ヨーロッパ

ヨーロッパがやたら地球温暖化にうるさい理由

モチオカ(望岡 慶)

ヨーロッパって、やたら環境に対する意識が高い、特に温暖化に対してうるさいな、と感じたことはありませんか。

僕も正直そう思っていましたが、最近、ヨーロッパは世界の大陸の中で最も速く温暖化が進んでいることを知り、「なるほどなー」と思いました。

近年のニュースでも、ヨーロッパを猛烈な熱波が襲い、エアコンが普及していないために深刻な被害が出ているという報道をよく目にします。これもまさに、ヨーロッパが温暖化の影響を最も強く受ける大陸であることと深く関連しています。

モチオカ
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社会科ブロガー
Profile
千葉の公立中・公立高から、1年間の浪人を経て東大へ(文3→教育学部→大学院教育学研究科)。公立中学校の教員になった後、数年で退職。現在はブロガーとして生計を立てて8年目。★学生時代から教員時代にかけて、ずっと引っかかっていたのは、学校で学ぶ社会科と現実の社会とのギャップ。教科書を理解しても、ニュースを理解できない。このギャップを埋めたくて、今も社会の勉強を継続中。★目標は「世界一の社会科教員」——教えるのがうまい人ではなく、「この人といると自分も学びたくなる」そう思ってもらえる存在——になること。
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ヨーロッパの気温上昇

地理の教科書に、地域ごとの地球温暖化の進み方を示すデータが載っています。これを見ると、北極圏からヨーロッパ、中東にかけての地域で気温上昇率が高いことがわかります。

では一体なぜなのか?いくつかの観点から理由が説明できます。

理由①:北半球は陸地が多く、雪や氷が溶けやすい

1つ目の理由は、北半球の地理的特性と氷の融解です。

まず前提として、陸地は海洋より温まりやすいという性質があります。そのため、南半球に比べて陸地面積の広い北半球は、地球温暖化の影響をより受けやすい環境にあります。

さらに温暖化が進行すると、北極圏やヨーロッパにある氷や雪が溶け出します。本来、白い氷や雪は太陽光を反射する役割を果たしていますが(アルベド効果)、これらが溶けて黒っぽい地表や海面が露出すると、太陽光の熱をより多く吸収し、さらに気温が上がって、さらに雪が溶ける・・・というループが生まれます。

理由②:偏西風の形が変わり、熱がこもりやすくなっている

2つ目の理由は、大気の流れ方の変化です。

通常、ヨーロッパ上空には西から東へと偏西風が吹いています。この流れが北極圏の気温が上昇したことで変化して、温かい空気が同じ場所に居座りやすくなっているようです。

蓋をされたように地表付近に熱がこもる状態が生まれる「ヒートドーム効果」というものもあるようですが、このあたりは難しくてまだよく理解できていません。

あと土壌の乾燥も大きな理由の一つとのこと。

湿った土壌は、水分が蒸発するときに熱を奪ってくれる(打ち水と同じ原理)ので、気温上昇を抑えます。ところが一度乾いてしまうと、この冷却が働かなくなり、日射のエネルギーがそのまま気温上昇をもたらすことになります。

春から初夏にかけて乾燥した年は、夏の熱波が極端化しやすいようで、近年のヨーロッパの猛暑でもこのメカニズムが働いたらしいです。

理由③:大気汚染の改善で、日射が地表に届くようになった

3つ目の理由は、非常に皮肉な現象ですが、ヨーロッパで環境意識が高まった結果、大気汚染が改善されたことです。

大気汚染物質(エアロゾルなど)は太陽光を反射して地表に届く日射を減らします。

ヨーロッパでは1980年代以降、酸性雨対策や大気汚染規制によって二酸化硫黄の排出が大幅に削減されました。その結果、地表に届く日射量が増加するようになったようです。

まとめ

ヨーロッパの温暖化が速い理由は、複合的です。

  • 陸地が多い
  • 積雪・海氷の減少
  • 大気循環の変化
  • 土壌の乾燥
  • 大気汚染の改善

これらの要因によって、ヨーロッパは地球上の大陸の中で最も速く温暖化が進む大陸となっています。

「環境意識が高いから主張している」というだけでなく、「現実に最も激しい被害を受けている大陸だからこそ、環境問題に厳しい姿勢を取らざるを得ない」という地理的・環境的な背景が存在しているのです。

動画でも解説

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千葉の公立中・公立高から、1年間の浪人を経て東大へ(文3→教育学部→大学院教育学研究科)。公立中学校の教員になった後、数年で退職。現在はブロガーとして生計を立てて8年目。★学生時代から教員時代にかけて、ずっと引っかかっていたのは、学校で学ぶ社会科と現実の社会とのギャップ。教科書を理解しても、ニュースを理解できない。このギャップを埋めたくて、今も社会の勉強を継続中。★目標は「世界一の社会科教員」——教えるのがうまい人ではなく、「この人といると自分も学びたくなる」そう思ってもらえる存在——になること。
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