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なぜ中国共産党は外国への投資を規制しているのか?

モチオカ(望岡 慶)

今の中国では、企業や富裕層の間で「海外にお金を移して投資したい」というニーズが高まっている。

なぜかというと、中国国内では不動産市場が低迷し、株価も伸び悩み、お金の使い道が見つからなくなっているから。余った資金を、より安定し利回りの良い海外の資産に向かわせようとしている。

ところが、中国共産党はこの海外への資金流出を厳しく規制している。

なぜなのか?

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外国への投資を規制している論理

海外に投資するには、人民元を売ってドルなどの外貨を買う必要がある。つまり、海外投資が増えるということは、人民元の売りが増えるということを意味する。

(2024.2撮影)

その結果、人民元の価値が下がる(=元安)。元安になると、輸入品の価格が上がり、エネルギーや食料、日用品など、庶民の生活コストが上昇してしまう。

国民の不満が高まれば、政権への批判が強まる可能性がある。中国共産党はこれを避けたい。

つまり、中国共産党は「国民の不満」を何よりも恐れている

こうした不満が広がることこそ、中国共産党が最も恐れることである。なぜなら、統治の正統性そのものが揺らぎかねないからだ。

つまり、中国政府が海外投資を厳しく制限している最大の理由は、共産党体制の安定を守るためと言えるだろう。

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