。
世界には、熱帯地域でしか育たない作物がたくさん存在します。アブラヤシとか、コーヒー豆とか。このような貴重なものを作る上で、東南アジアは絶好の場所です。

輸出入に便利な地形
また、東南アジアは大きく2つの地域に分けることができます。
- タイやベトナムなどがある大陸部
- マレーシアやシンガポール、インドネシア、フィリピンなどがある島嶼部
形が独特だったり、島が多かったりする関係で、東南アジアは非常に長い海岸線を持つ場所です。
だからこそ、大型船が接岸しやすい天然の良港が数多く存在し、部品の輸入や製品の輸出、農作物の輸出に有利です。

人口が多いアジアに位置する(特にインドや中国に近い)
また、人口が多いアジアに位置する、という特性もあります。
東南アジア自体が人口が多い地域であるのと同時に、世界の人口ランキングでダントツの1位、2位であるインドや中国がすぐ近くにあります。
巨大市場を相手に商売がしやすいという意味で、東南アジアで物を作ると利益が出やすいです。

細かく分断された地形
このように、東南アジアは非常に便利で有利な地域です。
しかし、であるならば、東南アジアがむしろ世界を「利用する側」になるシナリオもありえたはずです。が、現実にはそうはなっていません。
これがなぜなのか?というと、東南アジアが地理的に細かく分断されている地域、という点がマイナスに働いたのだと思います。
東南アジアを「陸路での移動のしやすさ」という側面から見ると、密林(熱帯雨林)があったり、結構ゴツゴツした山岳地帯があったり、小さな島の集まりだったりと、細かく分断されていて移動しやすいとは言い難い地域です。
そうすると、いろんな民族が混在するエリアになり、この広いエリアを1つに束ねる、強大な大国というのがどうしても育ちにくいです。自然の境界で隔てられた小さなエリアでそれぞれ、いろんな部族が細々と暮らしている、という構造になりやすい。
そんな地域に強い国が攻めてきたら。なかなか勝つのは難しいでしょう。



植民地支配された
実際、それが起きました。
大航海時代に、ヨーロッパが船でアフリカ大陸を回ってアジアのほうにやってきました。途中の過程は省略しますが、東南アジアは植民地になり従属的な立場に置かれることになります。
これによって経済発展が遅れ、ヨーロッパやアメリカ、日本に比べて人件費が安い地域という性質を長く持ち続けることになり、低賃金労働力を使った工業製品の製造に適した地域となったわけです。
※タイが植民地化されなかった理由として、イギリスが植民地支配したミャンマーとフランスが植民地支配したカンボジア、ラオス、ベトナムの間の「緩衝地帯」として機能したから、と説明されますが、チャオプラヤ川流域に広大な平野を持つ強い国家だった、ということもあるんじゃないかと思います。


第二次世界大戦後に相次いで独立した
もう少し説明すると、、、第二次世界大戦後、ヨーロッパに植民地支配されていた東南アジアの国々は一挙に独立を果たしていきます。
※日本が太平洋戦争で東南アジアに侵略していって、敗戦した後に東南アジアの地域に武器などが大量に残されたことが、独立戦争をかなり後押ししたんじゃないかと思います。
第二次世界大戦後の世界では、アメリカが中心となって「自由に貿易をして、みんなで豊かになろう」という仕組みが作られました。
この仕組みの中で、欧米(や日本)などの先進国は、「商品をより安く、効率的に作れる場所」を求めるようになります。
当時、新しく独立したばかりの東南アジア諸国は、まだ経済的に遅れていました。そこで彼らは、みずから工業製品の生産地になる道を選びます。外国の企業を呼び込むために税金を安くしたり、工場を建てやすい場所(工業団地)を整えたりして。
こうして、先進国側の「安く作りたい」というニーズと、東南アジア側の「工場を呼び込みたい」というニーズが合致した結果、東南アジアは「世界の工場」と位置付けられることになりました。
何が言いたかったかというと、東南アジアが「利用される側」であり続けたのは、単に植民地支配された結果というだけでなく、時代の中で自発的にこの立場を選んだ側面もある、ということです。
東南アジアの今
では、その東南アジアが今どんな状況なのか。これを最後に説明します。
東南アジアは、単に安い人件費の労働者を使って工業製品を安く作る場所から脱却しようとしています。もっと価値のある、技術が必要な高性能な製品を作る場所へ。
首都一極集中
工業製品を安く作る場所としては、ある程度成功してきましたが、それだと国民全員が豊かになれません。得られる価値の量が限られていて、お金が足りないので。
なので、とりあえず首都とその周辺に工場を作って、それで経済発展をさせる、という戦略を取ってきたのが東南アジアの国々です。
それはある程度うまくいっているものの、それだと首都の近くに住んでいる人にしか恩恵がありません。だから、みんな「首都に行かないと豊かになれない」と考えて、首都に集まってくる、という状況になっています。
その結果、首都が過密になってしまって、ものすごい渋滞が起きたり、大気汚染が生じたりしています。


