世の中

死刑制度に賛成な理由がわからない

死刑制度に関する動画を投稿したところ、たくさんの方から反論をいただきました。ありがとうございます。

みなさんのコメントのおかげで僕も思考を整理することができたので、このブログ記事で改めて死刑制度に関する僕の意見をまとめたいと思います。

と同時に、いただいた反論に対する僕の意見死刑制度の議論について感じたことを書いておこうと思います。

望岡 慶

モチオカです。TwitterYouTubeやっています! お問い合わせはこちら

この記事の内容をざっくり音声で聞きたい人はこちら↓

投稿した動画はこちら

※ちなみに「動画投稿主は反対意見を削除している」というコメントをよくいただくのですが、それに対する回答がこちら↓

基本的にコメントは消してないですよ!消えているとしたら、ほとんどがGoogleによる自動削除です。死刑存置派の方は言葉遣いが汚かったり強かったりすることが多いので、Googleのなにかしらの基準に引っかかり、非表示にされているのだと思います。

ちなみに僕は自分の意見を通したいのではなく、自分とは反対の意見を持つ人から納得できる理由を聞き、自分の意見を深化させたいと思っています。この動画をアップしたのも、自分の意見の正当性を主張したいからではありません。

よって、意見が違うという理由でコメントを消すことは一切ありません。消す行為は僕が動画をアップした趣旨と合致しない行為だからです。

ただ、コメントを僕が消すこともなくはないです。この人は他者を侮蔑する人だなと判断した場合や、この人なんなの?不快だなと思った場合は即ブロックしています。

上記のような趣旨でこの記事も書いていますので、ぜひ冷静に読んでいただけると幸いです!

死刑制度に対する僕の主張

死刑制度を廃止して終身刑を導入するべき!

って思っています。動画を投稿した時から意見は全く変わっていません。

※終身刑=死ぬまで刑事施設に収監される刑

死刑制度を廃止した方がいいと思う理由

どんなことがあっても人は他者の命を奪うべきではない

死刑制度が存在する背景には「人を殺すことは許されない」という価値観があるはずなのに、なぜ刑罰なら人を殺すことが許されるのか?が僕にはわかりません。

どんな状況でも「人を殺すこと」を許してはいけないと思います。犯罪者を社会から排除したいのであれば、終身刑に処せばいいのではないでしょうか。

死刑は犯罪を犯した個人に責任を負わせすぎな制度である

周囲の環境や家庭環境、幼少期の体験など様々な要因が重なって犯罪を犯してしまう人もいます。だからといってその犯罪が許されるわけではありませんが、そのような要因(本人にはどうしようもなかった要因)があるのにその人を死刑にして終わりにしてしまう…ってのはなんか安易な気がします。

公立中学校の教員をやって、家庭環境に恵まれているとは言えない子供をたくさん見てきたからそう思うのかもしれません。

もちろん「そういう環境にいたとしても犯罪を犯さない人もいる!」っていう意見もわからなくはないですが、、、でも、完全に環境が同じ場合で比べることって絶対にできないですよね。

悲惨な環境で育った人が2人いたとして、片方は犯罪を犯し、もう片方は健全に暮らしている場合。この場合において「悲惨な環境で育ったとしても犯罪を犯さない人がいるんだよ!」って言ったところで、確かに”同じような”環境だったかもしれないけど、全く同じ環境じゃないんだからなんとも言えないのでは…?って思うんです。

この論点については、『永山則夫 封印された鑑定記録』という本がとても勉強になるので、ぜひ読んでみてほしいです。

たとえ犯罪者でも社会の構成員にはその人を支える義務がある

人々がお互いフォローし合って社会が成り立っている以上、そしてその社会の一員である以上、たとえ相手が犯罪者であってもその人を支えなければいけない…というのが僕の考えです。

