中世

【日本史】鎌倉幕府の成立をわかりやすく:なぜ武士が権力を握った?

モチオカ(望岡 慶)

「みんな、平氏を倒すぞ!」っていうところから始まった戦いの中で、源頼朝は鎌倉を本拠地として武家政権を作りました。これが鎌倉幕府です。

が、これだけだと「幕府って何なのかイマイチよくわからない」ってなりがち。

歴史の勉強をしていると、急に鎌倉幕府、室町幕府っていうのが出てきて、古代まで存在感があった天皇はどこにいった?ってなりますよね。で、イマイチよくわからないまま、とりあえず「幕府っていうのができたのかー」って流してしまいがち。

そうなると日本の歴史についてよくわからないままになってしまう。

そこで、このページでは幕府とは何なのか?について説明します。

モチオカ
モチオカ
社会科ブロガー
Profile
千葉の公立中・公立高から、1年間の浪人を経て東大へ(文3→教育学部→大学院教育学研究科)。公立中学校の教員になった後、数年で退職。現在はブロガーとして生計を立てて8年目。★学生時代から教員時代にかけて、ずっと引っかかっていたのは、学校で学ぶ社会科と現実の社会とのギャップ。教科書を理解しても、ニュースを理解できない。このギャップを埋めたくて、今も社会の勉強を継続中。★目標は「世界一の社会科教員」——教えるのがうまい人ではなく、「この人といると自分も学びたくなる」そう思ってもらえる存在——になること。
プロフィールを読む

鎌倉「幕府」とは?

まず、日本のトップの人は天皇です。これは鎌倉幕府成立以降も変わっていません。

ただ、その天皇が日本全国を支配する、まとめるのが難しくなっていました。

天皇が日本全国を支配するのが困難に

みんな土地を守りたい

日本に住んでいる人、一人一人からすると、生きていくためには食べ物を確保することが重要です。その食べ物は主にお米です。

つまり、お米を作ることのできる土地っていうのは、富の基盤として、人間にとってすごく重要なものだった

だから、みんな土地を守りたい。

土地を奪うヤツがいる

ただ、人間はいろんな人がいます。なかには土地を実力で奪おうとしてくるヤツもいる。

これを聞くと、そんなヤツがいるなんてヒドイ!って思うかもしれませんが、もし自分が食べ物を全くゲットできなくなって死にそうになって、

  • そのまま死ぬか
  • 誰かの土地を奪って生き延びるか

っていう選択に迫られたら、誰かの土地を奪って生き延びようって思う人は少なくないはず。人間は欲望のカタマリですから、富をゲットしようと思うのは当たり前だし、仕方ないことです。

秩序を保つためにはパワーが必要

じゃあ、どうするか?そういうルール違反みたいなことが起きた時にどうするか?

もしくは、そういうルール違反みたいなことが起きないようにするためにはどうしたらいいか?

そういう時は、やっぱりパワーが必要です。法律(ルール)を作ったとしても、その法律(ルール)を破った時になんの罰もなかったら、ルールを守らないのが人間です。

結局、いろんな人間がいる社会が平和に穏やかにまとまるためには、パワーが必要です

学校でも、荒れないクラスって先生のパワーが強かったりしますよね。

もちろん、生徒がみんな優しい心を持っていて、思いやりがあって、みんなで作ったルールをみんなが守れればクラスは荒れません。

ですが、人間はいろんな人がいて、ルールを破る人もいるし、誰かをいじめようとする人もいるのが現実です。それに、誰も悪者はいなくて、どっちも正しいからこそ対立しちゃう、みたいなことだってあります。

ですが、クラスの先生がパワーを持っていたりすると、平和が保たれたりしますよね。

まあ簡単に言うと、先生がいつもピストルを持っていて、ルール違反した生徒に、、、とかだったら、ルール違反ってまあ起きないっていうことです。

長々説明してしまいましたが、何が言いたいかというと、社会の安定にはパワーが必要になることが多いっていうことです。

パワーのことを、暴力装置って表現することもあります

天皇はパワー(暴力装置)を持っていなかった

じゃあ日本のトップである天皇はパワー(暴力装置)を持っていたか?

持ってないんです。

天皇が持っているのは、みんなが「すげええええ」って感じちゃうオーラです。「日本のトップだ!」っていうオーラです。権威とも言います。

女系天皇は何が問題なの?わかりやすく解説【女系天皇と女性天皇の違い】
女系天皇は何が問題なの?わかりやすく解説【女系天皇と女性天皇の違い】
Y染色体とは?なぜ重要?男系天皇・女系天皇を分かつもの
Y染色体とは?なぜ重要?男系天皇・女系天皇を分かつもの

