日本

福島第一原発の事故について学ぶ旅の記録(浜通り)【2023年3月】

モチオカ(望岡 慶)

2023年3月、福島県の海沿い(浜通り)に行って、東日本大震災・福島第一原子力発電所事故に関する施設をめぐる旅をしてきました。

今回の旅を通して学んだこと・考えたことをメモしておこうと思います!

福島県 浜通り(原発周辺)の特徴・魅力

旅した場所

今回、旅をした場所はこのあたり。福島県の地域区分(浜通り・中通り・会津)で言うと浜通りです。

魅力・価値

浜通りの福島第一原発周辺はゴーストタウン。2011年3月に起きた福島第一原発事故後、広いエリアが立ち入り禁止区域に指定されたことで人が住むことができなくなってしまった地域です。

「観光」というと、

  • 人で賑わっているところ
  • エンタメ施設が集積しているところ

に行くのが普通ですが、、、

あえて人がいない場所(人がいたけど、住めなくなった場所)を観光することで、原子力発電所で重大な事故が起きるとどんなことになるのか?(=惨状)をリアルに学ぶことができます。

廃墟がたくさん・・・

観光ルート・予算

観光ルート

今回はこんなルートで旅をしました。

★1日目

7:44 東京駅発(新幹線)

9:38 福島駅着

  • 福島駅の観光案内所で資料をもらう
  • 福島駅でレンタカーを借りる(オリックスレンタカー)

国道114号を通って阿武隈高地を越える(約2時間)

12時頃 浪江町に到着

浪江町・双葉町を観光

やすらぎの宿 ホテル双葉の杜で宿泊

★2日目

双葉町・富岡町を観光

国道288号を通って阿武隈高地を越える(約2時間)

18:40頃 郡山駅着

  • 郡山駅でレンタカーを返す(オリックスレンタカー)

19:00 郡山駅発(新幹線)

20:44 東京駅着

所要時間

サクッと見学したとしても、1泊2日でギリギリ。

しっかり勉強したり途中で休憩したりするなら2泊3日の方がおすすめ!って感じです。

※一つ一つの施設で学ぶ情報量が多いので、1泊2日だと頭がパンパンになって結構疲れます

予算

合計:36,245円(+食費)

交通費:22,385円

  • 新幹線:11,900円(往復:割引適用)
  • レンタカー:8,970円
  • ガソリン代:1,515円

宿泊費:12,960円(割引適用)

施設の入場料:900円

  • 震災遺構 浪江町立請戸小学校:300円
  • 東日本大震災・原子力災害伝承館:600円

おすすめ観光スポット(見どころ)

阿武隈高地

東京から震災エリアに行くにあたって、沿岸部を通るルート(東京→日立→いわき→)もありますが、、、

せっかく原発事故学びに行くなら福島市から阿武隈高地を越えるルートで行くのをおすすめします。

阿武隈高地には、いたるところに帰還困難区域の看板があります。大きな道路は通れるけど横道は全部ふさがれている感じ。

特定廃棄物を運搬しているトラックも多数。

道の駅なみえ

浪江町の復興のシンボル。阿武隈高地の中の閑散とした山道とは一転、この道の駅は結構にぎわっていました。

名物のしらす丼は絶対食べるべき!

ラッキー公園

大平山霊園の高台

道の駅なみえから車で5分ほどの場所にある高台。ここから被災エリアを一望できます。

高台の下の低地にあった家屋は津波で流されてしまったようです。

公式ページはこちら:大平山霊園の高台

震災遺構 浪江町立請戸小学校

海に近い場所にポツンと建っている震災遺構。見学の所要時間は30〜60分くらいかなと思います。

津波の恐ろしさがよくわかります。

公式ページはこちら:震災遺構 浪江町立請戸小学校

福島県復興祈念公園の見晴台

公園を造成しているエリアにポツンと見晴台が建っています。ここも登るべき。

「復興」のために立派な公園を造ることになっているようです。。。

東日本大震災・原子力災害伝承館

原子力災害について展示された博物館。見学の所要時間は60〜120分くらいかなと思います。

ものすごくキレイで立派な建物。沖縄の平和祈念資料館と雰囲気が似てる。

原発事故が起きる前の町の様子や、事故がなぜ・どのように起きたのか?などについて学ぶことができます。

ガイドさん(実際に被災した現地の人)のリアルな思いを聞くことができて、とても勉強になりました。

ガイドさんの複雑な思い

  • どうしてこんなことになってしまったのか・・・
  • 原子力発電所の事故は二度と起こしてはいけない
  • 原発再稼働については、やや疑問(安全性をしっかり確かめた上で・・・なの?)
  • 同じような悲しい思いをしてほしくない
  • でも原子力発電所のおかげで地域が発展したのも事実
  • 原子力発電所のことを悪くは思わないけど・・・とにかく「なんでこんなことになってしまったのか・・・」という思い

