少子化対策はなんで必要なの?
今国会の重要テーマ「少子化対策」。
自民党や野党が少子化対策について様々な意見をかわしていますが、それらの意見の良し悪しを僕たちはどのように判断すれば良いのでしょうか。
ともすると自分の負担が軽くなるような政策に「いいね!」と言いたくなります。
かくいう僕もその一人(子供いないけど)。
しかし、政策について考えるときは「その政策が社会問題の解決に有効なのか?」という視点を持つことを忘れてはいけない!
この視点を失うと、各政党の「票欲しさの甘い言葉」に惑わされてしまい、社会問題がいつまでたっても解決されず、ひいては僕たちの首を締めることになるからです(政治家たちの自己保身と引き換えに・・・)。
ということでこの記事では、いま話題の少子化対策について理解が深まるように、そもそもなぜ少子化対策が必要なのか?について考えてみたいと思います。
当たり前すぎて改めて確認するまでもないかもしれませんが、「出生数が多いこと」のメリットとデメリットを整理すると、、、
【出生数が多いことのメリット】
- 将来的に生産年齢人口が拡大する(→将来的にマーケットが拡大する & 将来的に税収が増える)
- 高齢者比率の上昇を抑えられる
【出生数が多いことのデメリット】
- 子供への支援にお金がかかる(社会保障費の増大)
- 人口が拡大・維持されることにより、引き続き資源やエネルギー不足と向き合わなければならない
端的に言うと、子供が増えることによって
- 短期的には出産・育児支援に必要なお金が増えるけど、
- 将来的に日本経済の停滞を防ぐことができるし
- 団塊ジュニア世代が高齢化した時(「2040年問題」)の社会保障費の増大に耐えることができる
ということです。
もちろん、日本経済の停滞を防ぐためには日本企業が価値創造できるようになることが重要です。また、超高齢社会への対応のためには同世代の中での支援(高齢者同士の支え合い)を促進させるという方法もあるわけです。
が、若者の人数が増えるに越したことはないのでとりあえず増やしましょう!というのが少子化対策なわけです。
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僕的には、ある程度人口が少なくなった方が「持続可能な成長」という観点からは望ましいんじゃないの?って感じではあります。
少子化対策に力を入れることで、人口減少社会にふさわしい社会システムへの変革が遅れてしまうのでは・・・?と危険性すら感じます。
が、日本政府はそのようには考えていない(=「人口を維持することが必要だ」と考えている)。おそらく「人口が減少した時に日本経済がどんなことになるのか?」がはっきりとは予想できないからでしょう。
もしかしたらスリム化することによって経済が好転する可能性もあるわけですが、そうとも限らないので、なるべく現状維持をして想定できるようにしておきたいんでしょうね。
では、そんな政府は少子化対策においてどのような目標を掲げているのでしょうか。
2020年5月に閣議決定された「少子化社会対策大綱」において、以下のような目標が掲げられています。
「希望出生率1.8」の実現に向け、令和の時代にふさわしい環境を整備し、国民が結婚、妊娠・出産、子育てに希望を見出せるとともに、 男女が互いの生き方を尊重しつつ、主体的な選択により、希望する時期に結婚でき、かつ、希望するタイミングで希望する数の子供を 持てる社会をつくる (結婚、妊娠・出産、子育ては個人の自由な意思決定に基づくものであり、個々人の決定に特定の価値観を押し付けたり、プレッシャーを与えたりすることがあってはならないことに十分留意)
希望出生率というのは、「若い世代の結婚や出産の希望がかなったときの、1人の女性が産む子供の数」のことです。
※すべての女性に「産めよ」って言わないために(=そういう目標・メッセージだと誤解されないように)、合計特殊出生率ではなく希望出生率を使って目標を提示している
ちなみに2019年の合計特殊出生率(1人の女性が一生の間に産む子供の数)は1.36となっています。
こちらは「結婚や出産の希望がない女性」も分母に含まれています。なので基本的に希望出生率よりは低い数値になります。
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うーん、、、本当に”少子化対策”をしたいんだったら、
結婚したくない理由・子供を持ちたくない理由にもっとフォーカス
した方がいいと思う。
「子供を持ちたいけど、いろんな理由で持てない」から少子化が進んでいるんじゃなくて、「そもそも結婚もしたくないし子供も持ちたくない」っていう人が増えていることが根本原因だと思うんだよね。
僕自身もそうだし