いろいろな国の国名と位置(大人向け)【地理】
モチオカ(望岡 慶)
モチオカの社会科プラス
今の中国では、企業や富裕層の間で「海外にお金を移して投資したい」というニーズが高まっている。
なぜかというと、中国国内では不動産市場が低迷し、株価も伸び悩み、お金の使い道が見つからなくなっているから。余った資金を、より安定し利回りの良い海外の資産に向かわせようとしている。
ところが、中国共産党はこの海外への資金流出を厳しく規制している。
なぜなのか?
海外に投資するには、人民元を売ってドルなどの外貨を買う必要がある。つまり、海外投資が増えるということは、人民元の売りが増えるということを意味する。
その結果、人民元の価値が下がる(=元安)。元安になると、輸入品の価格が上がり、エネルギーや食料、日用品など、庶民の生活コストが上昇してしまう。
国民の不満が高まれば、政権への批判が強まる可能性がある。中国共産党はこれを避けたい。
こうした不満が広がることこそ、中国共産党が最も恐れることである。なぜなら、統治の正統性そのものが揺らぎかねないからだ。
つまり、中国政府が海外投資を厳しく制限している最大の理由は、共産党体制の安定を守るためと言えるだろう。