具体的に言うと、税金が犯罪者のために使われることを許容しなきゃいけないってことです。超凶悪な犯罪者だったとしても、その人のために(=終身刑に処して、その人が亡くなるまでの間)税金を使って支えるのが社会の構成員の務めなんじゃないのかなと。感情論的には嫌ですけどね。

死刑の犯罪抑止力は検証不可である

死刑賛成の根拠として「死刑には犯罪の抑止力ある」ことが挙げられていますが、厳密には検証することはできません。

死刑制度がある国で死刑に値するような犯罪を犯した人がいた時に、「死刑制度がなかった場合、その人が同じ犯罪を犯したかどうか?」は絶対にわからないですよね。つまり比較のためのデータは絶対にとれない。死刑の犯罪抑止力を評価することはできないんです。

つまり「死刑には犯罪抑止力があるかもしれないし、ないかもしれない」としか言えないわけです。

それなのに「死刑があると人は犯罪を犯しにくくなるから、死刑制度はあった方がいい」って主張するのは、死刑っていう超重要なシステムを扱っているのに感覚的に議論しすぎです。

「非人道的な国」と見なされてしまう

現在、多くの国が死刑を廃止しています。そんな中で死刑制度を存置すると、「日本は非人道的な国」と見なされてしまう可能性があります(実際、外国人技能実習生制度があったり難民を全然受け入れてなかったりして、すでにそのように評価されているかもですが…)。

「非人道的な国」って国際的に評価されるのは絶対に損です。たとえば日本が人権に関する主張をした時に「死刑を存置しているくせに…」って鼻で笑われてまともに取り合ってくれない恐れがあったり…ということがあり得そうですよね。

冤罪の可能性がある

「死刑制度を廃止した方がいいと思う理由」として僕の中では弱い理由なんですけど、

いくら丁寧に捜査・審理をしたとしても、現行犯ではない限り冤罪の可能性はゼロにはできないわけです。である以上、執行したら絶対に取り返しがつかない究極の刑罰である死刑は危うすぎる刑罰だと思います。

もちろん他の刑罰だって取り返しがつきません(たとえば冤罪で懲役10年の刑が処された場合、その10年は戻ってきません)。でも、死刑はその取り返しのつかないレベルが究極的ですよね。

終身刑を導入するべきだと思う理由

死刑に値するような犯罪者を社会から隔離して人々の安心感を確保するため

死刑を廃止した場合、日本の現行法では無期懲役が最高刑になります。

この場合、仮釈放の可能性が残っているので人々が不安を感じてしまう…ってのは事実だと思います(←実際にはほぼ仮釈放になることはないらしいけど)。

であれば、「犯罪者を社会から隔離する」という目的を達成できる終身刑を導入すればいいのではないでしょうか。わざわざ殺さなきゃいけない理由が僕にはわかりません。

※終身刑=死ぬまで刑事施設に収監される刑

いただいた主な反論と、それに対する僕の意見

「命を奪ったら命で償うのが当たり前」

最も多かったのがこの意見です。でもなぜ「当たり前」なのかが僕にはわかりませんでした

「命を奪った人間に、命をもって償わせるのは当たり前」というロジックをとる場合、たとえば「交通事故で下半身付随にさせてしまった犯人に、同じく下半身付随にさせて償わせるのも当たり前」と考えていいのでしょうか?現実にはそうなっておらず、おそらく懲役刑で償うことになっているはずです。

僕も「命を奪った人間に、命をもって償わせるのは当たり前」って思っていた時期もあったのですが、このロジックをとると上記のような点で引っかかってしまうんです。

→この点に関して、「当たり前」の理由を説明できる人の意見を聞きたいです。

「なぜそんな人の面倒を見なければいけないのか?税金のムダだ」

この意見も多かったです。が、上でも書いた通り、ほとんどの人が税金によって養われているわけで、お互いフォローし合って社会が成り立っているんじゃないのかなって思っています。例えばこの反論をした方にもおそらく大量の税金が投入されていて、その人も養われているわけで。自分が養う側に回っていると思っている人が多い気がするんですけど、多くの人は養われている側だと思います。

