「なんで電波で情報を送ることができるの?」
って方に向けて、電波で情報を送れる仕組みについて説明をします!
この記事の信頼性
僕(もちお)は、元社会科教員。
- 社会について、それなりにくわしい
- わかりやすく説明するのが、それなりに得意
※中学生でもわかるように説明します。
「情報を送る」とは?
まず、「情報を送る」とはどういうことなのか?についてです。
目の前にいる相手に情報を送るのであれば、そのままでも音は聞こえますし、画像を見せることもできますし、文字を書いて見せることもできます。
つまり、「実物の情報」を届けることができるので、問題はありません。
が、目の前にいない相手…遠くにいる相手に情報を送りたい時には、「実物の情報」を届けるのは難しい。
そこで、「実物の情報」を、別のものに変換するのです。
スマホやPCが使われているこのデジタル社会では、「実物の情報」は「0と1の数字」に変換することにしています。
例えば、音や画像や文字も、01000001011100000101000000101111110のように、全部「0と1の数字」で表すのです。
なんで音や画像や文字を「0と1の数字」で表せるの?って思うかもしれませんが、その質問に答えるだけで別の記事が書けてしまいますので、この記事では省略します。
とにかく、「実物の情報」は「0と1の数字」で表現できるのです。
となると、遠くにいる相手に情報を送りたい時は、「0と1の数字」さえ届けることができればOKということです。
「0と1の数字」を受け取った相手が、「0と1の数字」を「実物の情報」に変換しなおせばいいからです。(厳密には、「実物の情報」に100%正しく変換するのは無理なのですが)
というわけで、「0と1の数字」を送る仕組みさえあれば、遠くの人とも情報のやりとり(通信)ができるということになります。
そこで、電波の登場です。
電波とは?
電波とは、電磁波(電場と磁場を変化させながら進む波)の一種。
細かいことに突っ込むと、専門的になりすぎて訳わからなくなるので、とりあえず
電波は波の一種
でOKです。
波はこんな感じ。
波一つ分で進む距離のことを「波長」、1秒間に波打つ回数のことを「周波数」、波の高さを「振幅」と言います。
電磁波が1秒間に進む距離は決まっているので、周波数が増えれば増えるほど、波長は短くなります。
で、周波数の違いによって、呼ばれ方が違います。
僕たちが「光」と言っているものは、電磁波の一種。
電波とは、「光」よりも周波数が低い電磁波のことです。
で、波(電磁波)は、いくつかの波を合体させて一つの波を作ったり、合体した波から一つ一つの波に分解し直したりすることができる、という性質があるのです。
これが波(電磁波)の特徴。
本題は「0と1の数字」を送る仕組みでした。
実は、「0と1の数字」を送るために、電波を使うのです。
ある場所からある場所へ電波を飛ばすと、こんな感じです。
ウニョウニョっと、波が伝わります。
で、なんとこの電波に、「0と1の数字」の情報をのせることができるのです。
どうやって電波で情報を送るのか?
遠くにいる相手に届けたい「0と1の数字」は、このように波の形で表すことができます。
(波の山の部分が「1」、谷の部分が「0」になっている)
で、この「0と1の数字」から作った波と、電波を合体させるのです。(専門的には「変調」と言います)
合体した後にできる波はグチャグチャっとなります。
でも大丈夫。
波は、合体した波から一つ一つの波に分解し直したりすることができるのでした。
というわけで、「0と1の数字」から作った波と、電波を合体させて作られた新たな電波を、アンテナからぶっ飛ばします。
で、その電波を受け取ります。
地球上にはたくさんの電波が入り乱れていますが、特定の周波数の電波だけを受け取るように設定すれば、ほしい電波だけをゲットすることができます。
受け取った後、電波を分解して「0と1の数字」だけを取り出します。(専門的には「復調」と言います)
取り出された「0と1の数字」を「実物の情報」に変換すれば、音や画像や文字を再現することができる…というわけです。
ちなみに、「0と1の数字」から作った波をのせるために使う電波のことを「搬送波」(carrier wave:キャリア波) と言います。
まとめ
- 送りたい「実物の情報」は「0と1の数字」で表せる
- 「0と1の数字」は波の形で表せる
- 波は、合体したり分解したりできる
- ある電波と、「0と1の数字」から作った波を合体して送信し、受信したら波を分解して「0と1の数字」だけ取り出す
- 「0と1の数字」から「実物の情報」を再現する
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