もはやペットショップっていらないんじゃないの?【ペット業界の闇】
2022年6月1日、ペット(犬と猫)へのマイクロチップ装着が義務付けられます。
ペット業界について全然知らないなーって感じだったので、この機会にペット業界についていろいろ調べて、自分なりに考えてみました。
ペット業界について僕が調べた内容
ペットをどうやって仕入れる?
ペットの流通ルートは3パターン
- ブリーダー→ペットオークション(競り市)→ペットショップ→客
- ブリーダー→ペットショップ→客
- ブリーダー→客
※ペットショップの大手3社=コジマ、AHB、ペッツファースト
1980年第半ばにペットオークション(競り市)ができたことで、ペットの大量供給が実現した。
ペットショップはどこで利益を上げる?
ペット販売の利益率が最も高いっぽい
ブリーダーから店頭価格の数十%(10〜20%?)で買い取って、客に販売する
客に販売するまでにかなりコストがかかるので、ペット1匹あたりの利益はそこまで大きくない(→だからこそ、再来店してペットフードやグッズの購入などでお金を落としてほしい)
その他にトリミング、トレーニング、グッズ、ホテルなどのマネタイズポイントがある。
ペットショップのターゲット・立地は?
ファミリーや高所得者層、子離れした50代以上の夫婦が主なターゲット
子連れで来る施設や、ペット飼育の規制が少ない住宅街(集合住宅が少なめな地域など)の近くに立地しやすい
売れ残ったペットはどうなる?
生後2〜3ヶ月が人気のピークで、生後半年くらいで全然売れなくなるらしい。
売れ残った後の対応
- ボランティア団体と連携して里親探し(かなり良心的な取り組み)
- ブリーダーに返還・売却(→繁殖用に)
- 実験用の動物として売却
- 殺処分
ブリーダーの年収
平均300〜400万円とのこと
マイクロチップ装着義務の法的根拠や目的
動物の愛護及び管理に関する法律
(目的)
第一条 この法律は、動物の虐待及び遺棄の防止、動物の適正な取扱いその他動物の健康及び安全の保持等の動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害並びに生活環境の保全上の支障を防止し、もつて人と動物の共生する社会の実現を図ることを目的とする。
(マイクロチップの装着等)
第十四条 国は、販売の用に供せられる犬、猫等にマイクロチップを装着することが当該犬、猫等の健康及び安全の保持に寄与するものであること等に鑑み、犬、猫等が装着すべきマイクロチップについて、その装着を義務付けることに向けて研究開発の推進及びその成果の普及、装着に関する啓発並びに識別に係る番号に関連付けられる情報を管理する体制の整備等のために必要な施策を講ずるものとする。
2 国は、販売の用に供せられる犬、猫等にマイクロチップを装着させるために必要な規制の在り方について、この法律の施行後五年を目途として、前項の規定により講じた施策の効果、マイクロチップの装着率の状況等を勘案し、その装着を義務付けることに向けて検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとする。
ペット業界に関する僕の意見
マイクロチップ装着義務(2022年6月1日〜)はペットが迷子になった時には有効だし、飼育放棄の抑止につながるとは思うんですけど、
ペット業界が抱える根本的な問題の解決にはつながらないよね?って気がします。
ペット業界が抱える根本的な問題は、「ペットを気軽に購入できてしまう」「ブリーダーへの利益還元が少ない」ってこと(ってのが僕の考え)。
んで、この問題の原因となっているのはペットショップの存在だと思うんですよ。
ペットショップはブリーダーからペットを仕入れて顧客に売ることで利益を上げるわけですが、ペットは1匹あたりの利益率ってそこまで高くはありません(ペットが売れるまでに結構コストがかかるので)。
なので、ペットショップは利益を拡大するためにペットを大量に供給して大量に売ろうとする。例えば、家族で行くような商業施設に店舗を構えて子連れのファミリーを狙ったりして。
ペットショップがペットを大量に売ることで利益を上げようとしているからこそ、僕たちはペットを気軽に購入できてしまう。で、飼育放棄問題が起きやすくなるわけです。
また、ペットが売れやすい時期は限られているので、売れ残ったペットを処分する…という問題が多発するわけです。
ペットの飼育放棄問題やペットの殺処分問題の背景には、ペットショップのビジネスモデルがあると言うことです。
ここにメスを入れない限り(マイクロチップを装着させて「責任感」を持たせたとしても)飼育放棄問題や殺処分問題は解決しないと思います。
あと僕が思うのは、ブリーダーへの対価って正当に支払われているのかな?ってこと。
結局のところ、ペットショップが中抜きをしているわけですよね?
まあブリーダー自身がたくさんの消費者にリーチするのは難しいから、ペットショップを利用せざるを得なかったのかもしれないですけど、その結果、
ブリーダーがペットショップを通してペットを販売する
→ブリーダーはペットショップに中抜きされる
→ブリーダーへの利益還元が小さくなる
→利益を拡大させるために、ブリーダーはたくさん繁殖させてペットショップにペットを大量に供給する
→一般人が気軽にペットを購入できてしまう
ってことになってるんじゃないですか???
昔(ネットが発達していなかった頃)、ペットショップっていう中間業者を利用しなきゃいけなかったってのはわかりますけど、
今はネットが発達しているんだから、ブリーダーと”ペットを真剣に飼いたい人”を直接マッチングすることってできますよね?そんなに難しくないはず。
“ペットを真剣に飼いたい人”がブリーダーに直接アクセスして、「○○犬を飼いたいです」って伝えて、ブリーダーは受注生産的にペットを繁殖させる
って感じにすれば、中抜きが発生しないわけだからブリーダーへの対価が増えてペットを大量供給しなくて済むようになります。
それに、ちゃんとした人にペットを飼ってもらうこともできるようになるはず。
ってことで、もはやペットショップっていらないんじゃない?ってのが僕の考えです。
★★★
…まあ、ブリーダーから直接ペットを購入するのが普通だよね!っていう流れになりそうになったら、
「これじゃペットショップの経営は成り立たない…!」「ペットショップで働いている人の生活はどうなるんだー!」って叫ぶ人たちが出てくるとは思います。
そしてそんな”弱者”のことを、日本政府は必死に守りそう。
「彼らにも生活があるから、ペットショップを規制するのはやめよう!」「っていうかマイクロチップを装着させればよくない?悪いのは飼育者なんだし」みたいなこと言って。で、ペットが犠牲になるわけですけど(まあペットは「僕たちの生活はどうなるんだー!」って叫ばないから、仕方ないですね)。
でも、そうやって「俺たちの生活はどうなるんだー!」って叫んで変化を止めようとする保守的な人たちを守るから、日本社会の問題は全然解決していかないんじゃないの?って思います。
保守的な人たちを守って、変化をせず、問題をそのままにすること
と、
確かに困る人は出てきちゃうけど、問題解決のために思い切って手を打って、変化していくこと
のどっちを優先するのか?を考えるのって大事ですよね。
みなさんはペット業界についてどう思いますか?
参考資料
そもそも犬の「値段」はどうやって決まるの? 3つのルートとは