だから、パワーを持っていない天皇は、富の基盤である土地を守ってあげることができない

守ってあげるような仕組みを整えることができなかった。

※古代律令国家の時代に整備された軍隊(=軍団)は廃止されました。日本は対外戦争を全然経験しなかったので。

※国内の治安維持のためのパワー(=警察のようなもの)を、平安時代以降の日本は武士という存在に頼りました。

パワー(暴力装置)を持っていたのは武士

じゃあ、パワーを持っていたのは誰か?っていうと、それが武士です。

あいつら、人を殺す力、高い技術を持っています。むっちゃパワーを持っています。

このような、パワーを持った存在、軍隊が政治を行うようになると、そのような政治のあり方のことを軍事政権って呼ぶようになります。

※現代でも、軍部が政治を行っている国がありますよね。

幕府は軍事政権

幕府は軍事政権です。

例えば、今の日本で自衛隊の人が内閣総理大臣になって政治を行い始めたら、軍事政権です。(日本国憲法で禁止されているので、憲法が機能していれば、ありえないけど)

天皇は武士に統治を委任する

天皇は、「すげええええ」っていうオーラを持った存在で、日本のトップであることは間違いありません。

が、土地を守ってあげる力を持っているわけじゃないし、仕組みも機能していない。なので、このままでは社会が不安定になる可能性がある。

一方、武士は社会を安定させられるパワーを持っている。

そこで、天皇は武士に社会を安定させる仕事を任せるようになります。そうしてでき上がったのが、武家政権、鎌倉幕府です。

学校でイメージすると、こんな感じです。

荒れている学年があります。校長先生は、その学年をまとめることができない。(当然、校長のもとで働く先生も)

学年の中にいるナイフとかピストルとかをジャラジャラ腰にぶら下げた強い生徒が、校長のもとに行って、「俺たちに任せてください」って言う。

校長先生は、その生徒を「将軍」に任命して、学年のことを任せた。

将軍になった生徒は「あの校長先生から将軍って認められたんたぜ」っていうことを根拠にして、学年をまとめていく。

もし校長からの任命なしに「俺についてこい!」って言ったところで、周りからしたら「は?」って感じなわけですよ。

だから、強い生徒(将軍)にとって、校長先生(朝廷)とつながりを持っておく、っていうことが不可欠です。

まあこんなイメージです。

鎌倉幕府の成立

源頼朝が東国の支配権を認めてもらう

1183年に、源頼朝は後白河上皇と交渉をして、東国の支配権を認めてもらいます。

後白河上皇は源頼朝を警戒

1185年に平氏が滅んだ後、後白河上皇は源頼朝が力を持ちすぎることを警戒して、弟の源義経に「頼朝をぶっつぶせ」って命令をします。

そのことを知った源頼朝は、京都に軍を送って朝廷に圧力をかけます。

源頼朝は守護・地頭の任命権を認めてもらう

「義経をぶっつぶすために、

  • 国ごとに守護を任命する
  • 荘園や公領ごとに地頭を任命する

権利を認めろ」と。で、源頼朝はこの権利を朝廷に認めさせました。

守護っていうのは、地方の警察みたいな仕事をする役職のことです。

地頭っていうのは、荘園や公領を管理して、その中から税を集める役職のことです。

これは、社会を安定させる仕事を、源頼朝が正式に朝廷から任されたっていうことです。

地方の警察も任されたし、土地を管理する人を任命する権利も得ましたからね。

2つ目の地頭っていうのが結構重要です。

これは、オーラを持っている朝廷に認められた、パワーを持っている源頼朝から、「ここの土地はあなたが管理してください」って言われるっていうことです。

「あの頼朝さんが認めたんだから」っていうことで、自分の土地は守られることになる。

守護・地頭を任命する権利を認めさせた1185年に、鎌倉幕府が成立したと言われています。

奥州藤原氏を滅ぼす

ただ、平氏は滅したものの、東北地方には奥州藤原氏っていう存在がいます。こいつが邪魔です。

源義経は、頼朝にぶっ潰されることを恐れて、東北地方にいって奥州藤原氏に守ってもらっていました。

そこで源頼朝は、義経をかくまった(隠した)ことを理由に、奥州藤原氏を滅ぼしました。

源頼朝が征夷大将軍に任命される

1192年には、源頼朝は朝廷から征夷大将軍に任命されます。

こうして、鎌倉幕府が成立しました。

動画でも解説

運営者
モチオカ
モチオカ
社会科ブロガー
千葉の公立中・公立高から、1年間の浪人を経て東大へ(文3→教育学部→大学院教育学研究科)。公立中学校の教員になった後、数年で退職。現在はブロガーとして生計を立てて8年目。★学生時代から教員時代にかけて、ずっと引っかかっていたのは、学校で学ぶ社会科と現実の社会とのギャップ。教科書を理解しても、ニュースを理解できない。このギャップを埋めたくて、今も社会の勉強を継続中。★目標は「世界一の社会科教員」——教えるのがうまい人ではなく、「この人といると自分も学びたくなる」そう思ってもらえる存在——になること。
記事URLをコピーしました