っていう意味で、社会に適合できない人をある程度支えるのは、社会の構成員として当然のことなのかなって考えています。感情論としては嫌ですけど。

「自分の大切な人が殺された時に同じこと言える?」

これも多かった。正直、その状況にならないとわからないです。もしかしたら加害者に死んでほしいと思うかもしれません。「死刑にしろ!」って思うかもしれません。

でも、刑罰は被害者・遺族の感情を和らげるためにあるものではないと思うので、「被害者・遺族のために死刑を存置するべき」って考えるのは不適切だと思います。

参考になりそうな文献がありました→『なぜ被害者・遺族が処罰感情を表明すると,量刑が重くなりうるのか』

「被害者遺族に判決を委ねるべき」

「死刑に値する判決の際に、死刑か無期懲役かを被害者遺族が選べる」というのであればOKかも…とは思いました。

が、僕の意見は「死刑を廃止して終身刑を導入するべき!」です。

「重犯罪者を生かしておくとまた悲劇が生まれるかもしれない」

僕もその怖さはわかるので、仮釈放のない終身刑に処して社会復帰できないようにすればいいと思っています。

「死刑制度を廃止している国は現行犯を射殺しているから、実質的に死刑だ」

まあ確かにそう言えなくはないのかもなーって思いましたが(←日本は現行犯であっても加害者をなるべく生かしたまま捕まえることを原則としてるっぽいので)、

射殺するのは「更なる被害が発生するのを防ぐため」ですよね。すんなり逮捕できた人も死刑になる可能性があることに対してどう思うか?っていう話です。

ってことで、この反論は死刑制度の賛否に関する議論とはあんまり関係がないんじゃないかなって思いました。

「冤罪って言うけど、他の刑罰だって取り返しがつかないでしょ」

もちろん他の刑罰だって取り返しがつきません(たとえば冤罪で懲役10年の刑が処された場合、その10年は戻ってきません)。でも、死刑はその取り返しのつかないレベルが究極的ですよね。

「さっさと死ねるほうがマシ」

死刑にして殺してあげた方が優しいんだ、ってことかもしれませんが、、、マシって思うかどうかは人それぞれですよね。

「終身刑の方が残虐な刑である」

あー確かにそうなのかも?たしかに終身刑ってむちゃくちゃ残虐な刑なのかもしれないかー…って思いました。

「終身刑は死刑よりも残虐じゃない」とは言い切れないので、こうやってツッコまれたら結構悩みます。

死刑制度の議論について感じたこと

コメント欄などを通して、死刑制度の議論について感じたことを最後にまとめておきます。

①死刑存置派と死刑廃止派の両者が納得する解決策は存在しないんだろうなって思いました。お互いそれぞれに理屈があって、一定の筋が通っているので、どっちかが間違いとは言えないよなっていう。理屈では解決しない。

②で、もはや哲学の問題だなって思いました。殺人等の残酷なことをした人(犯罪者)を完全に排除したいかどうか?その際に「人を殺す」という手段を取ってもいいのか?っていう。

③僕は「そういう人を社会から排除する際に、わざわざ殺す必要はない(=終身刑にすればいい)」って考えていますが、「どうしても殺したい」って考えている人が一定数いて、その人たちが死刑存置派の大部分を占めている気がしました。もはや理屈ではなく「どうしても殺したい」っていう感情・欲求?

④この世の中には「ひどいことをした人に対してなら、同じくらいひどいこと(=攻撃)をしてもいい」って思っている人がたくさんいるのかもしれません。この点、SNSで見られる誹謗中傷と似ているなと思いました。何か悪いことをしてしまった芸能人はいくらでも叩いてOKみたいなやつ。

望岡 慶

最後までお読みいただきありがとうございました!

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