【日本史】知行国制度とは?わかりやすく:お金に困った上級貴族のための制度

知行国制度とは何なのか?について説明します!
知行国制度について調べたけど、Wikipediaとかの説明は詳しすぎてわかりにくい!っていう人向けです
知行国制度とは
知行国制度は「上級貴族に地方(○○国)から得られる収益をあげますよ!」って感じの制度です。
知行国制度の内容
- 院(上皇)や朝廷(天皇)が、上級貴族を○○国の知行国主に任命する
- 知行国主は○○国の受領を決められる!
- 知行国主は受領を通して、○○国からの収益をゲットできる!
知行国制度ができた背景
- 受領は収益がたくさん得られるオイシイ役職(↔︎でも上級貴族はなれない)
- 上級貴族への給料が不足していたので、収入源を確保させる必要があった

これだけだとわかりにくいので、「あーなるほど!そういうこと!」って思ってもらえるように頑張って説明します!
知行国制度を理解するためのポイント
受領はオイシイ役職
10世紀ごろになると、「国司のトップ」はオイシイ役職として認知されるようになりました。国司のトップのことを受領(ずりょう)と言います。
- 国司=地方の政治を行う役人
- 受領=国司の中のトップの人。天皇から「国内の支配は任せるから税を集めて持ってきてねー!」って委ねられた。
※日本列島はいくつもの地域に分かれていて、一つ一つの地域を「○○国」と呼んでいた。現代の都道府県みたいな感じ。


なんで受領がオイシイ役職になったのか?というと、受領は天皇から「国内の支配は任せるから税を集めて持ってきてねー!」ってお願いされた(=委託された)からです。
奈良時代にひとまず完成した「天皇中心の国家」(律令国家)では、「一人一人の人民から税を集める!」っていう方針でした。でも、一人一人から集めるのはすごく大変でうまくいきませんでした。

そこで天皇は、それぞれの地方(国)をまとめる国司という役職のトップの人(=受領)に権限と責任を集中させて、「国内の支配は任せるから税を集めて持ってきてねー!」っていう方針に転換します。
その結果、受領はオイシイ役職になりました。というのも、やり方次第で暴利をムサボルことができちゃう役職になったからです。
例えば、受領は自分の国から税を100集めて
- 天皇に20納める
- 自分の財布に80入れる
みたいなことができちゃいます。200集めれば、自分の財布に180入れられる。おいしすぎる。


みんな「受領になりたい…!」と思った
このように受領は利権として認識されるようになったので、みんな「受領になりたいいいいいいいいい!!!!」って思うようになりました。
ところが、受領になれる人は限られていました。というのも、律令国家では官位相当制(かんい そうとうせい)という原則があったからです。
官位相当制:国の役人は位階を与えられて、位階に対応する官職に任じられる…という原則。役人は位階・官職に応じた給料(封戸・田地・禄など)が与えられた。

官位相当制のもとでは、受領になれるのは五位くらいの位階を持つ人(いわゆる中下級貴族)だったらしいです。
じゃあ五位くらいの位階を持つ人だったら誰でも受領になれたのか?というと、そういうわけでもなかったようです。
受領に任じられる倍率はかなり高かったらしい。「受領になりたいいいいいいいいい!!!!」ってヨダレだらだらだった人はたくさんいたからです。応募殺到って感じ。

また、受領には任期がありました(4年)。
だからこそ、「受領になりたいいいいいいいいい」「もう一回やらせてええええええええ」って思っていた中下級貴族たちは、受領の任免権(人事権)を握っていた上級貴族に近づいて、アンナコトやコンナコト(私的に奉仕)をするようになったのです。
- 朝廷の儀式や寺社の造営を請け負う
- 上級貴族の家の事務
- 上級貴族の侍になって身辺警固
このように、中下級貴族たちは受領に任命されるために(=「成功」や「重任」のために)あの手この手を使って努力しました。
| 成功(じょうごう) | 私財を出して朝廷の儀式や寺社の造営などを請け負い、その見返りとして官職に任じてもらう。 |
| 重任(ちょうにん) | 私財を出して朝廷の儀式や寺社の造営などを請け負い、その見返りとして同一の官職に再任してもらう。 |
それくらい受領ってのはオイシイ役職だった!っていうこと。
知行国制度ができた背景
- 受領は収益がたくさん得られるオイシイ役職(↔︎でも上級貴族はなれない)
「上級貴族の給料どうする?」問題が発生
ここからが本題なのですが、
院政が行われるようになった11世紀後半〜12世紀ごろ、貴族の給料システムがうまく機能しなくなっていたようです(←たぶん荘園が増えて中央政府の収入が減ってしまったから)。
その結果、「おいおい上級貴族さんたちの給料どうするよ???」っていう問題が発生しました。

受領はむっちゃオイシイ役職になっていたわけなので、「上級貴族たちに受領になってもらうのが簡単な解決法なんだよなあ…」って感じ。
でも、官位相当制という原則があります。
「かといって上級貴族は受領(っていう中下級貴族向けの役職)にはなれないんだよなあ…」って感じ。

知行国制度ができた背景
- 受領は収益がたくさん得られるオイシイ役職(↔︎でも上級貴族はなれない)
- 上級貴族への給料が不足していたので、収入源を確保させる必要があった
悩んだ結果…
よし!受領を決める権限を与えちゃえ!
っていうトンデモナイ政策が行われるようになりました。
具体的には、以下のような制度を作りました。
- 院(上皇)や朝廷(天皇)が、上級貴族を○○国の知行国主に任命する
- 知行国主は○○国の受領を決められる!
- 知行国主は受領を通して、○○国からの収益をゲットできる!
これが知行国制度です。

○○国の知行国主に任命してもらった上級貴族は「○○国の受領を任命する権限」をゲットしました。
彼らは自分の子供や弟(子弟)、近親者を国司のトップ(受領)に任命します。
こうすれば、上級貴族は受領になった自分の子弟や近親者を通して○○国から得られる収益をゲットできるようになります。

よっしゃ!これで上級貴族の給料どうする問題が解決!めでたしめでたし!!!
…っていう、現代人の僕たちにはちょっと理解できない制度が知行国制度です。
上級貴族が受領の収益をかすめ取る仕組み。いやー、人間の考えることってオモシロイですねえ。
知行国制度は【法や慣例にこだわらずに上皇がむちゃくちゃやっている院政】の頃に広まった…っていうのも、なんかわかる気がします。
まとめ
知行国制度の内容
- 院(上皇)や朝廷(天皇)が、上級貴族を○○国の知行国主に任命する
- 知行国主は○○国の受領を決められる!
- 知行国主は受領を通して、○○国からの収益をゲットできる!
知行国制度ができた背景
- 受領は収益がたくさん得られるオイシイ役職(↔︎でも上級貴族はなれない)
- 上級貴族への給料が不足していたので、収入源を確保させる必要があった

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