原発があったエリアで壮大な計画が進行しているとのこと。「復興」とは何なのか?を考えさせられます。

公式ページはこちら:東日本大震災・原子力災害伝承館

中間貯蔵工事情報センター

「福島県内の除染で発生した土壌や廃棄物を最終処分するまでの間、貯蔵するための施設」について学べる情報センターです。見学の所要時間は30〜60分くらいかなと思います。

要予約ですが、そのことを知らずに突入してしまいました・・・が、予約なしでも入れてくれました。本当にありがとうございます(案内もしてもらって感謝!)。

中間貯蔵と最終処分の違いについて、むっちゃ勉強になりました!!!

※実際に中間貯蔵施設を見学できる見学会も開催されているとのこと(参加無料:月2回程度)。こちらの事前申込みは必須です!

公式ページはこちら:中間貯蔵工事情報センター

特定廃棄物埋立情報館リプルンふくしま

こちらは中間貯蔵(=一時的な保存)ではなく、最終処分に関わる施設。見学の所要時間は30〜60分くらいかなと思います。

特定廃棄物

=対策地域内廃棄物 + 指定廃棄物

対策地域内廃棄物:汚染廃棄物対策地域内にある廃棄物

指定廃棄物:一定濃度(8,000Bq/kg)を超える放射性物質を含み環境大臣が指定した廃棄物

公式ページはこちら:特定廃棄物埋立情報館リプルンふくしま

東京電力廃炉資料館

福島第一原発の廃炉事業について学べる博物館。60分または90分のツアー形式でガイドさんがいろいろと教えてくれます。

僕が行った時期は要予約でした!

予約なしでも入れてくれる感じではないので、予約なしで突入しないように!!!

ここはもともと、原子力発電のすばらしさをアピールするためのキラキラとした施設(「エネルギー館」)だったみたいです。

外装はアインシュタイン、エジソン、キュリー夫人の家を合体したイメージとのこと。

原発後、内装を一新して「廃炉資料館」としてオープン。

ダークな雰囲気になっていました。

説明がかなり専門的で難しく、頭パンパン。体力がある午前中に行った方がいいかもです。。。

説明を聞いて思ったのは、廃炉作業はムリゲーだな・・・ってこと。「原子力発電所の事故は絶対起こしてはいけない」っていう当たり前のことをより強く認識することができました。

公式ページはこちら:東京電力廃炉資料館

ちなみに近くにはイートインできるコンビニやショッピングモールのフードコートがあるので、廃炉資料館の見学と昼食をセットにするといいかも。

おすすめグルメ

釜揚げしらす丼

1,280円

しらす盛り放題!むっちゃおいしかった!!!

なみえ焼そば

780円

太めの麺がもちもちでおいしかった!

宿泊したところ(ホテルレビュー)

やすらぎの宿 ホテル双葉の杜

浪江町で宿泊するなら、やすらぎの宿 ホテル双葉の杜がおすすめ!道の駅なみえにも徒歩で行けます。

※近くにコンビニやイオンあるので、夕食・朝食にも困りません

部屋はこんな感じ。かなり広いお部屋!ホテルの玄関で靴を脱いで素足で入るタイプの珍しいホテルです。

1階に大浴場もあります。

夕食や朝食をつけることもできます。こちらは朝食の写真。

行く前に知っておくといいこと

福島駅の観光案内所が便利!

福島駅で新幹線から降りた後、改札のすぐ近くにある観光案内所に立ち寄るのがおすすめです。

「ホープツーリズム」というコーナーを要チェック。

浜通りの観光は車が必須

観光施設はわりと近くにまとまっているんですけど、それでも結構距離があって徒歩で回るのはキツイので、レンタカーを使うのがおすすめ!

福島駅で借りて郡山駅で返すこともできます!(オリックスレンタカー)

※ただ、阿武隈高地を越えて郡山駅まで帰るのは結構しんどいので要注意(日が暮れて暗い中、くねくね曲がる道を通らなければいけない)。国道114号で福島駅に帰るルートの方がほぼ一本道なので楽かも。

飲食施設は多くない

今回ぐるぐると回ったエリアに飲食施設はほとんどない!って思った方がいいです。

作業員の方のため(?)のコンビニがポツポツと点在しているので食べ物に困ることはないと思いますが、レストランやカフェでゆっくり・・・ってのは基本できないので要注意!

施設の定休日

僕が調べたところ、施設の定休日は日・月・火に固まっていました。

水・木・金あたりに行くのが良さそう!

見学予約が必要な施設がある

中間貯蔵工事情報センター

東京電力廃炉資料館

福島県浜通りに行って学んだこと・考えたこと

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