いないことにされている障害者がいる

モチオカ(望岡 慶)

マスメディアでの障害者の扱い方について思うところがあるので、まとめておきたいと思います。

マスメディアで取り上げられる人

言いたいことを分かりやすく伝えるために、便宜的に人間を3つのグループに分類します。

Aグループ良い人・すごい人
Bグループ普通の人
Cグループ悪い人・やばい人

この3つのグループのうち、マスメディア(テレビ・新聞など)でよく取り上げられるのはどのグループか?

Bグループの人(いわゆる普通の人)は珍しい存在ではないため、情報価値は低いです。なので、Bグループの人がマスメディアで取り上げられることはほとんどありません。せいぜい街頭インタビューなど「普通の人」を取材する必要がある時に出てくるくらいでしょう。

一方、Aグループの人とCグループの人は大多数を占めるBグループの人からしたら「レアな存在」です。よって、基本的には情報価値が高いAグループ・Cグループの人がマスメディアで取り上げられることになります。

テレビで言うと、

Aグループの人→ドキュメンタリー番組やバラエティ番組

Cグループの人→ニュース番組

という感じ。

マスメディアで取り上げられる障害者

ところが、ここに「健常者」「障害者」という分類を入れると話が変わってきます。

いわゆる健常者の場合、Aグループの人とCグループの人がマスメディアで取り上げられやすいというのはさっき言った通りなのですが、

障害者の場合、Cグループの人の露出が極端に減ります。テレビ番組で「犯罪を犯した障害者」が特集されているって見たことあります?ないでしょ。「犯罪を犯した障害者」をマスメディアで取り上げるのはタブーだと見なされているっぽいのです。

一方、「Aグループ×障害者」の露出は減りません。むしろ積極的にマスメディアで取り上げられている感じがします。日テレの24時間テレビなんてのはその最たる例。

つまり、僕たちがマスメディアを通して目にする「障害者」はほとんどがAグループの人だということです。特に意識せず普通に生活をしている限り、Bグループ・Cグループの障害者の方々を見る機会はほとんどないわけです。

マスメディアはいろんな障害者の人を取り上げるべき

健常者だったらそれでもいいと思います。普通に生活をしているだけでたくさんの「Bグループ×健常者」と接することになるので、「世の中にはいろんな人がいる」ことを自然と学んでいけるからです。

ちょっとこの人ヤバいな…性格悪いな…っていう人を何人も見るうちに、「なかには犯罪を犯す人(Cグループの人)もいるだろうな」ということも想像がつくはずです。

でも障害者の場合はそうはいきません。(グレーな人はたくさんいるとはいえ、)障害者手帳を持っている人の数が少ない以上、普通に生活をしているだけではいろんな障害者の方と接することはできないからです。

それなのにマスメディアが「Aグループ×障害者」ばかり取り上げてしまうと、、、

頭の中で勝手に

「障害者の人たちって良い人だよね」「障害者の人たちって一生懸命ですばらしいよね」

っていう図式を作る人が増えてしまうと思います。っていうか僕がそうでした。24時間テレビの企画を繰り返し見ることで、知らず知らずのうちに「障害者は良い人」「障害者は一生懸命なにかに向けて挑戦している」って信じてしまっていたのです。アホですよね。

そしてもっとマズいのは、「ハンディキャップを持っていて周りの人に迷惑をかけているんだから、せめてプラスのことしろよ」って思ったり、さらには「障害者が犯罪を犯すなんて許せない!」って思ったりしてしまうパターン。事実、(意識のあるなしにかかわらず)そういう厳しい目で障害者の方を見ている人は結構いるんじゃないでしょうか。

こうして生まれるのが「いないことにされている障害者」です。

「犯罪を犯した障害者」をマスメディアで取り上げるのはタブーになり、僕たちの中で「犯罪を犯す障害者」はいないことになる。

本当はたくさんいるのに。そしてそれは社会制度がマジョリティである健常者向けに設計されているからこそ…だったりする(=社会制度が「犯罪を犯す障害者」を生み出している側面もある)のに。

僕はマスメディアがもっといろんな障害者の人を取り上げるべきだと思っています。っていうか、24時間テレビが同時に「犯罪を犯した障害者」の特集もしろや!って思います。

「いないことにされている障害者」の実態についてくわしく知りたい方は、ぜひ『累犯障害者』という本を手にとってみてください。のほほんと生きていた僕にとって、ものすごく衝撃的な内容ばかりでした。

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