モチオカ(望岡 慶)
「温暖で雨が多く、四季がはっきりしている」というのが日本の気候の特色。
しかし、全国どこも同じ気候というわけではない。
地域ごとの気候の違いが生まれる理由
地域ごとの気候の違いが生み出される理由は、大きく分けて3つある。
- 日本列島は南北に長く、緯度による気温差がある
- ユーラシア大陸の東に位置し、モンスーン(季節風)の影響を強く受ける
- 島ごとに中央に山地があり、風の性質が変わる
地域ごとの気候の違い
日本の気候は、大きく6つに分けて考えるとわかりやすい。
① 北海道の気候
(2022.12撮影)
=気温が低くて雨や雪が少なめ
- 緯度が高いので、気温が低い
- 梅雨や台風の影響をほとんど受けないので、降水量が少ない
② 日本海側の気候
=冬に雪が多い
- 冬の北西からの季節風が山脈にぶつかるので、冬の降水量(雨・雪)が多い。
Q
- 夏の日本海側は雨が少ないのか?
-
「冬の太平洋側」のように雨が少なくなるわけではない。
夏は南東からの季節風が山を越える際に、太平洋側で雨を降らせたあと、乾いた空気になって日本海側へ吹き下ろすため、太平洋側よりも雨が少ない傾向にある。
が、夏は大気が不安定になりやすく、日本海側でも雷雨や局地的な豪雨が起こることがある。また、梅雨や台風の影響が日本海側にも及ぶこともある。
そのため、日本海側は「夏に乾燥する」というわけではない。
③ 太平洋側の気候
(2025.2撮影)
=夏に雨、冬は晴れ
- 夏の南東からの季節風が山脈にぶつかるので、夏の降水量(雨)が多い。
- 冬は、北西からの季節風が山を越える際に、日本海側で雨や雪を降らせたあと、乾いた空気になって太平洋側へ吹き下ろすため、晴れて乾燥した日が多くなる
④ 内陸の気候
(2025.2撮影)
=寒暖差が大きく乾燥
- 標高が高いので、気温が低い
- 海から離れているので(内陸なので)、気温の年較差が大きい
- 海から離れているので(内陸なので)、降水量が少ない
⑤ 瀬戸内の気候
(2023.6撮影)
=雨が少なく晴れが多い
- 夏の南東からの季節風が四国山地にぶつかって乾燥した空気が届くので、夏の降水量が少ない。
- 冬の北西からの季節風が中国山地にぶつかって乾燥した空気が届くので、冬の降水量が少ない。
⑥ 南西諸島の気候
(2022.10撮影)
=一年中あたたかく多雨
- 緯度が低いので、気温が高い
- 台風の影響をよく受けるので、降水量が多い
なぜ日本には四季があるのか?気圧と風で解説