標準時子午線とは?わかりやすく

問題です。この画像は、シンガポールの朝の様子を映したものです。一体何時でしょうか?
- 4時半
- 5時半
- 6時半
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正解は③の「6時半」でした。6時半なのにかなり暗く、ほぼ真っ暗と言ってもいいくらいです。
では、続けて問題です。なぜシンガポールの6時半はこんなに暗いのでしょうか?
- 赤道直下だから
- 冬だから
- 通常よりもずれた時刻を使っているから

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正解は③の「通常よりもずれた時刻を使っているから」です。社会科の教科書的な言葉で言うと、標準時子午線の設定の仕方がシンガポールは独特だからです。
標準時子午線(その国の時刻の基準となる経線)については、案外ちゃんと理解していない人が多いのではないかと思います。
というか、僕もそうだったので、学んだことを整理してお話ししたいと思います。
時刻の基本原理
まず一番大事なのは、「人間は太陽が最も高く昇ったタイミング(南中)を時刻の基準にしてきた」ということです。
本初子午線とは
世界の時刻の基準となる経線は、イギリスのロンドンを通る「本初子午線(経度0度)」です。
これは中学1年生の地理で勉強する有名な知識ですが、具体的にどういうことかと言うと、ロンドンで太陽が最も高く昇った瞬間を「正午(12時)」と定義したということです。
これを基準に、世界各地の時刻が決められていきました。


太陽が最も高く登るタイミングが基準
地球は24時間で1回転(360度自転)します。地球から見ると、太陽は24時間で1周するということになります。
太陽が最も高く登った瞬間を「正午(12時)」と決めましたので、もし昼と夜の長さがそれぞれ12時間ずつだとすると、
- 朝6時に太陽が昇り、
- 6時間後に太陽が南中して12時(正午)となり、
- さらに6時間後の18時に太陽が沈む
という計算になります。
緯度や季節によって日の出の時刻は変わりますが、「太陽が最も高く昇るタイミング」は基準として非常に分かりやすいため、ここを12時と設定しました。

時差とは
この「太陽が最も高く昇るタイミングを正午とする」という考え方を使うと、他の国、他の地域の時刻も決めることができます。
例えば日本でも「太陽が最も高く昇るタイミングを12時」にしたいわけです。
じゃあ「太陽が最も高く昇るタイミング」を見る場所を、日本の中のどこにするのか?
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イギリスのロンドン(本初子午線)から15の倍数でずれた場所に設定すると、ロンドンとの時差が計算しやすくなって便利です。
というのも、地球は24時間で360度回転するからです。

- 地球は1時間あたり15度回転します(360度 ÷ 24時間 = 15度)。
- つまり、本初子午線から東へ15度進んだ場所では、本初子午線よりも1時間早く太陽が南中します。
- 30度進んだ場所なら2時間早くなる。
このように、経度15度ごとにロンドンと1時間のズレが生まれる仕組みになっています。
であれば、世界の時刻の基準であるイギリスのロンドン(経度0度=本初子午線)から15の倍数でずれた場所で「太陽が最も高く昇るタイミング」を見て、最も高く昇ったタイミングを正午(12時)にすればいい。
そうすれば、イギリスのロンドンで太陽が南中するタイミングと、自分の国で太陽が南中するタイミングに、何時間のズレがあるのか。これが計算しやすくなります。つまり、ロンドンとの時差が計算しやすくなります。
この、各国の時刻の基準線を「標準時子午線」と呼びます。この経線の上では、太陽が最も高く昇る(南中する)タイミングが12時(正午)となります。

日本の標準時子午線
日本の標準時子午線は、兵庫県明石市を通る 「東経135度」 です。135は15×9なので、イギリスのロンドンで太陽が南中するタイミングの9時間前に、兵庫県明石市では太陽が南中する、ということになります。

では、なぜ日本の標準時子午線は兵庫県明石市を通る東経135度なのでしょうか?なぜ東経120度や150度ではダメだったのでしょうか?
- 兵庫県明石市の市長の権力が強かったから
- 日本のだいたい真ん中くらいだから
- 15の倍数の経線で、日本の国土を通るものはこれしかなかったから
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正解は③です。15の倍数の経線の中で、日本の国土を通るものが「東経135度」しかなかったため、これが日本の標準時子午線に選ばれました。

関東と九州で日没時刻が違う
日本は明石市の位置を基準(12時に太陽が南中する位置)にしているため、明石市よりも西にある九州などに行くと少し驚きます。僕自身、関東から初めて九州に行ったときに「全然太陽が沈まないな」と驚きました。
明石市で12時ちょうどのタイミングでは、九州ではまだ太陽が南中しておらず、太陽が昇っている最中です。九州では太陽の南中が遅れる分、日の入りも遅くなるため、夜7時になってもまだ明るいという現象が起きます。

シンガポールに話を戻すと
シンガポールはなぜ6時半なのに、あんなに暗かったのか。

シンガポールはほぼ赤道直下に位置しているため、1年を通じて夏も冬もなく、昼と夜の長さがほぼ12時間ずつのサイクルで繰り返されます。
本来であれば、朝6時頃に太陽が昇り、12時に南中し、18時に沈むはずです。そう考えると、6時半のタイミングはもっと明るくなっていておかしくありません。
それなのに真っ暗なのは、シンガポールが標準時子午線をあえてずれた位置に設定しているからです。
地理的な位置から言えば、シンガポールは「東経105度付近」の標準時を使うのが自然です。が、実際には 「東経120度」の標準時 を採用しています。

そのため、時計が太陽の動きよりも進んでいて、日の出が朝7時頃、南中が13時頃、日の入りが19時頃ということになっています。
つまり、シンガポールは「普通」よりも時刻が1時間進んでいる。これが、朝6時半でも外が暗い理由です。

標準時子午線は国土を通らなくてもいい
シンガポールの例のように、標準時子午線は必ずしも自分の国の国土を通過する必要はありません。逆に言うと、国土を通過する経線を標準時に選ぶ必要もない、ということです。
世界の標準時の地図を見てみると、その国を通る15の倍数の経線の時刻を標準時としていることが多いですが、国によってはそうでないところもあります。
たとえば、イギリスとフランス、スペインを見てみると、ほとんど同じくらいの経度にある国なのに、使っている標準時がずれていることがわかります。フランスやスペインは、自国を通る経線ではなく、ドイツなどと同じ「中央ヨーロッパ時間」の標準時を使っています。

シンガポールが時間をずらしている理由は、マレーシアに合わせたからです。
マレーシアは国土がマレー半島とボルネオ島(東側)の2つの地域に分かれており、東側の地域を通る経線の時刻を国全体の標準時に採用しました。そのため、首都クアラルンプールなど西側の地域では実際の太陽の感覚とズレが生じています。

歴史的・経済的に結びつきの強いシンガポールも、このマレーシアの標準時に合わせたという経緯があります。
というわけで、シンガポールの朝は暗い、ということになっています。面白いですねえ。






