農家への補助は必要なのか?
モチオカ(望岡 慶)
モチオカの社会科プラス
インド、エチオピア、ブラジル、中国、ナイジェリアなどの国々では、今でも森林から得られる薪や木炭(=薪炭材)を、日常のエネルギー源として使うことが多くある。
なぜ、現代でも木を燃やす生活が続いているのか?
農村部などでは、そもそも電気やガスのインフラが整っていない地域が多くある。
インフラがあったとしても、電気・ガスの料金が高く、収入の少ない家庭では手が届かない。
そのため、調理や暖房、湯沸かしといった生活の基本的なエネルギーを、身近な「木」や「木炭」に頼るしかないという現実がある。
薪炭材の場合、建材と違って太さや種類にこだわる必要はない。
田舎では、家の近くに雑木林や伐採できる森林があることが多く、薪としての木材を比較的簡単に手に入れることができる。
インドやアフリカなどでは、昔ながらの土窯やかまど、露天での調理といった文化が今も残っている。
木を燃やしたときの煙や香りが、宗教的な儀式や食文化の一部になっていることも多く、火を使う暮らしそのものが受け継がれてきた伝統でもある。
こうした薪炭材の利用は、生活を支える一方で、いくつかの深刻な問題も抱えている。
→インドの首都デリーの大気汚染(※インドでは、農村部の約40〜50%の家庭が薪や木材を主な調理燃料として使用)
農村部の人々が「電気のある暮らし」に移行すると、エネルギー消費量は世界全体として大きく増加する。
どうすれば「賢く電化する」ことができるか?
エジプトのように森林資源が乏しい国はどうしている・・・?