産業の高度化へ
この状況から抜け出すために、もっとお金を稼げるようになるために、教育を充実させ、産業を高度化し、地方にも発展の果実を届けようとしているのが、今の東南アジアです。
果たしてうまくいくでしょうか。。

とはいえ国によって状況は違う
以上、東南アジアについてざっくり説明してきました。
もちろん、これはものすごく雑な捉え方です。シンガポールのように、この型に当てはまっているとは言い難い国もありますし、それぞれの国ごとにペースも事情も違います。
なので、東南アジアという地域についてしっかりと理解するためには、そもそも「東南アジア」と一括りにするのではなく、各国を詳しく見ていく必要があります。
各国について、まとめたブログ記事がありますので、ぜひそちらも見てください。(記事の最後にリンクがあります)
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東南アジアの解説記事リスト
自然環境(地形、気候)
文化、歴史
経済
課題
東南アジアの各国の地誌
シンガポール
主な特徴
- 熱帯雨林気候(Af)
- イギリスによる植民地支配の歴史
- 多民族国家
- 都市国家
- 東南アジアで最も早く工業化が進んだ
- 物流業・金融業・観光業が盛ん
- ビジネスしやすい国
- 東南アジアでダントツに経済発展
タイ
主な特徴
- サバナ気候(Aw)と熱帯モンスーン気候(Am)
- 植民地支配されなかった
- 首都バンコクに都市機能や人口が一極集中
- コメの輸出が盛ん
- 自動車工業が盛ん(東南アジアのデトロイト)
- 交通渋滞が深刻
マレーシア
主な特徴
- 熱帯雨林気候(Af)
- イギリスによる植民地支配の歴史
- 多民族国家
- アブラヤシの栽培(→パーム油の生産)が盛ん
- 鉱業が盛ん
- 輸出加工区を設置して工業化
ベトナム
主な特徴
- 温帯夏雨気候(Cw)とサバナ気候(Aw)
- フランスによる植民地支配の歴史
- ベトナム戦争
- ドイモイ政策で経済発展
- コメやコーヒー豆の輸出が盛ん
- 労働集約的な工業が盛ん
- オートバイが大量走っている
インドネシア
主な特徴
- 熱帯雨林気候(Af)
- オランダによる植民地支配の歴史
- 世界最大のムスリム国家
- アブラヤシの栽培(→パーム油の生産)が盛ん
- 石炭の輸出が盛ん
- ジャワ島に人口が集中
- 経済格差が激しい
フィリピン
- 7,000以上の島からなる島嶼国家(中心はルソン島、ミンダナオ島)
- 政情不安定で外国企業の進出が遅れる(←1980年代のクーデタ)
- 公用語:英語、フィリピノ語
歴史
- 16世紀にスペインの植民地に
- 米西戦争の結果、アメリカ合衆国の植民地に
宗教
- 主にキリスト教(カトリック)
- ※ミンダナオ島にイスラム教信仰者が多い(→独立運動)。
農業
- バナナやココヤシ
工業
- ルソン島のマニラやバタアン半島などに輸出加工区を設置
- →外国資本を積極的に導入
- 電気機械
- エレクトロニクス
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その他
カンボジア
内戦や政情不安などで工業化が遅れた
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ラオス
内戦や政情不安などで工業化が遅れた
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ミャンマー
内戦や政情不安などで工業化が遅れた
ミャンマーの西海岸(ベンガル湾)から中国南西部へと伸びる天然ガス・石油のパイプラインがある
→中国にとっては、石油を調達するためにマラッカ海峡を通過する頻度が減るというメリットがある
※2010年にミャンマーが民主化した時に、様々な国が押しかけた理由
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ブルネイ
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東ティモール
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参考資料
受験生だった時に作ったやつ



















