イオンとクスリのアオキの提携解消は必然。アオキは食品スーパーだから
2026年1月9日、イオンがクスリのアオキとの業務提携を解消したと発表した。
ドラッグストアのビジネスモデルと業界が現在置かれている状況を踏まえると、イオンとクスリのアオキが目指す方向性が真逆であり、今回の業務提携解消が必然だということがわかる。

効率化のため、文章作成にAIの力を借りています。AI特有の言い回しがあるかと思いますが、僕が伝えたいと思っていることはしっかり込めているつもりです…!
ドラッグストアのビジネスモデル
ドラッグストアのビジネスは、役割の異なる2種類の商品を組み合わせることで成立している。

- 集客商品(日用品・食品):どこで買っても大差がないコモディティ商品であり、薄利多売が前提となる。これらを安価に販売することで来店頻度を高める「フロントエンド」の役割を担う。
- 収益商品(医薬品・化粧品):規制による価格競争の少なさ、専門性による付加価値の高さから、利益率が高い。集客商品で呼び込んだ客にこれらを購入してもらうことで、店舗全体の利益を確保する構造となっている。
特に医療用医薬品(処方薬)は収益性が高い。薬価が決まっているため、食品や日用品とは違って価格競争をせずに済むから。「薬価(売値)と仕入れ値の差(薬価差益)」や、「後発品(ジェネリック)を使うことによる国からのボーナス」が利益の源泉となる。
薬価引き下げにより収益基盤が揺らぐ
しかし、安定した収益源であった「医療用医薬品(処方薬)」は、国の医療費抑制政策に伴う薬価の引き下げにより、その利益率が年々低下している。
また、医療用医薬品(処方薬)のネット販売が2020年に解禁され、2024年にAmazonファーマシーが日本で本格始動したことも、ドラッグストアにとって逆風となっている。
「効率化」か「専門性」かの選択を迫られている
このような外部環境の変化により、ドラッグストアは従来のビジネスモデルだけでは持続が困難になっている。
各社は生き残りをかけて、以下のいずれかの方向へ舵を切っている。
- 規模拡大による効率化(大手連合路線):合併・再編により店舗数を増やし、圧倒的な購買力(バイイングパワー)で仕入れ値を下げる。物流やIT投資を一本化し、1円単位のコスト競争に勝つ戦略。
- 独自の専門性化(差別化路線):単なる安売りではない独自の立ち位置を築く戦略。例えばクスリのアオキは食品に、マツキヨはプライベートブランドの医薬品や化粧品に注力している。

イオンとクスリのアオキ:なぜ提携を解消したのか?
今回の提携解消は、「効率化」を目指す巨大資本の論理と、独自路線を貫く企業のプライドがぶつかった結果だと言える。
イオンが目指す「スケールメリットの最大化」
「規模拡大による効率化」を最も体現しているのがイオン。イオンは2025年12月に、業界1位のウエルシアと2位のツルハを統合し、売上高2兆円を超える「日本最大のドラッグストア連合」を誕生させた。
規模を大きくすることで、仕入れ交渉力を強め、物流やシステムを一元化し、1円でも安く運営する「スケールメリット」を追求している。イオンとしては、アオキもこの巨大連合の一員として「効率化」の枠組みに取り込みたかったと考えられる。
また、イオンにとってドラッグストアは、イオンモールの集客装置という側面を持つ。「病院で処方箋をもらい、イオンモールのウエルシアで薬を待つ間に買い物をする」という流れは、モール全体の滞在時間を延ばし、他の店舗での「ついで買い」を誘発する強力な装置となる。
さらに、消費者の生活行動データの収集装置でもある。例えばウエルシアで風邪薬を買った人が、隣のイオンで食品を買う。この購買行動を一つのID(WAON POINTのシステム)で紐付けることで、イオンは顧客の健康状態から食生活までを把握でき、アプリで個別のクーポンを出すなどのデジタル戦略が可能になる。
クスリのアオキが目指す「独自の食品スーパー戦略」
一方でアオキが目指すのは食品スーパー。クスリのアオキは地場スーパーを次々と買収し、店内で精肉や鮮魚を加工・販売する「フード&ドラッグ」という独自のハイブリッドモデルを確立した。
単なる「安い既製品の仕入れ」ではなく、自社でプロセスセンター(加工場)を持つなど、食品スーパーとしての専門性を高めている。アオキは「イオン連合の一部」として埋没するよりも、自社独自の生鮮ノウハウを磨き、独自の食品スーパー路線を突き詰めたかったのだろう。
まあ創業家(青木家)がイオンの言いなりになるのは嫌だっていう拒否感があった、ってのも大いにあるとは思うけれど。
提携解消は当然の結果
方向性が決定的にズレているため、提携解消は必然。クスリのアオキはもはやドラッグストアじゃなくて食品スーパー。
ドラッグストアの戦略としては、イオンが目指す方向性が正しいと思う。








